株価6,900円まで上昇したエニーカラーですが、現在は半値の3,400円まで急落しています。
大きな理由の1つは、100万株が大株主から売却されたことです。
上場後180日のロックアップ解除直後だけあって、既存株主の「逃げ売り」のように見られてしまいました。
さらに、業績も期待ほどの成長とはならず、2022年12月の決算発表翌日は1,000円もの下落幅を記録しました。
2つの悪材料によって株価は半値に落ち込んでいます。
以降も株価は低迷し、2023年9月時点でも急落前の株価を回復できていません。
本記事では、エニーカラーが急落した2つの理由を解説し、急落後の株価が割安かどうかを調べました。

目次
立会外分売で株価急落
100万株の売りで30%下落
エニーカラーの株価は立会外分売をきっかけに急落しました。
売りに出された株数は100万株です。
売却前の流通株数が134万株だったことを踏まえると、100万株は相当なインパクトです。
また、1日の出来高平均は30万株くらいなので、3日分もの出来高に相当します。
今後もさらに売りに出される懸念も残り、株価急落につながってしまいました。
現在は3,400円前後で落ち着いていますが、発表前の株価からは3割ほど安い水準です。
立会外分売とは?
立会外分売とは、大株主が大量の株式をまとめて売却できる仕組みです。
市場で売却すると、需給の均衡が崩れて株価が急落してしまいます。
それに対し、立会外分売を使うと、需給に影響せず大量の株を取引することができるというメリットがあります。
今回の立会外分売は、上場後に大株主の売りが制限される「ロックアップ」解除後すぐに起こりました。

売値は約5,000円
100万株の売却が明らかになったのは2022年12月2日(金)で、その日の終値は5,260円でした。
売却価格は4,997円でしたので、約5%の割引です。
売却が成立した株数は不明ですが、既に下落トレンドでしたので、5%の割引では大した数量は売れてないと思われます。
実際、立会外分売に参加した人は損失を受けています。
上方修正が期待外れで、さらに急落
待望の上方修正が不発
エニーカラーの業績予想は保守的だったため、予想の上方修正が期待されていました。
上方修正は好材料なので基本的に株価が上昇します。
そして、2022年12月15日の上期決算と同時に、待望の上方修正が発表されました。
ANYCOLOR「通期業績予想の修正に関するお知らせ」
上方修正後の業績は、売上が225億円、純利益が53億円です。
純利益は前期比でほぼ倍となり、一見、良い上方修正のように見えます。
しかし、市場の期待はさらに上でした。
株価には市場の期待値が織り込まれていましたが、期待外れの上方修正だったため、反動で株価は急落してしまいました。
市場の期待値に1割届かず
市場の期待値であるQUICKコンセンサスでは、売上予想が247.4億円、純利益予想が58.4億円となっています。
つまり、市場の期待値に1割ほど届きませんでした。
以下が上方修正とQUICKコンセンサスの対比です。
上方修正後の会社予想 | QUICKコンセンサス | |
---|---|---|
売上高 | 225億円 | 247.4億円 |
営業利益 | 77億円 | 83億円 |
経常利益 | 77億円 | 83億円 |
当期利益 | 53億円 | 58.4億円 |
一株利益(円) | 176.7円 | 194.6円 |
株価は約500円下落
上方修正の発表翌日は3,730円から3,235円に急落しました。
下落幅は500円で、100株の投資だけでも-5万円もの損失です。
ただ、初値(2,405円)を下値と考えれば、下落余地はあまり残されていません。
株価3,400円は割安?
エニーカラーの株価指標
急落の結果、エニーカラーの株価は3,400円(2023年9月1日時点)まで下落しています。
この株価での株価指標は、予想PERが24.4倍、実績PBRが15.8倍です。
予想PERは割安
予想PERについて言えば、グロース株としては割安だと考えています。
特に、エニーカラーは他に無いビジネスモデルですので、高いPERが許容されて良いはずです。
また、来期の業績予想をベースにすれば、予想PERは19倍まで低下します。
PBRは割高だが、重要性は低い
一方、実績PBRは15.8倍と割高です。
とはいえ、VTuberタレントとの契約は資産計上されないため、PBRが割高になるのは自然なことです。
なので、エニーカラーに限って言えばPBRは重要度の低い指標だと言えます。
PBRが割高なのはあまり気にする必要が無いでしょう。
まとめ
エニーカラーが急落した理由について解説しました。
急落した理由のうち、一つは需給の問題、もう一つは市場の期待値の問題でした。
大株主がいる限り、大量売却の恐れは常にあります。
ただ、それはどの銘柄も抱えている懸念なので、そのうち忘れられるでしょう。
市場の期待値の問題についても、一発下げただけで織り込まれたと考えて良いはずです。
次なる上方修正が来る可能性もありますので、下げた分を取り戻す可能性もあります。
総じて、9月以降の急落はいずれ戻ると予想しています。
半値になったのは、2023年8月に株式分割したからですね。半値に急落したわけではないです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC146BV0U3A710C2000000/
分割後の株価で記載しています。分割考慮後の株価で2022年10月に6,895円を付けていますが、2023年10月時点で3,400円前後で推移しており、高値から半値です。
急落というのは急に落ちることなのでこれが去年の記事ならそうですね、となりますが……
今年の3月決算前に分割後の価格として2000円まで落ちてから反発し、現在は3000円〜4000円台で推移しています。
まあ、変動は激しい株ですよね。
あ、すみません、今、主旨を理解したもののコメントが消せず
去年の急落の原因の解説と、今の価格が割高か割安かっていう話だったんですね。失礼しました。