日本製鉄の株価は3,000円台まで上昇して好調です。
配当利回りは6%近くあり、株価上昇と配当取りの両面で狙える銘柄となっています。
しかし、株価と配当は今後どうなるでしょうか。
業績好調が一時的なら、今が株価と配当が最高潮となり、今買った人は損失を被るでしょう。
そのため、将来の見通しを確認してから買うのがベストです。
本記事では、大手証券の業績予想をもとに、2025年までの株価と配当を予想しました。
2025年までの業績予想
業績予想の詳細
今後の株価と配当を予想する上で、今後の業績予想を見ておきましょう。
以下が2025年3月期までの業績予想です。
決算期 | 売上 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
2022/3(実) | 6兆8,090億円 | 9,381億円 | 6,370億円 |
2023/3 | 7兆8,530億円 | 8,655億円 | 6,580億円 |
2024/3 | 8兆6,550億円 | 6,260億円 | 4,230億円 |
2025/3 | 8兆3,480億円 | 6,995億円 | 4,510億円 |
業績予想はJPモルガンのレポートから引用しました。
2024年は利益縮小
業績は一旦落ち込む見通しです。
2023年3月期は純利益6,580億円に達しますが、2024年3月期は4,230億円に減少します。
理由は、高騰した鉄鋼市況が落ち着くと予想されるためです。
ただし、コロナ前の純利益は2,500億円だったので、4,000億円超の純利益は依然として高水準です。
2025年3月期には利益率が上がり、4,510億円への増益が予想されています。
高水準で業績安定の見込み
今後、日本製鉄の業績は安定すると見られています。
これまでは利益が不安定で、将来の株価予想が立てにくいことから、株価が安い一因となっていました。

しかし、コロナ禍を経て経営体質が筋肉質になり、安定した利益が出せるようになりました。
特に、2025年までに1,500億円の固定費削減が断行されるのは投資家目線で好材料です。
今後は業績安定とともに株価が再評価されることが期待できます。
今後の株価予想
1株利益の予想
2025年までの業績予想から株価を算出します。
まず、2025年3月期までの1株利益予想をまとめました。
決算期 | 1株利益 |
---|---|
2023/3 | 715円 |
2024/3 | 459円 |
2025/3 | 490円 |
過去のPER推移
次に、予想株価を【1株利益×PER】で算出するため、妥当なPERを設定します。
以下のグラフはコロナ前の予想PER推移です。

当時の予想PERは7~8倍で推移していました。
ここでは、間を取って7.5倍のPERで予想株価を計算します。
1株利益×7.5倍で株価算出
1株利益予想に対してPER7倍をかけた結果が次の表です。
決算期 | 1株利益 | 予想株価 (1株利益×PER7倍) |
---|---|---|
2023/3 | 715円 | 5,363円 |
2024/3 | 459円 | 3,443円 |
2025/3 | 490円 | 3,675円 |
2023年の業績ベースでは株価5,000円超えが妥当となりました。
ただし、2023年の好業績は持続性がありません。
そのため、投資判断には2024年以降の予想株価を使うべきでしょう。
株価3,400円以上が妥当
2024年3月期の業績ベースでは3,443円が予想株価です。
つまり、長期的には株価3,400円以上が目指せると予想できます。
2025年にさらに業績拡大が実現すれば、株価3,600円以上も妥当になってきます。
それに対し、本記事執筆時点(2023年3月16日)の株価は3,002円なので、10%以上の株価上昇が期待できそうです。
今後の配当予想
2025年までの配当予想
日本製鉄は配当性向30%を設定しています。
なので、基本的に1株利益の30%が配当となります。
以下、2025年までの配当予想を表にしました。
決算期 | 1株配当 |
---|---|
2023/3 | 180円 |
2024/3 | 140円 |
2025/3 | 150円 |
2023年3月期は既に配当予想として180円が発表されています。
2024年3月期は、1株利益予想が459円なので、その30%の140円が配当になります。
同様に、2025年3月期は1株利益が490円なので、配当は150円となります。
2025年までの配当利回り
株価3,000円で買った場合の利回りを計算してみましょう。
2023年3月期は【180円(配当)÷3,000円(株価)】で6%となります。
次年度以降は少し下がって、2024年3月期は4.67%、2025年3月期は5%となります。
東証プライムの平均配当利回りが2%ちょっとなので、平均の2倍以上の利回りが確保できる計算です。
まとめ
日本製鉄の今後の株価と配当について考察しました。
2024年3月期に一定の業績縮小はあるものの、その後は堅調に推移すると予想されます。
そのため、株価は今後も好調に推移しそうです。
配当についても、一定の減額はあってもコロナ前と比べれば高い水準が続くでしょう。
総じて、日本製鉄に対しては強気で投資して良いと考えています。