「手数料が高い」「取扱銘柄が少ない」。これが今までのLINE証券の評判でしたが、5月10日からのアップグレードで購入手数料無料かつ取扱銘柄数が約3,700へと大きく改善されます。
購入手数料が無料になったことで、手数料はネット証券大手よりも安くなりました。さらに3,700銘柄を購入できるようになり、株主優待や配当を活用した本格的な株式投資が可能となります。
今回は、大きく改善したLINE証券について概要を解説した上で、改善後のLINE証券を利用するメリットと、他ネット証券と比較した場合のデメリットを紹介したいと思います。
目次
大手ネット証券と同等の銘柄数・手数料に改善
まずは改善前と後のLINE証券について、どう変わったのかの概要を見てみましょう。
改善後 | 改善前 | |
銘柄数 | 3,700 | 315 |
手数料 | 買いのみ無料(下で解説) | 日中0.05%/夜間0.5% |
取引時間 | 9:00~11:30、12:30~15:00 | 左に加え11:30~12:20、17:00~21:00 |
銘柄数が10倍以上となる3,700銘柄に拡大し、さらに購入手数料が無料になりました。
これにより大手ネット証券と遜色無い投資サービスに生まれ変わり、初心者から使い始めてから長く利用することができるでしょう。
「購入手数料無料」を打ち出しているのはLINE証券のみ。売らずに保有するだけなら手数料無料で投資することができる、魅力的な料金体系です。
以前のLINE証券は特に夜間について手数料が非常に高く、「初心者搾取」と言える側面がありましたが、今後は手数料で損することはありません。
手数料は「最低水準」を実現
実際、他社サービスと比較して手数料はどれほどなのでしょうか?
株は買ったらいずれは売るものなので、「購入手数料」と「売却手数料」の合計で比較してみました。
証券会社 | 「売り」「買い」往復手数料 | ||||
〜5万円 | 〜10万円 | 〜20万円 | 〜30万円 | 〜50万円 | |
LINE証券 | 99円 | 176円 | 198円 | 484円 | 484円 |
SBI証券 | 180円 | 180円 | 500円 | 500円 | 500円 |
楽天証券 | 180円 | 180円 | 500円 | 500円 | 500円 |
DMM.com証券 | 160円 | 160円 | 160円 | 360円 | 360円 |
マネックス証券 | 200円 | 200円 | 500円 | 500円 | 900円 |
比較した結果、ネット証券で最も人気であるSBI証券よりも安いということがわかります。DMM.com証券の方が場合によっては安いですがほぼ変わらない水準です。
LINE証券が登場した時には「手数料詐欺」などとも言われていましたが、今回の改善でそんな評判も覆るでしょう。
約3,700銘柄に拡大でほぼ全銘柄を網羅
さらに、東京証券取引所に上場している約3,700銘柄が取引可能になったことで、取扱い銘柄数についても他社と同じ水準となりました。
以前は315銘柄で、提携している野村證券が厳選した銘柄というメリットはあったものの、ある程度取引に慣れてくると物足りない銘柄数でした。
今後は本格的な優待投資や配当投資が可能となり、投資の幅が大きく広がります。
他社と比較したLINE証券のメリット
いつも使う「LINE」からすぐに開ける
LINE証券の最大のメリットは、LINEアプリからすぐにアクセスすることができる点です。
「ウォレット」メニューにある「LINE証券」を開くまでたったの2タップ。
投資は継続することで利益を生むことができますので、簡単に保有銘柄や損益を確認することができる利便性は、株式市場をチェックする習慣の無い初心者にとって重要なメリットです。
1株から買うことができる
LINE証券では1株から買えますので、金額にすると100円ほどから投資をすることができます。
通常は100株単位ですので安くても数万円は用意する必要があり、初心者にはハードルが高いもの。
1株でも配当などはしっかりもらうことができますよ。
ポイントで投資ができる
LINE証券への入金はポイントを使うことができ、つまりポイントで株が買えることができるのです。
近年はTポイント投資など、ポイントを活用した投資サービスが人気。
ポイントなら損得を気にせず気軽に投資でき、初心者には大きなメリットです。
銘柄がカテゴリに分けられていて選びやすい
初心者に限らず銘柄選びは悩ましいもの。LINE証券では銘柄がカテゴライズされて表示されるため、銘柄を選ぶ上で大きな助けになります。
カテゴリには人気の株主優待銘柄をはじめ、好決算銘柄や話題のテーマなどがあります。
カテゴリを活用して銘柄を選べばタイミングを逃さず投資できますね。
決算速報などがメッセージで送られてくる
LINE証券はLINEアプリのメッセージ機能を活かし、決算速報や最新ニュースなどを送ってくれる機能があります。
「LINE証券」と友達登録をすることで受け取れるようになり、保有銘柄やお気に入り登録銘柄に絞って送信してもらうことも可能。
メールではなくメッセージで送られてくるため確認しやすく、LINE証券ならではの特徴です。
LINE証券のデメリット
大きく機能改善したLINE証券ですが、まだまだ他の証券会社には及ばない点がいくつかあります。
実際に利用していて感じたデメリットを挙げてみました。
信用取引ができない
初心者を主なターゲットとしてるため、上級者向けである信用取引には対応していません。
信用取引では小さい元手で大きな取引ができる他、「空売り」をすることで下落局面でも利益を生むことができるなど、投資の幅が広がります。
信用取引を行いたい場合はLINE証券は選択肢から外れますね。
非課税制度を利用できない
LINE証券ではNISA口座を解説することができません。
NISA口座を解説すると、年間120万円までの投資については非課税となります。
通常は利益に対して2割ほどが税金として徴収されますので、数年単位で考えると、非課税かどうかで利益が大きく変わってきます。
長期保有を前提として投資したい人にとってはデメリットですね。
「株のタイムセール」は終了?
LINE証券の人気イベント「株のタイムセール」は終了かもしれません。
17時以降は翌日の予約注文ができる仕様となりますが、この時間がタイムセールと被ってしまうためです。
予約注文ができる状態でタイムセールをやってしまうと誤注文の元。今後は開催されない可能性が高いでしょう。
まとめ
大きく改善したLINE証券について、改善内容やメリット・デメリットを解説しました。
株の現金取引を行う人にとっては大手ネット証券と遜色ない使い勝手となり、場合によってはLINE証券の方が手数料が安いほど。
「手数料が高い」と言う評判を覆し、投資サービスの有力な選択肢の一つとなりましたね。