「 タイムクエスト 」と「福引チケット」の市場押上げ効果




「タイムクエスト」と「福引チケット」による市場押上げ効果を検証

2018年5月末からキャンペーン「タイムクエスト」が開始され、キャンペーン報酬として「福引チケット」が配布されるようになりました。

「タイムクエスト」では、参加ユーザーがほぼ全銘柄に対して10秒ずつの買いを入れることになります。また、キャンペーン報酬として配布される「福引チケット」では、チケットが消費されることで市場からランダムに10秒が購入されます。

今回は、「タイムクエスト」と「福引チケット」が市場にもたらした効果を市場規模ベースで測定したいと思います。

「タイムクエスト」については、下記記事にてルールやコツをご紹介しています。

 

キャンペーン「タイムクエスト」開始前後での市場傾向をベースに検討

どのように市場効果を検討するかというと、キャンペーン「タイムクエスト」が開始される前後での市場傾向の違いから検討したいと思います。

下図をご覧ください。

上の散布図は、2017年12月13日~2018年6月末までの市場規模と売買代金を表したものです。一週間毎の市場規模と売買代金を散布図としています。

この散布図を検討した結果、売買代金と市場規模には強い相関があり、その近似式は

y=2.45x + 172000000
(y:市場規模 x:売買代金)

で表されることが分かりました。詳しくは下記記事をご覧ください。

ここで、散布図をご覧頂けると分かる通り、2018年6月の4週分のデータは、全体的な傾向から外れています。2018年5月末から「タイムクエスト」が開始され、「福引チケット」の配布が本格化したことから、この傾向の違いは「タイムクエスト」と「福引チケット」の効果によるものであると考えられます。

したがって、それまでの市場の傾向を表す近似式【y=2.45x + 172000000】と2018年6月のデータの差分が、「タイムクエスト」と「福引チケット」による市場効果であると考えられます。

散布図上に表すと、オレンジ色の矢印が「タイムクエスト」と「福引チケット」の市場効果を表します。

市場効果の計算

それでは、実際に「タイムクエスト」と「福引チケット」の市場効果を計算します。

2018年6月の4週分のデータは下記の通りです。

[2018年6月の実際のデータ]
6月 6日:売買代金(x)=1300万円 市場規模(y)=2億7858万円
6月13日:売買代金(x)= 608万円 市場規模(y)=2億7968万円
6月20日:売買代金(x)= 943万円 市場規模(y)=2億8893万円
6月27日:売買代金(x)=1141万円 市場規模(y)=2億6128万円

上記売買代金(x)を近似式【y=2.45x + 172000000】に当てはめた場合の市場規模(y)を算出します。

[2018年6月の近似式から求めた市場規模]
6月 6日:y=2.45 × 1300(万円) + 17200(万円)=2億 385万円
6月13日:y=2.45 × 608(万円) + 17200(万円)=1億8690万円
6月20日:y=2.45 × 943(万円) + 17200(万円)=1億9510万円
6月27日:y=2.45 × 1141(万円) + 17200(万円)=1億9995万円

実際の市場規模から、近似式により求めた市場規模の差分を計算します。

[実際の市場規模から近似式の市場規模の差分を計算]
6月 6日:2億7858万円-2億 385万円=7473万円
6月13日:2億7968万円-1億8690万円=9278万円
6月20日:2億8893万円-1億9510万円=9383万円
6月27日:2億6128万円-1億9995万円=6133万円

これらの差分の平均を求め、市場効果とみなします。
 
 
以上の計算から、「タイムクエスト」と「福引チケット」による市場効果は8067万円であったということが分かりました。割合にすると、市場規模を30%程度押し上げた計算になります。
 
 

まとめ

今回の内容をまとめます。

①2017年12月~2018年5月の売買代金と市場規模には強い相関があった。

②しかし、2018年6月のデータは相関から外れていて、それは2018年5月末から開始された「タイムクエスト」と、それに伴って配布された「福引チケット」によるものだと考えられる。

③そこで、2018年6月のデータが近似式からどれだけ外れているかを計算し、それが「タイムクエスト」と「福引チケット」による市場押し上げ効果であると考えられる。

④「タイムクエスト」と「福引チケット」による市場押し上げ効果を計算したところ、8067万円であった。

以上が、今回の話の流れと結論です。

2018年6月のデータが相関から外れていることと「タイムクエスト」・「福引チケット」の関係はあくまで推測ですが、他に要因が見当たらないことと、「タイムクエスト」・「福引チケット」は市場規模を押し上げる効果があるのは間違いないため、今回の結論はそれほど的外れではないと考えています。

今回は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。