エニーカラーは75億円という過去最大の自社株買いを発表したが、開始から1ヵ月も経たずに上限金額に達し、終了してしまった。
自社株買いを手掛かりに買っていた投資家も多く、突然の終了が株価下落を招いている。
終了発表の翌日は-6%超という急落。これで決算後の上昇がほぼ帳消しになってしまった。
自社株買いの支えが無くなったことで、今後は株価下落に向かうのだろうか。
本記事では、自社株買い終了による株価への影響を考察する。
目次
自社株買い終了までの経緯
75億円の自社株買いを発表
まずは自社株買い終了までの経緯を振り返ろう。
エニーカラーは2024年6月12日、決算発表と同時に自社株買いを発表した。
自社株買いでは買い板に注文を出しますので、株価を下支えする効果があります。
2,400円→2,800円に急騰
自社株買い発表の翌日は+400円を超える急騰となった。
好決算だったことも材料視されたが、75億円という自社株買いは予想外のサプライズとなった模様だ。
その後はやや反落気味だったものの、自社株買いが実行されたこともあり、2,800円前後を保った。
自社株買い終了、株価は急騰前の水準に
しかし、高値付近での売り圧力は強く、自社株買いは予想以上のペースで進んだ。
わずか15営業日で自社株買い枠を使い切り、7月3日には自社株買い終了がアナウンスされたのだ。
自社株買いの終了は、買い支えが無くなるため悪材料だ。
その結果、7月4日の株価は150円を超える急落となり、急騰前の株価に接近している。
自社株買い終了後の株価はどうなる?
窓埋め完了を確認
自社株買い終了後の下げで、株価は2,423円まで下落した。
一方、自社株買い発表後の急騰によって空いた窓は2,422~2,740円だったため、ぴったり窓を埋めた形だ。
そのため、反転上昇の準備は整ったと言える。
業績見直しで再上昇へ
エニーカラーの業績は好調であり、株価低迷が長く続くとは考えにくい。
今期の1株利益は173.4円、予想PERは14.6倍とグロースにしては割安水準だ。
そのため、いずれ業績見直しで再上昇に向かうだろう。
最低でもPER20倍までは回復すると考えているため、株価1.5倍、つまり3,400円付近まで上昇してもおかしくない。
需給改善で上昇しやすい状況
自社株買いは終了したが、取得された株数は市場から消えて需給が改善した。
取得された株数は271万株、発行済株式数の4.3%に相当する。
全体で保有されている株数が4.3%減少したので、それだけ売り予備軍が減り、株価が上昇しやすくなるわけだ。
さらに言えば、70%超の株は大株主が長期保有しているため、市場に出ている株数ベースで言えば14%も減少したことになる。
したがって、自社株買いの開始前と比べると、かなり株価が上昇しやすくなったと言えるだろう。
海外事業の再成長がカギ
そもそも、エニーカラーの株価が下落したのは海外事業の低迷が発端だ。
そのため、株価回復の近道は海外事業が再成長することだろう。
現状、米国事業であるNIJISANJI ENの売上は徐々に低下している状況だ。
これが成長期待の剥落につながっている。
米国事業が再成長に向かうかどうかは、今後の四半期決算ごとの数字を確認するしかない。
決算の数字が良ければ株価回復に弾みがつきそうだ。
まとめ
エニーカラーについて、自社株買い終了による株価への影響を考察した。
自社株買いは終了したものの、業績自体は好調で、しかも流通株式数が減ったことで需給が大きく改善した。
そのため、株価下落は短期的で終わる可能性が高そうだ。
株価指標は割安であるため、見直し買いが入ればかなりを値幅を取ることも可能だろう。
具体的には、PER20倍、株価3,400円までの回復は既定路線だと考えている。
再び成長期待が高まれば、PER30倍、株価5,000円超えも射程に入ってくる。
以上から、今回の急落は中長期目線で買い時であると考えている。
いつも拝見させていただいております。
エニーカラーまだまだ下に潜りそうですね…
決算後にインしてたらあれやこれやとここまで下げてしまったのですが、売り時を見失ってしまいました。直近の2700台も遥か遠く感じておりこれは年内に決算明けまで戻るのは厳しそうですかね?
いつも読んでいただきありがとうございます!
年内くらいには戻るのではないかと思ってますが、現状は戻りが悪いですね。
需給的には、信用倍率が1.65倍と過去最低水準、機関の空売り(約500万株)も含めると、実質的に売り長の状態です。
上昇の手掛かりがあれば、案外簡単に戻るのではないかと考えてます。
返信ありがとうございます。昨日発表した自己株消却が需給を改善してくれれば嬉しいですね。気長に待ちます。