あおぞら銀行の配当利回りはなぜ高い?高配当の仕組みと、今後の配当・株価予想




(追記)2024年3月期は赤字転落して下期配当は無配となり、利回りが低下しました。来年度以降も配当が引き下げられる可能性があります。

あおぞら銀行の配当利回りは5%超えで、銀行銘柄としてはトップの利回りを誇ります。

しかし、なぜこれほどの高配当なのでしょうか?

よく「高配当銘柄は危険」と言われますが、あおぞら銀行も例外ではありません。

今後、業績悪化による減配の可能性が高いと考えられています。

一方、あおぞら銀行自身は業績回復に自信を持っているようで、株価が下落している今が買い時、という見方もあります。

本記事では、あおぞら銀行が高配当である仕組みを解説した上で、今後の配当と株価を予想していきます。

配当利回りが高い理由

主な2つの理由

あおぞら銀行が高配当の理由は、

  1. 業績悪化で株価が下落した
  2. 業績悪化にも関わらず、配当は維持している

の2点に集約できます。

それぞれについて、具体的に見ていきましょう。

なぜ業績が悪化した?

2022年度の純利益は87億円と、前年の350億円から急悪化しました。

以下が2022年度と2021年度の業績比較です。

純利益は前年の350億円から87億円に悪化した。出典:2022年度決算および新中期経営計画

原因は、米国債の評価額が下落したためです。

米国はインフレ退治のために利上げを進めていますが、それにより米国債の価格が低下しています。

そのため、利上げ前に米国債を保有していたあおぞら銀行は損失を被ったのです。

株価は2,650円→2,400円へ下落

米国債の損失により、株価は2,650円付近から2,400円前後に下落しました。

株価にはほぼ織込み済みだったため、損失発表の直後はあまり下がりませんでした。

しかし、米国債の損失が原因でシリコンバレー銀行などが破綻し、あおぞら銀行への懸念も再噴出。

2023年3月10日以降は急落し、2,400円前後まで売られてしまいました。

2022年末〜2023年初頭までの株価推移。金融機関の相次ぐ破綻により、あおぞら銀行の株価も大きく下がった。

一方、配当は維持

業績悪化と株価下落の一方で、配当は維持されています。

つまり、1株あたりの年間配当は154円から変更されていません。

配当維持となったのは、今回の損失は一過性で、来期以降は業績回復を見込んでいるためです。

下方修正時に発表された配当予想。従来の配当額が維持された。画像:2023年3月期 通期業績予想の修正に関するお知らせ

その結果、株価2,400円前後に対して配当が154円となり、配当利回りは一時6.4%まで上昇したのです。

配当利回りの計算

利回り=154円(1株配当)÷2,400円(株価)=6.42%

管理人

追記です。その後は株価が3,000円台まで回復し、配当利回りは5%台まで下がっています。

減配の可能性は?

四季報予想では「配当維持」

四季報予想では、減配はされない予想となっています。

理由は、来期(2024年3月期)は1株利益が205円に回復する予想となっているからです。

1株利益が205円まで回復すれば、154円の配当は維持できるでしょう。

配当性向は会社想定の50%を超えてしまいますが、一時的なら問題ありません。

ちなみに、以下が四季報による2024年3月期までの業績予想です。

決算期経常収益純利益1株利益
2023/03(実)1,833億円87億円75円
2024/032,000億円240億円205円
2025/032,150億円300億円254円

減配の可能性は高い

もっとも、減配の可能性は高いと言えます。

米国金利が想定より上がれば、それだけ米国債の価格は下落します。

その結果、2024年3月期の業績も低迷し、減配せざるを得ない状況になるかもしれません。

特に、シリコンバレー銀行の破綻や、クレディスイスの危機を受け、銀行銘柄の不確実性は高まっています。

管理人

証券大手のJPモルガンは業績低迷と減配をメインシナリオをとしてます。

120〜130円の減配を想定

また、配当性向は50%と定められているため、2025年3月期も1株利益が300円未満となれば、減配の可能性が出てきます。

実際、収益回復の道のりは不透明です。

そのため、1株120~130円への減配は想定しておくべきでしょう。

ただ、仮に配当が120円まで減配されても、利回りは4%となります(株価3,000円の場合)。

多少減配されても利回りは高いので、減配に対して過度に懸念する必要は無いと考えています。

今後の配当予想

業績回復なら、配当154円を継続

今後の配当は2つのシナリオが考えられます。

1つは、2025年3月期にかけて業績が回復し、配当が維持されるシナリオです。

その場合、2025年まで配当は154円になるでしょう。

決算期1株配当
2023/03154円
2024/03154円
2025/03154円
業績回復シナリオの配当予想

メインシナリオは、130円へ減配

もう1つは、業績悪化が長期化する見通しとなり、2024年3月期から減配されるシナリオです。

可能性としてはこちらの方が高いと思われます。

決算期1株配当
2023/03154円
2024/03130円(減配)
2025/03140円
業績悪化が長期化するシナリオの配当予想

今後の株価予想

配当利回り4.5%が基準

今後の株価は配当利回りが支えになりそうです。

メガバンクの配当利回りは4%前後ですが、あおぞら銀行は若干リスクが高いことも踏まえ、利回り4.5%を基準に株価を計算します。

使用する配当予想は、先の章で出した減配シナリオです。

つまり、2024年の予想株価は、配当130円で利回り4.5%になる株価、2025年の予想株価は、配当140円で利回り4.5%になる株価、ということです。

2024年・2025年の予想株価

以上から、予想株価は2024年に約2,900円、2025年に約3,100円となりました。

本記事執筆時点(2023年3月31日)の株価は2,399円なので、株価は今後上昇すると予想しています。

2024年の予想株価

予想株価=130円(1株配当)×100÷4.5(配当利回り)=2,889円

2025年の予想株価

予想株価=140円(1株配当)×100÷4.5(配当利回り)=3,111円

証券大手の目標株価は低め

ただし、証券会社からの評価は厳しいです。

2023年6月以降に発表された目標株価をまとめました。

証券会社投資判断目標株価
(変更前→変更後)
モルガンS弱気2300円 → 2330円
BofA弱気2400円 → 2300円
大和弱気2450円 → 2750円
JPモルガン弱気2160円 → 2570円

弱気が多数派で、目標株価も高くて2,750円です。

現在株価(2023年11月時点)が3,000円前後なので、株価上昇は厳しいと評価されています。

したがって、短期で利益を取るのは難しいでしょう。

あおぞら銀行は買い時か?

基本的に買い目線

株価はこれから上昇すると予想しているため、基本的に買いスタンスです。

予想通りいけば、1年間の保有で20%ほどの売却益が得られるでしょう。

つまり、あおぞら銀行は中長期目線で買い時だと考えられます。

株価下落の可能性も

株価上昇のためには、米国金利の上昇がストップすることや、事業環境が1~2年以内に改善するのが条件です。

その点、大手証券は悲観予想が多いようです。

なので、想定ほど株価が上昇しない場合や、むしろ下落してしまう可能性は十分あります。

まとめ

あおぞら銀行の配当利回りが高い理由と、今後の配当・株価の予想を解説しました。

業績悪化で株価が下落した一方、配当は維持されているのが高配当のロジックです。

さらに言えば、将来の不確実性が配当利回りに反映されていると言えます。

業績予想は現時点ではそれほど悪くないですが、数ヵ月先には事業環境がさらに悪化している可能性があり、リスクが高まっています。

何事もなく業績が回復すれば株価は大きく上昇するでしょう。

その逆もあり得るので難しい判断ですが、株価には悪材料が織り込まれたため、どちらかと言えば買い時だと考えています。