ヤマハ発動機の株主優待はカタログギフトのように好きな商品を選べるのが売りだ。
しかも、優待利回りは初年度から0.8%と比較的高く、3年以上保有すると1.6%に拡大する。
配当利回りも4%超えなので、合わせて5%超の利回りが取れるのは個人投資家にとって大きなメリットだろう。
今回はヤマハ発動機の株主優待を実際に取得したので、その実体験を交えて紹介する。
また、ヤマハ発動機の理論株価も踏まえ、今買って良いかどうかまで考察した。
目次
優待獲得の実体験
権利確定の2ヵ月半後に到着
2024年12月期の株主優待を獲得したので、ここではその実体験を紹介していく。
2024年12月26日の大引けでヤマハ発動機100株を保有していたので、2024年12月30日の権利確定日で株主優待の権利を獲得した。
それから約2ヶ月半後の2025年3月14日に株主優待の申込書が届いた。
100株で1,000ポイント付与
保有していたのは100株なので、優待ポイントが1,000ポイント付与された。
このポイントはヤマハ発動機株主優待サイトで使用することが可能だ。
届いた封筒の中にユーザーIDとパスワードが書かれた紙があり、これらを使って優待サイトにログインできる。
また、付属のQRコードを読み込むと、ユーザーIDとパスワードが入力された状態で優待サイトが開くので便利だ。
約20種類の優待品から選ぶ
1,000ポイントでもらえる優待品は20種類から選ぶことができた。
感覚的にはカタログギフトそのもので、選ぶ楽しさがある。
ポイントの価値としては、およそ1ポイント=1円のイメージだ。
お米の場合、150g×5袋=750gがもらえるので、小分けであることを踏まえると大体1,000円相当のように思える。
また、「炭焼きレストランさわやか」のプリペイドカードの優待は1,000ポイントで1,000円相当がもらえる。
今回は実用性重視で「北海道産ゆめぴりか」を選んだ。

優待が届くのは1ヵ月後
優待の到着タイミングは商品によるが、基本的に申込みから1ヶ月程度かかるようだ。
申込みが集中した商品については最大2ヵ月半程度かかる可能性もある。
また、数量限定のオリジナル商品は7月下旬と決まっている。
株主優待の詳細
基本は100株で1,000円相当
優待でもらえるポイント数は保有株式数によって変化するが、100株の保有が最も効率が良い。
100株の場合は1,000ポイントであるのに対し、3倍の300株を持ってもポイント数は2倍にしかならないからだ。
したがって、優待目的でヤマハ発動機を買う場合は100株保有が基本となる。

ただし、2,000ポイントではバイクレンタルの割引券や教習の割引券など、サービス利用者にとってはリターンの大きい優待が用意されている。
自分に合った優待があるかどうか一度チェックすると良いだろう。
前年度の優待内容は「2024年12月期 株主優待のご案内」で確認できる。
長期保有でポイント倍増
100株でも3年以上の長期保有なら2倍の2,000ポイントがもらえる。
2025年に買って2025年12月末の権利を取った場合、2028年12月末の優待から長期保有の対象となる。
100株10万円ちょっとと買いやすい価格帯であるため長期保有もしやすい。
配当利回りも4%超と良いため、とりあえず100株買って長期ホールドするのはアリだろう。
カタログの内容
2024年度のカタログの内容を一部紹介しておく。
カタログは「2024年12月期 株主優待のご案内」で確認でき、URLの西暦部分を打ち換えると、過去の優待内容も確認可能だ。
以下、2024年度の優待品のうち、1,000ポイントで選べるものを抜粋した。



優待利回りと配当利回り
1年目利回りは0.8%、3年以上で1.6%
株主優待の利回りは、取得初年度が0.83%、3年以上の保有で1.67%となる。
1ポイント=1円換算、株価1,200円、100株保有で計算した。
優待利回りは比較的高い
ヤマハ発動機の優待利回りは、投資を検討できる銘柄の中では比較的高い。
優待利回り約5%を誇るソフトバンク(9434)は別格だが、ゆうちょ銀行0.38%、キッコーマン0.68%、ダイドーリミテッド0.6%、INPEX0.12%、トヨタ0.18%などよりも高い利回りだ。
上記の参考銘柄は、株主優待人気ランキングうち、規模・業績が安定している銘柄を抜粋しています。
さらに、3年以上の保有で利回りが1.6%になれば十分すぎる利回りを確保できる。
総合利回りは5%
ヤマハ発動機は配当も高く、配当利回りだけで4.2%ある。
これに優待の0.8%を加算した総合利回りは5%にも達する。
時価総額が高く、業績も安定している銘柄で利回り5%も取れるのは希少だ。
3年以上の保有なら5.8%の利回りになる。
個人投資家から人気の日本たばこ産業(JT)も利回り5%程度であり、利回り重視で投資する場合はヤマハ発動機もぜひ検討したいところだ。
ヤマハ発動機は買いか?
株価指標は万年割安
ヤマハ発動機の株価は業績に対して割安だ。
予想PERは8.4倍と、プライム市場平均の15倍を大きく下回る。
また、実績PBRは1.02倍とほぼ解散価値と同等だ。
割安ではあるが、ヤマハ発動機の株価指標は毎年これくらいの水準だ。
万年割安株であるため、割安だからと言って株価が上昇するかは難しいところだ。
やや割安すぎる印象
万年割安ではあるものの、現在株価はやや割安すぎる印象である。
特に、実績PBRに注目したい。
予想ROEが14%あるので、実績PBR1.02倍は過小評価に見える。
やや込み入った話になるが、ヤマハ発動機の理論PBRを計算したところ、1.17倍という結果になった。
理論PBR=14.0%(予想ROE)÷12.0%(株主資本コスト)=1.17倍

株主資本コスト12.0%はCAPMモデルを用いて、リスクフリーレート=1.5%、β=1.75、リスクプレミアム=6.0%で計算しました。参考までに。
上記の理論PBRから理論株価を計算すると、1,394円となる。
理論通りにならないのが常だが、買いを検討する上で理論株価より割安であるというのは、投資する上で心強いポイントだ。
長期保有なら損失リスク小
現状割安である上、年間5%の利回りが取れることを踏まえると、ヤマハ発動機は比較的低リスクな銘柄だと言える。
長期で持てば、株価が下落したとしても配当+優待で相当カバーできるだろう。
したがって、長期保有であれば損失リスクは小さいと考えられる。
むしろ、配当+優待+売却益(含み益)が得られる可能性も十分にある。
一定のリスクはもちろんあるが、ヤマハ発動機の株価1,200円台は買いだと考えている。
まとめ
ヤマハ発動機の株主優待について実体験を紹介した。
優待を実施している国内企業は約1,500社存在するが、その中でも優秀な部類ではないだろうか。
優待利回りが0.8~1.6%と十分高く、カタログギフトのように選べるため満足度も高い。
配当利回りも4%を超えていることから、配当と優待をもらいながら長期保有するのが良さそうだ。