バルニバービは充実した株主優待で個人投資家から人気の銘柄です。
100株からもらえるお食事券の他、500株から参加でき抽選会、株主限定イベント、長期優待として自社グループ割引券をプレゼントしています。
業績好調だったバルニバービですが、飲食業ということで新型コロナの影響を大きく受けて業績が悪化。株価も大きく下落しており、買い時が難しい銘柄になってしまいました。
本記事では、バルニバービの株主優待を紹介した上で、業績・株価から買い時について考察したいと思います。
株価885円(2020年7月3日終値)
目次
バルニバービを購入するメリットと口コミ
バルニバービは株主優待が充実しています。
自社運営の飲食店のお食事券の他、500株以上を保有すると参加できる抽選会、長期保有対象の割引券をもらうことができます。
また、長期保有株主を対象とした懇談会も開催しており、バルニバービ社員と交流できるというところも根強いファンに人気です。
他銘柄と比べて非常に充実した株主優待を実施しています。
- ・保有数に応じてお食事券がもらえる
- ・500株以上で抽選会に参加できる
- ・長期保有でメンバーシップクラブ「SALON BARBIES」会員になれる
- ・株主限定イベントに参加できる
- ・配当あり(1株7.5円)
保有数に応じたお食事券
バルニバービのメインとなる株主優待で、バルニバービが運営する飲食店で利用することができます。
また、2,000円分お食事券は自社オリジナル商品と交換することができ、近くに店舗がない場合でも活用することが可能です(ただし1,000円分2枚では引き換え不可)。
- 100〜199株:1,000円分お食事券
- 200〜599株:2,000円分お食事券
- 600株以上:4,000円分お食事券
500株以上で参加できる抽選会
1月末時点で500株以上保有している株主を対象に、オンラインで抽選会を行っています。
2020年度は13種類の自社サービス券が商品となっていました。
- ・ルーフトップバー「Privado」屋上貸切プラン (1組2名)
- ・「南禅寺参道 菊水」ペアご宿泊券(朝食付き) (2組4名)
- ・バルニバービ レセプションパーティーご招待券 (30組60名)
- ・「ドローイング ハウス・オブ・ヒビヤ」八女茶のバスクチーズケーキ (5名)
- ・「CALENDAR HOTEL」ご宿泊券(モーニング付き) (5名)
- など、計13種類。詳細は公式サイト参照。
合計100人以上が当選する抽選ですが、2019年時点での株主数はおよそ7,000人となっており、当選する可能性はそこそこあります。
商品毎の抽選なので穴場を狙えば当選確率が上がりそうですね。
長期保有でメンバーシップクラブ「SALON BARBIES」になれる
最低半年間の保有で、バルニバービの飲食店が割引になる「SALON BARBIES」会員になることができます。
必要な保有数と期間は以下の通りです。
シルバー会員(5%割引):200株以上を3年間保有、または600株以上を1年間保有
ゴールド会員(10%割引):600株以上を3年間保有、または1,000株以上を2年間保有
上記割引に加え、シルバー会員の場合はSalon BARBIESコース料理が5,000円→3,800円に、ゴールド会員の場合はSalon BARBIESプレミアムコース料理が8,000円→5,000円になる優待も用意されています。
また、ゴールド会員は隅田川花火大会の特別鑑賞席優先予約を先着20名で行うことができます。
株主限定イベントに参加できる
株主限定イベントとして、クッキング教室やコーヒーセミナー、ワインを楽しむ会などを開催しています。
参加費は有料ですが、どのイベントも1万円以下で設定されています。
開催場所は東京・大阪が中心です。
バルニバービの年間配当
株主優待に力を入れている一方、配当は株価に対して低い水準です。
配当額は1株7.5円。
100株保有(8万8,500円)で年間750円ですので、配当利回りとしては0.85%となっています。
2021年度も同額の配当が予定されていますが、新型コロナによる業績悪化で無配となる可能性もあります。
バルニバービ株を買った人の口コミ
バルニバービ株を買った人の満足度はかなり高そうです。
お食事券は食事としてだけでなく、持ち帰りの店舗でも利用することができます。
ただ、利用できる店舗自体が少ない上、利用期限が到着から約半年と使い勝手の評判は悪いです。
中には株価下落で損失を被っている人も。高い時は1株2,000円でしたので、現在の株価(885円)は半値以下の水準です。
https://twitter.com/hanakabuneko/status/1200294539107287040
バルニバービの株主優待券を使用して、丸井有楽町店の中にある、Skewでケーキを購入❤️ pic.twitter.com/cnq5dyTkiI
— namiyuyu (@namiyuyuyu) September 29, 2019
4月30日期限券も延長しませんでした。最寄店休業中で困りましたね。結局レモンケーキに交換。
— ジアエンソ (@mamedaifuku80) July 4, 2020
バルニバービの基本情報 – 企業理念・事業内容
バルニバービ株を買うメリットを知ってもらったところで、基本となる企業理念・事業内容を見てみましょう。
企業理念
バルニバービは以下のミッションを掲げています。
「美味しいものをより楽しく、より健康に、より安く」をすべてのレストランに通じるキーコンセプトに
安心・安全な”食”と”心豊かな時間”を提供し、「食べることの幸せ」を形にします。
「バルニバービ」は聞き慣れない名称ですが、「ガリバー旅行記」に登場する島の名前から取ったそうです。
業態としては飲食業ですが、チェーン展開する企業とは一線を画する戦略が競争力となっており、場所ごとに最適な店舗コンセプトやメニューを一から作り上げることで、非日常感のある体験を実現しています。
事業内容
事業内容としては飲食店運営だけでなく、飲食店を始める個人・法人を対象とした店舗プロデュースも行っています。
プロディユース業では直営店の知見を活用し、物件開発・インテリア・メニュー開発までワンストップで行えることが強みです。
その他、「東京アスリート食堂」や、スカイツリーの見える食とアートの複合商業施設「Mirror」などのプロジェクトに参加しています。
事業規模
2019年は90店舗で売上高115億円を計上しました。
従業員数としては社員624名、アルバイト等378名(2020年4月時点)という規模です。
バッドロケーション戦略で高収益
バルニバービの戦略で特徴的なのが「バッドロケーション戦略」です。
その名の通り、飲食店には不向きな郊外に出店する戦略ですが、水辺や公園など、周辺環境に恵まれた場所で気持ちの良い空間を演出し、家賃を抑えながら高い収益性を実現することに成功しています。
各場所で最適な店舗形態を検討するため、出店ペースは月1店舗程度とチェーン店に比べ遅いですが、質の高い店作りで着実に売り上げを伸ばしてきました。
バルニバービの株主還元 – 株主優待・配当・自社株買い
バルニバービは規模が小さいながらも株主還元に積極的な企業です。
2019年には自社株買いの実績もあります。
優待利回り
上では株主優待の内容について紹介しましたが、ここでは優待の価値について考察しましょう。
100株を取得するのに必要な金額8万8,500円に対し、お食事券は1,000円分ですので、優待利回りとしては1.13%です。
500株以上の場合に参加できる抽選は当選確率が1〜2%ですが、外れる可能性が高いので優待の価値として計算するのは難しいですね。
その他、長期優待でもらえる会員権、イベント参加権がありますが、こちらも金額換算は不可能です。
客観的な株主優待利回りとしては1.13%という結論になります。
配当利回り
バルニバービの配当は直近3年間は7.5円で固定されています。
配当利回りとしては0.85%。株主優待が人気で株価が高めになっており、配当利回りとしては低水準です。
2020年度7月期も7.5円が予定されていますが、新型コロナの影響で業績が下押しされており、手元資金温存のため無配になる可能性が高いと予想しています。
自社株買い
2019年には初となる自社株買いを発表しました。
規模は1億円、9万株で、発行済株式のおよそ1%を償却しました。
実際のリリースはこちらをご覧ください。
バルニバービの業績・株価推移
業績推移と2020年度決算
業績は2019年まで右肩上がりでしたが、新型コロナの影響で2020年度決算は急悪化する見通しです。
2020年度のこれまでの四半期決算は次の通りです。
- ・第1四半期:売上高30億7,200万円、営業利益9,700万円
- ・第2四半期:売上高30億5,500万円、営業利益1億5,100万円
- ・第3四半期:売上高16億1,700万円、営業利益-6億4,500万円
2020年度第3四半期は3億9,700万円の損失でした。
会社発表の業績予想は「未定」となっていますが、証券会社の予想では通期で黒字が確保できる見通しです。
飲食業は営業自粛・外出自粛の影響でどこも厳しいですね。
個人的な予想ですが、バルニバービの店舗は地元住民の「憩いの場」として利用されており、オンラインやデリバリーサービスで代替が難しいのではと考えています。
営業自粛・外出自粛が解除された後の業績戻りは早いのではないでしょうか。
業績推移
バルニバービの買い時は?
優待銘柄の場合、業績悪化による優待廃止が怖いところです。
しかし、バルニバービは優待利回りとしては低く抑えていることに加え、自社店舗の集客効果もある優待内容ですので、優待廃止の可能性は少ないでしょう。
一方、手元資金確保のため減配(無配)とする可能性は高く、2020年度7月決算の持ち越しは怖いところです。
株価水準としては現在の885円は買い時の水準だと考えますが、積極的な買い時としては新柄コロナの影響が見えた時だと考えています。
優れたビジネスモデルを持っていることはこれまでの業績から確認することができましたので、あとはいつ反転するかが焦点となります。
ちなみに、証券会社の目標株価は1,100円がつけられており、現在の株価に対して強気な姿勢です。
バルニバービまとめ
飲食店運営・プロデュース業を展開するバルニバービについて紹介しました。
株主優待が非常に充実しており、バルニバービのファンであればせひ購入しておきたい銘柄ですね。
利回りとしては低い銘柄ですので、なんとなく取りに行く優待・配当としては対象から外した方が良いと思います。
安定した成長をしている銘柄ということもあり、新柄コロナ懸念で株価が下落している今が買い時であると言えますので、値上がり益狙いで監視しておきたいところです。