「キユーソー流通システム」という会社を知っている方は少ないかも知れませんが、マヨネーズでお馴染み「キユーピー」の子会社として、食品物流を手掛ける業界トップの企業です。
株主優待としてジェフグルメカードが用意され、配当と優待を足した総合利回りは3%を超えており、目立たないながらも投資対象として魅力的です。
今回は、私がキユーソー流通システムに投資した実体験から、株主優待や配当などを紹介します。
目次
隠れた高配当優良銘柄「キユーソー流通システム」
キユーソー流通システムは有名な「キユーピー」の子会社として食品物流を手がけ、安定した業績を出している隠れた優良銘柄です。
配当利回りは2.64%、優待利回りは0.57%、これらを足した総合利回りは3.21%と、長期投資の対象銘柄にしうる十分な水準です。
過去10年間で増収増益であり、それに伴って配当や優待を拡充してきました。
2019年度の配当性向は31.1%と余裕があり、減配リスクは小さいでしょう。流動性が低く値動きが大きいことが玉に瑕です。
- ・創業 :1966年2月1日
- ・従業員数:5,914名
- ・取引市場:東証一部
- ・業種 :倉庫・運輸関連業
- ・株価 :1,730円(2020年3月5日終値)
- ・配当 :46円/年(2019年度実績)
- ・株主優待:ジェフグルメカード
- ・公式サイト:https://www.krs.co.jp
キユーソー流通システムの株価・チャート・業績
本記事執筆時点で株価は1,730円をつけています。
コロナウイルスによる業績悪化懸念が先行し、株化は過去1年で最低水準で推移しています。取引市場で売買される株数が少ないため、出来高が少なく、値が飛びやすいという特徴があります。
※図表はマネックス証券より
業績は下図の通り、微増ながら安定しており、設備投資や特損の影響で営業利益が一時的に減少したものの、2020年度は横ばいになる予想となっています。
年間配当は7年連続増配を記録しましたが、2020年度は2019年度と同額を見込み、連続増配記録がストップする見込みです。
ただし、配当性向は31.1%と余裕がありますので、減配の懸念は小さいでしょう。
キユーソー流通システム(9369)の投資実体験
私は2019年11月にキユーソー流通システム100株をで購入し、11月末に配当・優待の権利取得後、2020年2月に売却しました。
その結果、2,300円の配当と1,000円分の株主優待、1,727円の売却益を獲得しました。
20万円を3ヶ月運用して5,000円の利益となりましたので、年利換算だと10%。悪くない結果だと思います。
配当利益
配当利益は2,300円でした。
キユーソー流通システムの配当は前期(5月)と期末(11月)に分けられており、年間配当(4600円)の半分が今回の配当額です。
株主優待
キユーソー流通システムの株主優待は「ジェフグルメカード」です。
100株保有の場合は1,000円分(500円券×2枚)をもらうことができます。
保有数に応じた優待内容は次の通りです。
保有株数 | 優待内容 |
100株 | ジェフグルメカード1,000円分 |
500株 | ジェフグルメカード3,000円分 |
1,000株 | ジェフグルメカード5,000円分 |
100株の場合が最も優待利回りが高くなります。
売却益
比較的高い所で買ってしまいましたが、何とか売却益も出すことができました。
購入時は2000円で、売却時が2022円。手数料を引いて1,727円の利益です。
キユーソー流通システムは長期投資も有望
食品という人の生活に必須な商品の物流を担い、業界トップのキユーソー流通システムですので、経営成績は安定しています。
配当利回り・優待利回りの合計が3.0%を超えていることに加え、利益に占める配当割合は約30%と余裕がありますので、長期投資銘柄として投資することも可能です。
私は2月に一度売却しましたが、5月末の権利確定に向けて、4月中に安い所を拾いたいと考えています。
キユーソー流通システムに投資する上での注意点
流動性が低く値動きが大きい
キユーソー流通システムの売買板は非常に薄く、値が大きく動きやすいのが特徴です。
100株の注文が目立つため、1000株の注文が入っただけで10円近く動くこともあり、個別の投資家の動向が株価に反映されやすいです。
上がっても急いで買わず、一度下げるのを待つのがキユーソー流通システム株との付き合い方ですね。
業績の陰りに注意
業績は安定しているものの、人件費や燃料費の高騰が利益率に影響してきており、今後の業績の陰りに注意が必要です。
コロナウイルスで業績に影響を受ける可能性大
コロナウイルスは個人消費を縮小させており、外食産業の売り上げを押下げています。
キユーソー流通システムは外食産業向けの食品輸送も手掛けていますので、結果的にキユーソー流通システムの売上も影響を受けるでしょう。
まとめ
キユーソー流通システムの配当と株主優待を、私の実体験ベースでご紹介しました。
食品流通は一般消費者の生活に欠かせないものですので、その業界においてトップのキユーソー流通システムは手堅い投資先だと考えられます。
一方、コロナウイルスによる株式市場の低迷で、以前までの1900-2000円のレンジから1700円前後のレンジに下落しました。一時的に業績に影響を受けることは避けられませんが、長期的に見れば今は買い場。
安いところで仕入れるチャンスでもありますので、長期投資先、あるいは短期の売却益狙いとして、キユーソー流通システムを検討してみてはどうでしょうか。