新型コロナウイルス感染拡大の経緯 – 感染者数グラフ・各報道・経済への影響まとめ

コロナウイルスが欧州を中心に拡大し、世界の感染者数は再加速している




中国初の世界的大流行が危惧されている新型コロナウイルス。

当初想定されていた感染力を上回り、2003年に流行した「SARS」の40倍に迫る約19万人(3月18日時点)への感染が確認されています。

影響は実体経済にも及ぶことが確実となり、収束まで長引けば中国のデフォルトリスクすら危ぶまれている状況です。

本記事では、新型コロナウイルスの最初の感染者から拡散した経緯、各国の対応、民間企業への影響や株価推移に関する事実を時系列で振り返ります。

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新型肺炎の感染者数と死亡者数の推移

新型コロナウイルスによる肺炎患者の感染者数と死亡者数をグラフにしました(3月17日更新)。

この推移から、新型肺炎の患者数は2月後半に減速したかに見えますが、3月に入って以降、再度加速していることがわかります。これは、中国での封じ込めが成功しつつある一方、他国での感染者数が急増しているためです。

特にイタリアを中心とした欧州での感染拡大が顕著となっており、パンデミック拡大は予断を許さない状況です。

感染者数は2月後半に減速したが、3月に入り指数関数的増加に転じた。

数値データも掲載しておきます。

日付感染者数死者数
2020年1月11日41人1人
2020年1月18日45人1人
2020年1月19日62人1人
2020年1月20日201人1人
2020年1月21日222人4人
2020年1月22日440人9人
2020年1月23日543人17人
2020年1月24日830人26人
2020年1月25日1287人41人
2020年1月26日1975人56人
2020年1月27日2784人80人
2020年1月28日4561人106人
2020年1月29日6040人132人
2020年1月30日7788人170人
2020年1月31日9788人212人
2020年2月1日11791人259人
2020年2月2日14380人304人
2020年2月3日17346人362人
2020年2月4日20583人426人
2020年2月5日24512人492人
2020年2月6日28227人565人
2020年2月7日31387人638人
2020年2月8日34546人722人
2020年2月9日37469人813人
2020年2月10日40543人910人
2020年2月11日43103人1018人
2020年2月12日45171人1115人
2020年2月13日59334人1262人
2020年2月14日64445人1383人
2020年2月15日67183人1526人
2020年2月16日69191人1669人
2020年2月17日71438人1775人
2020年2月18日73429人1873人
2020年2月19日75291人2009人
2020年2月20日76196人2126人
2020年2月21日77207人2247人
2020年2月22日77820人2356人
2020年2月23日78684人2456人
2020年2月24日79370人2612人
2020年2月25日80035人2693人
2020年2月26日80961人2752人
2020年2月27日82323人2801人
2020年2月28日83674人2854人
2020年2月29日85413人2906人
2020年3月1日87163人2976人
2020年3月2日88969人3020人
2020年3月3日90898人3112人
2020年3月4日93141人3150人
2020年3月5日95375人3225人
2020年3月6日97844人3312人
2020年3月7日101967人3487人
2020年3月8日105601人3584人
2020年3月9日109820人3808人
2020年3月10日113873人4012人
2020年3月11日118431人4293人
2020年3月12日125333人4615人
2020年3月13日132817人4957人
2020年3月14日142565人5395人
2020年3月15日154038人5738人
2020年3月16日168855人6610人
2020年3月17日179156人7428人
2020年3月18日189375人7808人

※数値は報道や厚生労働省の発表を参考に算出しています。ファクトチェックは厚生労働省ホームページを参照するか、「新型肺炎 患者数 (日付)」でGoogle検索してください。

※2月12日〜13日で感染者数の1万4千人以上の増加が見られますが、これは中国当局が感染者の定義を拡大したためです。



新型コロナウイルスの経緯の時系列

新型コロナウイルス感染の経緯を時系列でまとめました。

2020年1月初旬までは中国当局が情報公開に消極的であり、SNSなどが情報源となっているため、信頼性としては低いことをご理解ください。

2019年12月8日

新型コロナウイルスが中国で初めて報道されたのは2019年12月8日です。

「2019年12月8日に武漢市は原因不明のウイルス性肺炎に感染した患者を初めて確認した。その後も原因不明の肺炎の症例は増えている」

この当時の報道では”原因不明”とされていましたが、後の調査で新型コロナウイルスが原因だった事が判明しています。

2019年12月12日

武漢市衛生健康委員会によると、原因不明の肺炎発症が最初に確認されたのは2019年12月12日とされています。

8日にはすでに報道されていましたが、12日が公式に確認された日ということのようです。

(参考の日経電子版記事)

2019年12月30日

「原因不明の肺炎に関する緊急通知」と題する武漢市衛生当局の文書が出回りました。


(画像引用元)

内容を次の通り。

・各医療機関に向けた文書
・武漢市の海鮮市場で原因不明の肺炎患者が相次いでいる
・同じような肺炎患者の数をまとめて報告してほしい

2020年1月1日

ウイルスの発生源と専門家が指摘していた、武漢市の海鮮市場が休業となりました。

最初の患者が確認されてから約3週間が経過しており、中国当局の情報公開と対応の遅れが国内外から指摘されました。

2020年1月5日

武漢市の衛生当局は、59名が発症、7名が重篤だと発表しました。

しかし、死者は無く、人から人への感染も未確認だとしていました。

のちに明らかになることですが、衛生当局は2019年12月には人から人への感染を確認しており、情報隠蔽だとして批判が起こることになります。

2020年1月9日

原因不明の肺炎患者から、新型コロナウイルスが検出されたと中国の国営中央テレビ(CCTV)が報道しました。

2020年1月11日

武漢市の衛生当局は、新型ウイルス肺炎で初の死者が確認されたと発表しました。

また、10日までに感染者は41人に上り、うち1人が死亡、7人が重症、2人は既に退院したと武漢市政府ホームページで明らかにされました。

中国の大型連休である春節を控え、10日から30億人規模の大移動が起こっている最中であり、影響の規模拡大が懸念されました。

2020年1月14日

観光でタイに訪れていた中国人が新型肺炎を発症しました。

これが中国国外で新型肺炎が確認された最初の例となり、世界的な感染拡大が危惧されました。

2020年1月18日

武漢で新型肺炎患者が4人増加し、計45人となりました。

2020年1月19日

武漢での発症者が新たに17人確認され、計62人となりました。

中国国内の患者は武漢以外にも広がり、新たに上海と広東省で感染の疑いがある患者が見つかっています。

2020年1月20日

中国の国家衛生健康委員会が、広東省で人から人への感染が確認されたと発表しました。

また、韓国で武漢から入国した35歳中国女性が新型肺炎を発症し、韓国内で初めて新型肺炎が確認されました。

中国国内では北京・深圳にも拡大し、発症者は200人を超えました。

2020年1月21日

前日の中国・国家衛生健康委員会の発表を受け、世界的な感染拡大の恐れが強くなり、翌日の日経平均株価は200円を超える下落を記録しました。

また、ウイルス感染防止に関する商品の需要が高まるとの思惑から、防護服を手がけるアゼアス(3161)、マスクを製造・販売するユニチャーム(8113)の株価が急伸しました。

この日までに死者は3人に上っています。

2020年1月22日

マカオで初の感染者が確認されました。

北朝鮮は中国旅行客の受け入れを停止しました。

中国の患者は400人超まで拡大しました。

2020年1月23日

中国政府は「新型コロナウイルスに有効な治療薬はない」と指針で公表。

既知のコロナウイルスに対する治療薬で代替する方針を明らかにしています。

この日、日本人初の新型肺炎患者が確認され、重症である事が報じられました。

日本国内での感染拡大を危惧し、西村官房副長官は「感染症危険情報レベル2に上げる」と発表しました。株式市場では医療・衛生材料を手がける川本産業がストップ高まで買われました。

シンガポールでは初の感染者が確認されました。武漢からの旅行客とのことです。

中国での感染者は570名に拡大し、感染拡大を抑えるため、武漢での交通機関が停止されました。

2020年1月24日

世界保健機関(WHO)は23日から2日連続となる緊急会合を開きました。

各国の専門家が「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」に当たるかどうか協議した結果、「時期尚早」だとして緊急事態宣言は見送られました。

緊急事態宣言により中国のヒト・モノの動きが滞り、経済に深刻な影響を及ぼす事が懸念されるため、宣言が見送られたのは中国からの圧力があったと推測されています。

また、ベトナムでは初の新型肺炎患者が確認されました。

日本では、武漢からの観光客が新型肺炎を発症し、国内2例目となる感染が確認されました。

中国を中心にマスクの需要が高まり、越境ECである「SD export(エスディーエクスポート)」では1月1~20日のマスク出荷額が前年同期比で56倍を記録するほどでした。

2020年1月25日

台湾衛生当局が、武漢に渡航歴がある男性患者が武漢から来たことを秘匿したとして30万台湾ドル(約110万円)の罰金を科すと表明しました。

中国での死者は41人となり、アメリカ・フランス・オーストラリアでも初の感染者が確認され、各国は中国・湖北省からの入国拒否、中国・湖北省への渡航中止勧告を出し始めます。

日本では国内3例目の感染が確認され、外務省は中国・湖北省への渡航中止勧告を出すに至りました。

中国の春節商戦は自粛ムードとなり、上海ディズニーも休園。肺炎拡大が経済へ打撃を与えつつあることが印象付けられました。

2020年1月26日

3日前の570人から急増し、新型肺炎患者が2000人を超えたことが公表されました。

患者数が急増した背景として、中国当局による情報隠蔽が疑われています。中国国内で流行している限りは隠蔽が可能でしたが、海外にも肺炎患者が発生し始めたことで”ウソ”を突き通せなくなり、実態に近い数値を公表し始めたとの見方があります。

患者数が増えただけでなく、2歳、9歳の発病も確認され、感染しづらいとみられてきた子供にまで感染が拡大することが危惧されました。

中国ではこの日から、北京市から他の省へ向かうバスなどの運行を停止しました。

カナダでは初の新型肺炎患者が確認されました。

1月24日に初の患者が確認されていたベトナムでは、「人から人へ感染」していたことがWHOにより確認され、ベトナム国内での感染拡大が危惧されました。

香港ディズニーランドは休園を発表。

日本では4例目の国内感染が確認されました。安倍首相が「希望者全員を帰国させる」と方針を示し、政府チャーター機で帰国させる考えを示しました。

中国保健当局はアメリカ製薬会社「アッヴィ」に要請し、抗HIV薬「アルビア(カレトラ)」を新型肺炎患者に試験的に投与したことを公表しました。

2020年1月27日

中国は海外への団体旅行や航空機・ホテルのパック旅行商品の販売を禁止しました。

カンボジアでは初の新型肺炎患者を確認しました。

日本国内では東京ディニーリゾートがスタッフのマスク着用を許可し、異例の対応となりました。日経平均株価は500円の下落を記録しています。

2003年の中国初「SARS」の苦い記憶がある香港では、湖北省渡航者の入境禁止という厳しい措置に踏み切りました。

2020年1月28日

武漢への渡航歴が無い日本人男性が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

感染者の男性はバス運転手で、武漢からのツアー客をバスに乗せて2回に渡って運行したとのこと。日本国内で渡航歴が無い人の感染が確認されたのは初めてで、国内で人から人にウイルスが感染した可能性が示唆されました。

運行経路は大阪〜東京間であり、広い範囲を移動したことから日本国内での感染拡大の可能性が出てきました。

政府は新型肺炎を「指定感染症」にすることを閣議決定し、強制的な入院などの措置を取ることが可能となりました。

一方、中国の武漢市では感染者数が5974人に達し、海外でも50人以上の感染者が確認されていたことから、世界での感染者数が6000人を突破したと考えられました。

2002〜2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染者数は5327人であり、新型コロナウイルスがSARSを上回りました。

死者数は前日から26名増の132人となりました。

また、株式市場では急落の連鎖が発生。

シンガポール市場、NY株市場、日本市場が急落し、特に好調だったNY株の反落幅は大きく、453ドル安もの下げ幅を記録しました。

ユニクロは中国での休業を100店に拡大することを発表し、業績懸念が大きくなったことで同社の株は売り優勢となりました。

2020年1月29日

日本人を乗せたチャーター機が29日に到着し、206人が帰国しました。このうち3人が新型ウイルスに感染していました。

帰国者のうち2名が検査を拒否して帰宅したことが問題となり、”人権”に基づいた法律の壁が水際対策を形骸化させるのではという懸念が報道されました。

報道が大きくなったことや安倍首相が国会答弁で言及したことからか、のちに検査を拒否した2名は検査を受けることに同意しました。

民間企業の対応が本格化していきます。

米航空会社ユナイテッドは一部中国便欠航、スターバックスは中国国内2000店舗を閉鎖、ヤマハ発動機は上海・蘇州の拠点で春節休暇延長を発表しました。

沖縄着クルーズ船は1万2000人がキャンセルし実質中止に追い込まれました。

移動制限により燃料需要が低迷するとの見方から、原油価格が急落し、それを受けてガソリン価格が12週ぶりに下落しました。

一方、アメリカは中国便の運航停止措置にまでは踏み込まず、日経平均株価は一時150円上昇しました。

2020年1月30日

世界の感染者は8100人を上回りました。

日本からのチャーター便第2陣では210人が帰国し、発熱などの症状で26人が入院しました。

国土交通省は新型肺炎の対策本部を立ち上げ、感染疑いのある患者の移動手段や宿泊先の確保や観光客減少による経済への影響などの把握に乗り出しました。

日本国内での感染者は東京都内在住の30代女性、京都市在住の20代女性、三重県在住の50代男性の3人が新たに確認され、30日時点で国内の感染者は無症状の2人を含めて14人となりました。

また、日本国内で人から人へ感染する二次感染が発生していたことが確認されました(バス運転手とガイド)。

民間企業への被害も報道されました。

航空会社ANAは2月の中国初の予約数が前年比半減し、居酒屋チェーン「ワタミ」では2000人がキャンセルしたことを明らかにしました。

世界では、インドで初の感染が確認され、ロシアは中国への渡航自粛を自国民に勧告しました。

シンガポールは政府チャーター便で中国から自国民を帰国させましたが、帰国者を2週間隔離する措置を取ったことが日本の対応と対比され、日本政府の対応の甘さが批判されました。

2020年1月31日

この日、24日に見送られていたWHOの緊急事態宣言が再び協議され、採択されました。

WHOによる緊急事態宣言は2019年7月にアフリカ中部で広がったエボラ出血熱に出して以来、6例目となります。

株式市場は緊急事態宣言により事態が好転するとの期待から買い戻しが進み、株高となりました。

世界の感染者数は9692人、死者数は213人となり、株高とは裏腹に感染者数は増加の一途を辿っています。

2020年2月1日

ここから報道が膨大になるため、分類分けして記載していきます。

感染者数と死者数

中国本土で新型肺炎感染者数は1万1000人を超え、死者は259人になりました。

日本ではチャーター便での帰国者が発症し、国内での発症者が17人に増加しました。

各国の対応

シンガポールは感染地域に限定していた中国人の入国禁止の範囲を中国全土に拡大しました。2週間以内に中国を訪れた者はシンガポールに入国できなくなります。

日本政府は2月1日から新型肺炎を指定感染症とする政令を前倒しして施行しました。

日本の国立感染症研究所は新型肺炎の原因ウイルスの分離に成功したと発表し、ワクチン開発や発病メカニズム解析が加速することが期待されました。

民間企業の対応

米航空3社は米政府の渡航中止勧告を受け、中国行き直行便を休止しました。

トヨタ自動車は中国の春節延期の影響で操業再開を延期。自動車部品供給が懸念されます。ホンダ、ダイキン工業も操業再開の延期を決定しました。

豊田合成やデンソーは生産停止の長期化に備えて中国以外での代替生産の検討を開始しました。

JTBは中国ツアーを全面的に中止し、全日空は中国便の運休検討に入りました。

米アップルは「iPhone」の組み立てを中国の工場で行なっていますが、中国当局の要請で再開を2月10日以降に延期しました。

感染拡大による経済への影響

米国株は603ドル安の急反落となり、下げ幅は半年ぶりの大きさとなりました。30日に米国務省が決定した、中国全土へ「渡航中止・退避勧告」が投資家心理の重荷となっています。

中国では、旧暦の元旦に当たる25日の映画興行収入は181万元にとどまり、前年の14億5800万元から99%減となりました。また、29日(旧正月5日目)の旅客総数は旧暦の1年前と比べて84%減少し、中国経済への深刻な影響が現れました。

これらの影響で、中国経済の成長率予想は前年度比-2.0%の4.0%に落ち込みました。

日本国内では、大阪市内主要13ホテルの2019年12月の平均客室稼働率は18年12月比1.1ポイント低下の90.3%となり、2020年1月以降はさらなる落ち込みが予想されました。長野県の宿泊キャンセル6800人に上りました。

マカオでは、観光局が発表した春節連休(1月24~30日)の観光客数は、前年度比78%減の約26万となりました。

2020年2月2日

感染者数と死者数

中国での感染者数は前日から2590人増加し、1万4380人となりました。死者数は45人増加し、304人となりました。

中国本土以外の感染者数は約160人、26カ国・地域に広がっています。

フィリピンでは新型肺炎により1名が死亡し、中国以外で初の死亡例となりました。ただし、武漢から渡航した中国人とのこと。

経済の動向

中国の中央銀行である中国人民銀行は、3日から18兆円規模の巨額オペレーション(公開市場操作=金融資産の買い支え)を行うと発表。

投資家心理の落ち着きと投げ売り防止に動きました。

また、新型肺炎により被害を受けた企業・個人を救済するため、融資返済の引き伸ばしや金利引き下げが実行されました。

国際通貨基金(IMF)トップが会見し、世界景気減速の懸念を表明するとともに、2020年度中は各国が金融緩和策を続けることを求めました。

各国の対応

中国からの入国制限を設ける国が60カ国を超えました。特にアメリカ・オーストラリアは中国全土からの渡航者を入国禁止としました。

タイでは、抗エイズウイルス(HIV)薬とインフルエンザ薬を併用して投与したところ、新型肺炎の症状が劇的に改善する例が発見され、治療法開発の前進が期待されました。

北朝鮮では中国・韓国・ロシアとの交流を遮断しました。北朝鮮では一部の首都を除く地域では防疫体制が脆弱であり、一度ウイルスの感染を招けば拡大を抑えることが困難と見られ、国家体制の崩壊を招きかねない事態となります。

日本ではチャーター便による帰国者のウイルス検査が進められ、新たに3人が陽性となり、国内での感染確認は計20名となりました。

民間企業の対応

Appleは中国の全42店舗を一時閉鎖しました。

2020年2月3日

感染者数と死者数

感染者数は前日から約3000人増の17346人、死者は58人増の362人に達しました。

中国は防疫が不完全だったとして地方幹部400人処分しました。

経済への影響

人気ゲームハード「NintendoSwitch」の中国販売に不透明感が増し、任天堂株が一時6.8%安まで売られました。

百貨店では中国客の減少が響き、春節期間中の免税売上高が2桁減となりました。

アジアの有力企業で構成する「アジア300指数」が6日続落し、2カ月ぶり安値をつけました。新型肺炎がアジアを中心に世界各国へ拡大する懸念によるものです。

一方、3日の中国株では海外勢が2800億円の買い越しを記録し、過去2番目の高水準となりました。個人投資家を中心に狼狽売りが出ていましたが、機関投資家は経済への影響に「ズレ」が生じるだけであると予想しているためです。

日経平均は233円安の2万2971円をつけ、節目の2万3000円を割り込み3ヶ月ぶりの安値となりました。

日本国内の動向

厚労省は2月上旬をメドに全国335カ所に新型肺炎専門の「帰国者・接触者外来」を設置すると発表しました。一般患者と動線を分けるなど感染拡大を防ぐための措置です。

民間企業の対応

ジェットスターが日本の航空会社初となる、成田―上海線の運休を決定しました。

ユニクロは中国の休業店舗を全体の4割弱にあたる270店に拡大しました。

2020年2月4日

感染者数と死者数

中国本土での感染者数が2万438人になり、中国の習近平指導部、初動不備認めて謝罪しました。

香港では初の死者が出ました。

日本国内の動向

乗客乗員約3700人を乗せたクルーズ船が横浜に着岸できない状況が続いています。検疫官ら数十人が乗り込んで検疫を行うものの、乗客らの下船の見通しが立ちません。

経済への影響

新型肺炎によりヒト・モノの移動が滞り燃料需要が減るという見通しから、原油が一時50ドルの節目を割り込みました。原油価格の下落は取り扱い業者の業績下押し圧力となります。

中国客が半減した影響で、北海道の観光損失が426億円に上ることが発表されました。

日経平均は様子見ムードの中、上海株が上昇したことを好感し112円上昇しました。

世界各国の対応

観光業が盛んなマカオでカジノ営業を半月停止する事態となりました。マカオの観光客は半数以上を中国客が占めているため、経済に大きな影響を受けることが懸念されています。

民間企業の対応

ANAとJALは武漢便以外も中国路線を運休・減便することを決定しました。

新型肺炎の拡大を受け、神戸港を7日出港する予定だった豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の海外ツアーが中止されました。

韓国の現代自動車が韓国内の工場稼働を停止しました。新型肺炎で部品滞り、生産の維持が不可能となりました。また、日産の中国生産も再開時期を延期することが発表されました。

新型コロナウイルスと日経平均株価の推移

アメリカとイランの軍事衝突の懸念で1月6〜8日は波乱の幕開けとなりましたが、以降は緊張緩和の流れとなり株高に向かいました。

そんな中、20日に中国衛生当局が人から人への感染を確認したと発表したことで流れは一変。翌1月21日は200円超下落し、27日には新型肺炎の収束の目処が立たないことから500円近い値下がりとなりました。

1月30日は実体経済への影響が本格化するとの見方から400円以上の値下がりとなり、節目の2万3000円代を割り込みました。

1月31日はWHOの緊急事態宣言が採択されたことが好感され、200円超の値上がりとなりました。

まとめ

中国当局による情報操作、遅れた初動、春節による人の大移動が重なり、新型コロナウイルスは中国国内で大流行するに至りました。

本記事の感染者数と死者数はWHOが発表したものですが、WHOの発表は中国当局の数値そのままであり、過少報告されている可能性があります。

現地医療関係者のSNSよるとすでに10万人を超えている(2月1日時点)との話も。海外の感染者数から統計的にはじき出した感染者数は7万人超であり、中国当局の発表よりSNSの情報の方が信憑性がありそうです。

収束の目処は立たず、日本に住む私たちも注意が必要です。




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