日本製鉄の株価と配当は今後どうなる?株価3,600円、配当140円以上を予想する根拠




日本製鉄の株価は3,000円台まで上昇して好調です。

配当利回りは6%近くあり、株価上昇と配当取りの両面で狙える銘柄となっています。

しかし、株価と配当は今後どうなるでしょうか。

業績好調が一時的なら、今が株価と配当が最高潮となり、今買った人は損失を被るでしょう。

そのため、将来の見通しを確認してから買うのがベストです。

本記事では、大手証券の業績予想をもとに、2025年までの株価と配当を予想しました。

本記事の概要
  • 2024年は株価3,400円、配当140円を予想
  • 2025年か株価3,600円、配当150円を予想
  • 利益率回復により業績は堅調が続く見通し

2025年までの業績予想

業績予想の詳細

今後の株価と配当を予想する上で、今後の業績予想を見ておきましょう。

以下が2025年3月期までの業績予想です。

決算期売上営業利益純利益
2022/3(実)6兆8,090億円9,381億円6,370億円
2023/37兆8,530億円8,655億円6,580億円
2024/38兆6,550億円6,260億円4,230億円
2025/38兆3,480億円6,995億円4,510億円

業績予想はJPモルガンのレポートから引用しました。

2024年は利益縮小

業績は一旦落ち込む見通しです。

2023年3月期は純利益6,580億円に達しますが、2024年3月期は4,230億円に減少します。

理由は、高騰した鉄鋼市況が落ち着くと予想されるためです。

ただし、コロナ前の純利益は2,500億円だったので、4,000億円超の純利益は依然として高水準です。

2025年3月期には利益率が上がり、4,510億円への増益が予想されています。

高水準で業績安定の見込み

今後、日本製鉄の業績は安定すると見られています。

これまでは利益が不安定で、将来の株価予想が立てにくいことから、株価が安い一因となっていました。

2007年以降の業績推移。これまでは利益が不安定だったが、今後は安定する見通し。

しかし、コロナ禍を経て経営体質が筋肉質になり、安定した利益が出せるようになりました。

特に、2025年までに1,500億円の固定費削減が断行されるのは投資家目線で好材料です。

今後は業績安定とともに株価が再評価されることが期待できます。

今後の株価予想

1株利益の予想

2025年までの業績予想から株価を算出します。

まず、2025年3月期までの1株利益予想をまとめました。

決算期1株利益
2023/3715円
2024/3459円
2025/3490円

過去のPER推移

次に、予想株価を【1株利益×PER】で算出するため、妥当なPERを設定します。

以下のグラフはコロナ前の予想PER推移です。

コロナ前のPER推移。およそ7~8倍で推移していた。

当時の予想PERは7~8倍で推移していました。

ここでは、間を取って7.5倍のPERで予想株価を計算します。

1株利益×7.5倍で株価算出

1株利益予想に対してPER7倍をかけた結果が次の表です。

決算期1株利益予想株価
(1株利益×PER7倍)
2023/3715円5,363円
2024/3459円3,443円
2025/3490円3,675円

2023年の業績ベースでは株価5,000円超えが妥当となりました。

ただし、2023年の好業績は持続性がありません。

そのため、投資判断には2024年以降の予想株価を使うべきでしょう。

株価3,400円以上が妥当

2024年3月期の業績ベースでは3,443円が予想株価です。

つまり、長期的には株価3,400円以上が目指せると予想できます。

2025年にさらに業績拡大が実現すれば、株価3,600円以上も妥当になってきます。

それに対し、本記事執筆時点(2023年3月16日)の株価は3,002円なので、10%以上の株価上昇が期待できそうです。

今後の配当予想

2025年までの配当予想

日本製鉄は配当性向30%を設定しています。

なので、基本的に1株利益の30%が配当となります。

以下、2025年までの配当予想を表にしました。

決算期1株配当
2023/3180円
2024/3140円
2025/3150円

2023年3月期は既に配当予想として180円が発表されています。

2024年3月期は、1株利益予想が459円なので、その30%の140円が配当になります。

同様に、2025年3月期は1株利益が490円なので、配当は150円となります。

2025年までの配当利回り

株価3,000円で買った場合の利回りを計算してみましょう。

2023年3月期は【180円(配当)÷3,000円(株価)】で6%となります。

次年度以降は少し下がって、2024年3月期は4.67%、2025年3月期は5%となります。

東証プライムの平均配当利回りが2%ちょっとなので、平均の2倍以上の利回りが確保できる計算です。

まとめ

日本製鉄の今後の株価と配当について考察しました。

2024年3月期に一定の業績縮小はあるものの、その後は堅調に推移すると予想されます。

そのため、株価は今後も好調に推移しそうです。

配当についても、一定の減額はあってもコロナ前と比べれば高い水準が続くでしょう。

総じて、日本製鉄に対しては強気で投資して良いと考えています。