カラテカ入江さんが吉本興業の契約解消…タイムバンクへの影響は?利用規約を精査しました




「友達5000人芸人」として有名なカラテカ入江慎也さんの闇営業問題が取り沙汰されていますね。事態を重く見た吉本興業はカラテカ入江さんの契約解除を行ったようです。

カラテカ入江慎也さんといえば、タイムバンクで時間を販売している専門家。今回の問題は反社会勢力がらみということで、タイムバンクにも影響が及ぶ可能性があります。

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今回は、カラテカ入江さんの闇営業問題を題材として、タイムバンクの専門家登録が解除される可能性や、実際に解除されたらどうなるかを考えてみたいと思います。

闇営業問題がタイムバンクに及ぼす影響

まず、タイムバンクに登録している専門家がどのような問題を起こしたとしても、タイムバンクの運営会社に責任が及ぶことはありません。

これはユーザー利用規約にも明記されていますし、社会通念的に考えても間違い無いでしょう。

あり得るのは、問題を起こした専門家の専門家登録が解除されることです。後で説明しますが、専門家登録の際には一般ユーザー向けの「ユーザー利用規約」とは別に、専門家向けの利用規約が用意されています。

この専門家向け利用規約には、専門家として登録するための条件や禁則事項が記載されていて、条件を満たさなくなった場合や禁則事項を破った場合には専門家登録を解除すると明記されています。

そして、登録を解除された場合にはすでに販売している時間が無効になり、時間を保有しているユーザーが損失を被ることとなります。

まとめると、今回の闇営業問題でタイムバンクに影響する可能性があるのは、次のことです。

・カラテカ入江さんの専門家登録が解除される可能性
・その場合、すでに販売してる時間が消滅し、無効になる
・その結果、時間を保有しているユーザーが損失を被る

本当にその可能性があるのか、ユーザー利用規約や専門家の利用規約に照らして確認しましょう。

タイムバンク利用規約に照らして考える

焦点は「反社会勢力との接点」

タイムバンクでは個人が時間を販売しているため、カラテカ入江さんと吉本興業との契約が解消されたことについては問題ありません。

問題の焦点は、反社会的勢力との接点が明らかになってしまったことです。

タイムバンクの専門家利用規約を確認すると、反社会的勢力とのいかなる関わりも禁じられています。実際の利用規約を紹介しながら解説していきます。

「専門家登録の条件」に抵触

専門家向けのタイムバンク利用規約には反社会的勢力に関する記述があり、「反社会的勢力を利用したことがないこと」と記載されています。

以下の抜粋を読むかぎり、今回問題となっている反社会的勢力との取引行為はタイムバンク利用規約に抵触すると考えられます。

上の規約は「専門家登録の条件」の項目で、この条件を満たさなくなった場合が次に書かれています。

専門家登録の条件を満たさなくなった場合、「専門家登録の取消し、本サービスの全部もしくは一部の利用停止、その他の措置を講ずることができるものとします」と書かれていますので、最悪の場合は専門家登録の取り消しとなる可能性があります。

専門家登録が取り消された場合

専門家登録が取り消された場合、販売済みの時間はどのように扱われるのでしょうか?

それが次の規約に書いてあります。

これによると、ユーザーが保有している時間は消滅するものの、それによって生じた損害に対しては賠償がなされることになります。

賠償の条件は「別途FAQに定めるルールに従い」と書いてありますので、FAQに記載されている賠償の条件について確認しました。

専門家登録が取り消された場合の賠償条件

FAQはタイムバンクアプリの「マイページ」内にある「よくある質問」から見ることができます。

その中の「専門家登録の解除をすることはできますか?」という質問の回答内に、専門家登録が取り消された場合の賠償条件が記載されていました。

こちらがその内容を抜粋したものです。赤線部分に賠償の条件が記載されています。

これによると、時間の販売を行なった「新規販売」「追加販売」の価格が基本になるようですね。加重平均と記載されていますが、カラテカ入江さんの場合は追加販売を行なったことがないため、新規販売の価格が賠償額として採用されそうです。

ただし、賠償の対象ユーザーは専門家自身が選定するということと、タイムバンク運営側は一切の責任を負わないということから、実際に上記のとおり賠償が行われるかどうかは不透明です。

カラテカ入江さんの時間は買いか?

タイムバンクリリース直後から時間トレードを行なっているユーザーはピンと来たかもしれませんが、上記賠償の条件を読むと、カラテカ入江さんの時間は買っておくべきという見方も可能です。

スキャンダルが発覚したのに買いとは変な話ですが、実はカラテカ入江さんの時間の新規販売価格は1秒105.6円でした。現在は1秒6円ほどの価格ですので、もし今回の騒動で専門家登録が解除され、その時点での時間保有者に1秒105.6円の賠償がなされるとすると、1秒につき約100円の利益になると考えられます。

購入金額に対して約20倍となりますので、これは相当な利益ですね。

利用規約やFAQの記載内容から、理屈的にはカラテカ入江さんの時間は買いと判断できるかもしれませんが、前例がなく非常に不透明です。

現実的に考えて積極的に買うのは危険ですね。もし専門家登録解除という判断を運営が行えば、賠償に関する期待と不安が入り混じり、時間価格が乱高下すると思われます。

時間トレードは損失を伴う可能性があるため、自己責任で判断して行なってください。

タイムバンク運営的に、事を荒立てるのはデメリット

専門家登録解除についてはタイムバンク運営側の判断となりますが、デメリットが多く、実際には何もしない可能性が高いでしょう。

タイムバンクはクーポン事業を前面に押し出してテレビCMなどのPRを展開しているので、時間トレードについては現時点でリソースを割きたく無いはず。

賠償を行うとなると700万円近い額となりますので、決して穏やかではなく、難しい事案となりそうです。また、既存のタイムバンクユーザーや見込みユーザーに悪い印象を与える可能性もあり、運営的なデメリットが大きいと考えられます。

以上の理由から、カラテカ入江さんが実際に専門家登録解除をされる可能性は小さいと考えています。

まとめ

カラテカ入江さんの騒動を題材に、専門家登録が解除された場合について調査してみました。

今回調べるまで私も知りませんでしたが、賠償価格は新規販売時(かつ追加販売時)の価格が基本となるんですね。今後、専門家がタイムバンクを退会するという情報が出たら賠償期待で価格が上がることも頭に入れておくべきかもしれません。

極めて繊細な問題であるため、可能な限り公平な視点で執筆させていただきまいた。今回の記事が少しでも参考になったのであれば幸いです。