三井物産100株を3年保有して+8万7千円の利益になる予想の根拠

三井物産に100株・3年の投資で+8万7千円の利益になる根拠を解説




5大総合商社の一角である三井物産が注目を集めています。

新型コロナの影響で一時的な減収減益に見舞われているものの、同業他社より業績悪化が軽微なことや、2023年3月期の利益見通しが良好であることから、足元の株価が上昇基調です。

三井物産は「中期経営計画2023」を発表し、今後3年間で投資家が得られる利益の見通しが立てやすくなりました。

発表資料から利益予想を立てたところ、3年後の株価、3年間の配当を合計すると、100株保有で+8万7千円の利益になるという計算結果になり、強気の投資スタンスで臨みたいと考えています。

本記事では、三井物産100株を3年間保有して得られる利益と、その根拠について詳細に解説していきます。

100株を3年保有で+8万7千円になる理由

株価上昇で+6万円の利益

三井物産の現在株価は1,800円前後で推移していますが、3年後の株価として、2,400円まで上昇すると予想しています。

つまり、今100株買って3年後に売却すれば、+6万円の売却益になるということです。

三井物産は2021年3月期をスタートとする「中期経営計画2023」を発表しました。

そこには、経営指針のほか、数値的な目標も掲げられていて、達成した場合の理論株価を算出することが可能です。

詳しい計算は後述しますが、中期経営計画2023から、3年後の株価として2,400円になると予想しました。

配当で2万7千円の利益

配当は3年間で2万7千円を見込みます。

2021年3月期は1株80円の配当が予定され、2022年、2023年の配当も下限80円とされることが中期経営計画に明記されています。

さらに、株主への還元額が明記されたことで、毎年の増配期待が高まりました。

増配額は年10円を予想し、2022年3月期は90円、2023年は100円になると予想しています。

したがって、3年間の配当額は合計で2万7千円になります。

3年間で合計8万7千円の利益になる

株価上昇で+6万円、配当で2万7千円となり、利益合計は8万7千円となります。

100株に必要な投資額はおよそ18万円ですので、3年間の利回りとしては48.3%。十分な儲けなのではないでしょうか。

以上は中期経営計画通りに業績を達成した上で、理論通りの株価になることが前提ではありますが、多少の下ブレが発生しても相当な利回りになると考えています。

株価が2,400円まで上昇する根拠

「中期経営計画2023」の目標数値

将来の株価を計算する上で、三井物産が掲げる中期経営計画の目標数値を確認してみましょう。

三井物産は3年後の目標数値として以下を掲げています。

「中期経営計画2023」の目標数値
  1. 基礎営業キャッシュフロー 5,500億円
  2. 当期利益 4,000億円
  3. ROE(自己資本利益率) 10%

これらの数値は2020年3月期決算とほぼ同様となっていて、一見すると3年間で成長しない計画のように見えます。

しかし、新型コロナにより業績が一旦悪化することは確実視されていて、今後3年間でコロナ前の業績に戻す、というのが数値上の目標となっています。

3年後の目標株価の計算詳細

株価の計算方法はいくつかありますが、ここではPBR-ROEモデルを使いたいと思います。

PBR(株価純資産倍率)とROE(自己資本利益率)から株価を計算する方法で、将来予想されるPBRとROEから目標株価を計算できます。

目標株価の計算方法

株価=ROE÷株主資本コスト×1株当たり純資産

ROE÷株主資本コストが「理論PBR」と呼ばれる数値で、これに1株当たりの純資産を掛けることで目標株価が計算できます。

3年後に予想される三井物産の業績から、計算条件を以下のように設定しました。

  • ・ROE=10%
  • ・株主資本コスト=10%
  • ・1株当たり純資産=2,400円

したがって、3年後の三井物産の目標株価は以下のように計算されます。

株価=10%÷10%×2,400=2,400円

管理人

株主資本コストの設定はさじ加減です。2020年11月時点では11.7%ですが、将来的な株主還元拡大を見越して、10.0%で設定しました(数字が小さいほど株価にはプラスに作用します)。

配当2万7千円の根拠

年間10円の増配を期待

3年間の配当2万7千円は、毎年10円の増配が行われる前提です。

2021年3月期は80円、2022年は90円、2023年は100円となり、100株3年保有で2万7千円の配当を予想しています。

増配の根拠

こちらも中期経営計画からですが、4,000億円(1株80円)を配当下限とされていることに加え、3,000~5,000億円を「マネジメント・アロケーション」として柔軟に活用することが示されています。

仮に1,000億円が配当に回れば+25%増で、1株当たりの配当は100円を超えることになります。

4,000億円が配当に割り当てられる上、「マネジメント・アロケーション」として3,000~5,000億円が機動的に活用される。

したがって、配当は2023年3月期に100円まで段階的に引き上げられ、2022年3月期に90円、2023年3月期に100円と予想しています。

自社株買いの期待も大

増配に加え、自社株買いの期待も高まっています。

株主還元策として自社株買いも併用されることとなっており、年間1,000億円程度が期待されます。

1株当たりの価値が高まるだけでなく、市場買い付けによる株価下支えにもなるため、株価下落リスクが小さくなるでしょう。

三井物産は買うべき?

投資スタンスは「300株保有」

個人的な投資スタンスですが、現時点では100株のみ保有しています。

2021年3月までに300株まで買い増し、3年以上の長期保有をする考えです。

本記事の狙い通りに行けば、300株(約55万円)の投資で約25万円の利益になるでしょう。

分散投資先の1銘柄として有力

投資額を1銘柄50万円程度に抑えるのは私の方針です。

株は比較的ハイリスクな資産ですので、株価上昇を予想する銘柄でも下落リスクは常にあると考え、集中投資は避けています。

分散投資先の1銘柄として三井物産への投資を検討してみてはいかがでしょうか。