タイムバンクにはジュエリー系の商品が続々登場していますが、中には「なんでこんなに安いの!?」とびっくりするような価格でダイヤモンド付ネックレスが売られています。
商品説明には「鑑別所付き」の文字があり、一見、有名ブランドのダイヤと同じくらいキチンとした品質のものだと思ってしまいますが、果たして本当にそんなうまい話があるのでしょうか?
今回はタイムバンクで販売された「純プラチナ0.3ctダイヤネックレス」を購入してみて、実際にどのような商品が届いたのか、その品質はどうなのかをレビューいたします。

目次
結論:素人目には良い商品に見える
まず結論から言ってしまいますと、私が見た限りは良さそうな商品が届きました。
もちろん宝石については素人で、あくまで見た目だけではありますが、仮に10万円のネックレスと言われても疑問は持たないと思います。
品質はあまり気にせず、見た目重視で安くダイヤのネックレスを手に入れたい、という需要にはぴったりの商品だと思いますよ。
しかし、やはり気になるのは実際にどれだけの価値があるのか、というところですよね。プロではないので断言はできませんが、付属の鑑別所や商品説明を頼りに可能な限り調べてみました。
実際に届いた「純プラチナ0.3ctダイヤネックレス」
こちらがタイムバンクで購入して実際に届いた「純プラチナ0.3ctダイヤネックレス」です。
サイズ的には0.3カラットでほぼ間違いなく、見た目にも黄色っぽさや混合物は無いように見えます。ただし、専用のレンズで確認するものなので、どれくらいの品質なのかは素人目には確かめようがありません。


専用の箱が付属していて、外観としてはこんな感じです。


そして、こちらが鑑別書です(鑑別書番号は隠してあります)。
「貴宝科学協会」というところが検査し、その結果が記載されています。


重要なのは、この鑑別書がどれくらい信頼が置けるものなのか、と言うところです。
疑問符が付く”鑑別書”の内容
いろいろ調べてはみたのですが、残念ながら付属の鑑別書はダイヤモンドの品質について担保するものではないということが分かりました。
鑑別書はダイヤか否かを判断するだけ
そもそもダイヤに関連する書類には「鑑別書」と「鑑定書」があります。
「鑑定書」というのが、ダイヤの品質に関わる”4C”について検査した結果で、ダイヤの品質を担保するものです。
一方、今回付属していた「鑑別書」というのは「何でできているのか」という材質を保証するもので、天然ダイヤか否かを書いているだけなんですね。

つまり、「(品質は分からないけど)これは天然ダイヤですよ」と書いてあるだけで、他の項目はおまけ程度。
届いた鑑別所には「無色、透明、金剛光沢」で「0.3ct.の刻印あり」と書かれていますが、”4C”については一切保証するものではありません。
これは鑑別書を作成した「貴宝科学協会」が独自に設けた基準から鑑別しているものと思われますが、宝石の鑑別について信頼のおける団体「一般社団法人 宝石鑑別団体協議会」に「貴宝科学協会」は属しておらず、その基準の信頼性については知る由もありません。
結局、品質はプロに見てもらう必要
今回は「鑑別書」しか付属していなかったため、ダイヤとしての品質はプロに鑑定してもらわないと分からない、ということが分かりました。
一応、商品説明にはHカラー(10段階中5)でI1クラス(内容物が見える)と記載されていますが、これは石の個体差や鑑定者によって差が生じうるところなので、届いた商品がそのクラスでなくても文句は言えません。

結局、どこかに買取査定を出してプロに見てもらわないと市場価値は分からないということですね。今度、買取査定をしてもらって品質のほどを確認してこようと思います。

タイムバンクの売り方に疑問
素人には”超お買い得”に見える
通常価格88,000円から74%OFFの23,000円で、0.3カラットの鑑別書付き、”厳選HカラーI1クラス“という記載があれば(こう書くと低ランクのI1クラスもそれっぽい)、素人目にはとてもお買い得な商品に見えますね。
リテラシーの高い方はともかく、中には本当にお買い得だと思って購入してしまう人もいそうですので、個人的にはこのような売り方には疑問を感じます。
私は品質を確かめるために買ったので、記事のネタ代だと思って諦めもつきますが、高品質が担保されたダイヤが手に入ると思って購入した方にとっては残念な気分になってしまうのではないでしょうか。
イメージ違いによる返品は不可能
商品には一枚の紙が同封されていて、「イメージ違い等お客様都合による返品はお受けしておりません」としっかり記載されています。
一応、アプリ上の商品説明などで説明義務は果たしていると言えますので、壊れているわけでなければ返品することはできないようになっています。

この辺りは前回リポートした「酷評の嵐‼︎「K10オープンハートMINIネックレス」はハズレか?」と同じですね。
ひと昔前のテレビショッピングの手法
テレビショッピングでダイヤが破格の値段で販売されることがあります。
4Cのうち1つないし2つだけを徹底的にPRし、悪いところはチラッと出すだけ、というタチの悪い(と個人的には思う)販売手法ですが、タイムバンクの売り方もこの手法と似たり寄ったりだな、と感じてしまいました。
元々は新時代を感じさせるアプリでしたが、今やひと昔前に逆行してしまっていますね。
もちろん、「純プラチナ0.3ctダイヤネックレス」を販売しているのは別の業者で、タイムバンクはプラットフォームを提供しているだけではありますが、商品説明等はチェックしているはずで、ユーザーのリテラシーにつけこむような売り方を許容してしまっているのには疑問を感じます。
決して悪い商品ではない
ここまで良いことはあまり書きませんでしたが、売り方が良くないというだけであって、決して商品自体が悪いというわけではないと思われます。
見た目には確かにHカラーと遜色なく(家にあるのと比べました)、内容物も肉眼では分からない程度です。
「ダイヤの品質が担保されないが、使う分には問題がないレベル」ということを理解した上で購入するのであれば、比較的低価格で満足のいく商品を手にすることができるのではないでしょうか。
実用的ではありますので、使う機会のある方にとっては購入を検討する価値はあると思いますよ。


まとめ
今回は厳しい内容の記事となってしまいました。私は基本的にタイムバンクの味方なのですが、情報や知識の格差をお金に換えるような手法は好きではありません。
法律を犯しているわけではありませんが、良いところだけでなく悪いところまでキチンと説明した上で、商品の価値を伝えて欲しいですね。
タイムバンクは”信用経済“を標榜しているわけですから(いまは違うのか?)、アプリ自体の信用を落とすようなことはやめて欲しいなと思います。
個人的にこのような売り方は嫌いなのでいろいろ書きましたが、実用ベースであれば購入を検討する価値はあるかと思います。