2019年のタイムバンクを振り返る – 「時間トレード」から「お買い物アプリ」へ転換の軌跡

タイムバンクの2019年をまとめました




2019年はタイムバンクにとって慌ただしい一年となりました。

年初にリアル大規模イベント「時間主総会」をやったかと思えば、その1ヶ月後には大きく方針転換し、通販を主とするクーポンアプリに変身。2019年半ばにはテレビCMまで放送し、年末のユーザー数は150万人を突破するほどにまで成長しました。

今回は2019年のタイムバンクの歩みを1ヶ月ごとにまとめましたので、ユーザーの方は「こんなこともあったなぁ」と懐かしみつつ読んでみてください。

1月:「50万円争奪イベント」と「時間主総会」開催

年末年始イベント「50万円争奪イベント」

2019年最初のイベントは、12月31日〜1月4日に開催された、優勝賞金として50万円が用意された「50万円争奪イベント」でした。

当時のタイムバンクは現在と異なり、専門家の時間トレードをするアプリでした。

時間トレードにまつわるイベントを数多く開催してきていましたが、2018年末から高額賞金を懸けたイベントが増え、ある意味最も盛り上がっていた時期です。「50万円争奪イベント」の前には、優勝賞金100万円の「100万円争奪イベント」が開催され、話題になっていました。

「50万円争奪イベント」の優勝条件は、期間中に購入した時間価格の合計で1位になること。

売買を繰り返すことで売買価格を稼ぎ、最終的に優勝者は4,000万円近くの時間を購入していましたね。

1位だけでなく、2位には10万円、3位には5万円の賞金が用意されており、当時は破格の賞金でユーザーを集める戦略を取っていました。

アイドルを招いたリアルイベント「時間主総会」

1月末には、タイムバンク初のリアル大規模イベント「時間主総会」が開催されました。

MCとして、元モーニング娘。の市井紗耶香さん、ラジオDJのやまだひさしさんが登場し、イベント中は6つのアイドルグループがパフォーマンスを披露しました。

会場は東京お台場になる「Zeppダイバーシティ東京」。2,500人規模の大きな会場でしたが、タイムバンクのユーザーであれば入場料無料(ワンドリンク制)で、アイドルファンを中心に多くのユーザーが集まりました。

「時間主総会」では時間トレードにちなんだゲームも行われ、時間トレードを活性化させようとする最後の試みだったように思います。

残念ながら、この約1ヶ月後には「お買い物アプリ」として大きく方針転換し、99%OFFで商品を販売する「タイムバンクセール」などを開始。時間トレードアプリとしての機能は消えないまでも形骸化していくことになります。

2月:ピボット準備で大きな動きなし

2月は数日に1人のペースで専門家が新しく登場していましたが、イベントなどの大きな動きはありませんでした。

今考えれば、この期間は「時間トレードアプリ」から「お買い物アプリ」に方針転換する準備期間だったのでしょう。

この期間に登場した、お笑い芸人の高倉陵さんや、浜崎あゆみのバックダンサーとして有名なshuya(水野周也さん)などがタイムバンクに登場した際にはそこそこ話題になりました。

3月:「お買い物アプリ」として再始動

タイムバンクセールの開始

3月3日から、現在のタイムバンクの元となる「タイムバンクセール」が開始されました。

「99%OFF」というキーフレーズでインスタグラムを中心にPRを展開し、また、招待コードの報酬を現金(残高に300円付与)としたことで、一気にユーザー数を拡大することに成功しました。

タイムバンクはもともと、同社代表の著書”お金2.0″に書かれていた「信用経済」の概念を実証するアプリとして期待されていましたが、単なるネット通販アプリになってしまったとして、既存ユーザーからは批判的な意見が多く出ていました。

しかし、この方針転換によりユーザー150万人突破、一時はアプリダウンロードランキング1位(ライフスタイルカテゴリ)を記録するなど、一般消費者向けアプリとして注目を集めることに成功したことから、結果的に方針転換は成功だったと言えそうです。

クーポンチケットの販売開始

タイムバンクセールと同時期に、飲食店などで使えるクーポンチケットの販売も開始されました。

2017年の事業開始以降、ネット上だけでビジネスを行っていたタイムバンクですが、リアル店舗への営業活動を開始したことでリスクを取り始めました。

リアル店舗の利用範囲を広げるには多くの営業人員が必要となり、事業の固定費(給料等)が大きくなることでより多くの投資を必要とします。成功すれば大きな利益が見込める反面、失敗した場合の損失も大きくなることになります。

私自身、クーポンチケットが登場してすぐに実際に使ってみましたが、「ぐるなび」や「食べログ」と比較しても遜色ない安さで、予約の使いづらさはあったもののサービスとしての将来性を感じました。

共同購入セールの開始

3月末には、規定人数が購入申し込みすることで販売が成立する「共同購入セール」が開始されました。

クーポンサイトとして有名な米国発祥「グルーポン」が最初に始めた販売手法で、一定人数を集めるためにユーザーが自発的に拡散するという特徴があり、企業側のPR費用を必要としないこの手法はグルーポンを成功に導きました。

タイムバンクでは共同購入セール第一弾としてギフトカード「ギフティプレモ」が販売されました。

ギフトカードは現金に近い性質ですが、それが80%OFFで販売されるとあってSNSを中心に広く拡散され、5000人の目標人数を無事に達成しました。

4月:時間トレードの低調ぶりが決定的に

多くの時間価格が急落

タイムバンクセールが盛り上がりを見せる裏で、以前の中心機能であった時間トレードが低調となり、多くの専門家の時間価格が急落しました。

特に人気だった落合陽一さんは3月まで1秒500円を維持していましたが、4月には1秒120円まで下落。また、一時は1秒1500円をつけていた元モーニング娘。の市井紗耶香さんは400円にまで下落しました。

同様に、400名以上登場していたほぼ全ての専門家の時間価格が下落し、高値で購入していたユーザーは損失を被ったことから、既存ユーザーからは批判が相次ぎました。

1日の売買数量も急減し、トップページのメニューからも時間トレード機能が削除され、「時間トレードが廃止されるのでは」ということも囁かれました。

共同購入セールがまさかの失敗

ギフティプレモに続き共同購入セール第二弾としてスタートした「ミニストップ ソフトクリーム各種 220円分」がまさかの失敗に終わりました。

99%OFFの”2円”という破格の価格だったのですが、5万人という高い販売目標に達することができず、期限の延長を繰り返したものの、最終的に販売中止という結末となりました。

ミニストップの展開エリアが限られていることが仇となったようです。

5月:CM放送が開始

5月25日からついにCM放送が開始されました。

このCMをきっかけにダウンロード数が急増し、ライフスタイルカテゴリ1位を記録するほどまでに知名度が上がり、ユーザー数は100万人を突破しました。

ゴールデンタイムも含め頻繁に放送されたため、当時タイムバンクを使っていなかった人でも「タイームバンクで美容室、半額ぅー♫」のフレーズは耳に残ったでしょうね。

6月:初の「1億円キャッシュバック祭」開催

10月頃まで毎月開催された「1億円キャッシュバック祭」が6月に初めて開催されました。

初回のキャンペーンは1日につき1万円までキャッシュバックされ、しかも100%キャッシュバックであったため、実質的に毎日1万円分の商品がもらえるという破格のキャンペーン内容でした。

非常にインパクトの強い内容でしたが、新規ユーザーからは逆に怪しまれる傾向になってしまい、最後まで参加ユーザーは伸びていなかったようです。

「1億円キャッシュバック祭」はその後、キャンペーン内容の変更を加えた「2億円キャッシュバック祭」「3億円キャッシュバック祭」などに形を変えて開催され、最後に10月に開催された「1億円ポイントバック祭」まで計7回行われました。

還元額合計は10億円に達しています。

1億円ポイントバック祭が開催中!

7月:2億円キャッシュバック祭、3億円キャッシュバック祭開催

1億円キャッシュバック祭に続き、「2億円キャッシュバック祭」「3億円キャッシュバック祭」が続けて開催されました。

2億円キャッシュバック祭でも80%キャッシュバックという破格の内容で、8日間の開催予定でしたが7日目にキャッシュバック額合計が2億円に到達し、早期終了となりました。

一方、3億円キャッシュバック祭でも70%キャッシュバックという十分な還元率でしたが、開催期間中に3億円に到達せず、3日間の延長となりました。

ある程度の新規ユーザーを獲得できていたものの、既存ユーザーのキャンペーン疲れで購買意欲が下がってしまったものと思われます。

8月:通販事業が定着、「抽選」のスタート

通販定着とともに批判も増加

8月になると通販商品や飲食店などのクーポンチケットの種類が豊富になり、「お買い物アプリ」としてのタイムバンクが定着しました。

お得に商品が買えると話題になる一方、「商品が粗悪」「いくら待っても届かない」という悪い評判も出るようになってきました。

タイムバンクの商品はタイムバンクとは別業者が販売しているもので、対応は販売業者によってまちまちという事情がありましたが、一括して「タイムバンク」として見られる傾向があり、批判がタイムバンク運営に向かってしまっていました。

今や人気アプリの「メルカリ」でも黎明期は悪評が多く、新興アプリは避けて通れない道のようです。

アカウント停止が相次ぐ

タイムバンクでは招待コードの報酬などを目的とした複数アカウント登録が横行していました。

中には一人で100アカウント以上を開設していたユーザーもいたようですが、8月はついに不正行為にメスが入り、一気にアカウント停止に踏み切りました。

複数アカウントはユーザー利用規約で禁止されている上、詐欺に近い行為ですので、アカウント停止・出金停止は当然の処置でしたね。

ただし、夫婦で登録して同じ銀行口座を登録している場合もあり、不正を行っていない一部ユーザーも被害を受けてしまいました。

無料で商品が当たる「抽選」がスタート

8月末には現在でも人気の「抽選」がスタートしました。

最初の商品「Nintendo Switch」で注目を集めて以来、数万円する商品が連日登場しています。毎日応募すれば確率論的にはそこそこの当選確率になるため、抽選には毎日応募しているユーザーが多く、タイムバンクを毎日開く動機付けに成功しています。

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9月:ログインボーナス機能を導入

ソーシャルゲームで用いられる「ログインボーナス」

9月には通販サービスとしては珍しい「ログインボーナス」が導入されました。

タイムバンクは”ゲーム性”を取り入れたアプリ設計を行なっており、ソーシャルゲームなどでよく取り入れられる「ログインボーナス」機能はその一環ですね。

9月もアカウント停止の影響が残る

また、8月から本格化した、不正ユーザーに対するアカウント停止処置の影響が尾を引いてしまい、アプリから出金しようとするとアカウント停止となる例が相次ぎました。

ユーザー数も数十万単位となっていたことから運営の確認も時間がかかり、Google検索で「タイムバンク 出金できない」という検索が急増し、アプリとしての信頼が低下してしまったものと思われます。

10月:ポイント制度の導入と価格改定

ポイント制度導入で正常なマーケットに

10月からの消費税増税に合わせ、タイムバンクにポイント制度が導入されました。

それに伴い、招待コードの報酬が現金(300円)からポイント(300P)になり、キャンペーンでの還元もポイントが基本となりました。

タイムバンクのポイント制度

タイムバンクでは個人の瀬取り(転売)業者が商品の購入・販売に利用していましたが、ポイント還元となったことはそういった業者の離脱原因となりました。

一時的にユーザーは減少したと思われますが、転売業者はアプリの”美味しいところだけ”を持っていくため、そういった業者を排除したことはマーケット正常化に必要なことでしょう。

ポイント制度導入は通常ユーザーにとっては軽微な影響でした。

商品価格の改定

消費税増税に伴い、食品などの生活必需品を除いた多くの商品が増税対象となり、タイムバンクでも値上げが行われました。

しかし、中には便乗値上げと思えるような、増税幅を大きく超える値上げが行われた商品もあり、価格決定は業者の自由としても印象は良くありませんでした。

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11月:クチコミ機能が登場

タイムバンクの商品の評価を投稿できる「クチコミ」機能が11月に登場しました。

写真だけではなく動画も載せることが可能で、他のクチコミサービスとの差別化を図っており、また、クチコミから他ユーザーが商品を購入するとポイントが入る仕組みで、クチコミ投稿に対するインセンティブ報酬の仕組みも取り入れています。

タイムバンク運営としてはクチコミ機能にかなり力を入れているようで、わずか1ヶ月あまりで4回ものクチコミ関連キャンペーンを行いました。

キャンペーンの規模感としては控えめですが、クチコミがメニュー画面の一つを占めるアップデートも実施され、2020年も引き続きクチコミ投稿を増やす施策を行なってくるでしょう。

ちなみに、12月にはクチコミに位置情報を追加できるようになっています。

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クチコミオープンイベント開催!

12月:スキルシェア機能の廃止、入金機能の終了

カテゴリ「個人」(=スキルシェア機能)が削除

2018年末に登場した、個人間でスキルを販売できる「スキルシェア機能」が12月で廃止されました。

以前はカテゴリに「個人」として存在していましたが、12月のどこかで予告なく削除され、実質的に廃止と見て良いでしょう。

スキルシェア市場は近年大幅に伸びており、2016年は500億円規模でしたが2020年には約2倍の1,000億円規模となる見込みです。タイムバンクもその波に乗ることを期待していましたが、まずは機能を絞ってUX改善に専念するということでしょう。

入金機能の終了

これまでタイムバンク内での支払いは「マイ残高」からがメインでしたが、そこに入金するための「入金機能」が12月で終了することが告知されました。

重要な入金機能の終了を受け、時間トレード機能も終了するのではという憶測も広がりましたが、実際にはそのようなことは無いようです。

「マイ残高」が実質利用不可になったことで、これからはクレジットカードとポイントでの支払いがメインとなります。

2019年まとめ

2019年はタイムバンクにとってまさに激動の一年でしたね。

2018年末はまだ時間トレードアプリでしたので、この一年で驚くべき変わりようです。

2020年がどうなるのかは予想が難しいところですが、クーポン販売の店舗開拓のために多くの社員を雇い入れていることから、次の1年は今年ほどの変化にはならないでしょう。おそらく、今の調子でサービス拡大を続ける一方、新しいカテゴリの商品を開拓するのではないでしょうか。

タイムバンクと源流を同じくする、中国で7億人が使うアプリ「美団点評」はフードデリバリーで事業を急拡大させたこともあり、タイムバンクもフードデリバリーに打って出るかもしれませんね。

いずれにしろ、タイムバンクは今後も成長し続け、さらに便利に、幅広く使えるアプリに進化していくことでしょう。来年もタイムバンクをよろしくお願いします。




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