業績悪化で苦しいDeNAですが、ポケモンカードアプリが復活の起爆剤になるかもしれません。
ポケモンカードアプリへの業績寄与は売上400億円、営業利益50億円との試算もあり、実現すればDeNAの利益を1.5倍に押し上げます。
そうなれば、株価も相当な上昇が見込めるでしょう。
詳しい計算は本文中に記載していますが、予想株価として1,860円を算出し、株価上昇を予想します。
本記事では、ポケモンカードアプリにまつわるDeNAの株価について考察します。
目次
一時ストップ高の急騰
ポケカアプリ発表でストップ高
ポケモンカードアプリを共同開発することが2月28日に発表され、翌日はストップ高の急騰となりました。
年内リリース予定とのことで、来期の業績改善の期待が高まった結果です。
DeNAは3Q決算で赤字転落を発表し、株価は４年ぶりの安値に売られていました。
そのため、空売りの買い戻しも株価急騰に弾みをつけたようです。
特に、ゴールドマンサックスは135万株を空売りしており、突然のポケカアプリの発表で大損失を被ったでしょう。
空売りに押され反落
しかし、空売り機関もただでは転びません。
ストップ高の翌日に寄り付くと、一気に売り崩しにかかります。
その結果、一時1,649円まで上昇した株価は急落し、前日ストップ高よりも安い1,465円まで反落しました。
その後も数日間下落が続き、ポケカアプリの好材料に飛びついた投資家は損失を受けました。
空売り勢撤収で再び上昇へ
急騰後の数日で空売りの買い戻しが進みました。
ゴールドマンサックスは空売り比率が0.5%未満となり報告義務が消失。
メリルリンチも141万株を空売りしていましたが、3月6日までに100万株まで減少しました。
その結果、株価は再び上昇基調となっています。
ポケカアプリの売上・利益予想
売上300～400億円、利益50億円と予想
期待先行で株価が急騰しましたが、実際のところ、どれだけ業績に貢献するのでしょうか。
日本経済新聞の記事によると、ポケモンカードアプリの売上は300～400億円と予想されています。
共同開発なので利益を全て取れるわけではありませんが、DeNAへの利益貢献は50億円程度となりそうです。
＋50%の増益効果
営業利益50億円というのはどれほどのインパクトでしょうか。
四季報によると、来期（2025年3月期）の業績予想は営業利益90億円となっています。
したがって、ポケカアプリがヒットすればDeNAの利益を1.5倍に押し上げることになります。
人気過熱の可能性も
現状のポケモンカードの人気ぶりを見ると、アプリ版の人気も過熱する可能性があります。
サイバーエージェントの「ウマ娘」級のヒットともなれば、売上1,000億円、営業利益300億円もあり得ます。
その場合、株価は上場来高値である4,000円も目指せる展開となります。
ただし、そのシナリオを想定するには不確定要素が多すぎるため、現時点では売上400億円、営業利益50億円を想定して株価を予想していきます。
ポケカアプリのヒットで株価はどうなる？
ヒットした場合の業績予想
次に、ポケカアプリがヒットした場合の株価を予想していきます。
まずはベースとなる業績予想を作りましょう。
四季報が公開している2025年3月期の業績予想に、売上高＋400億円、営業利益＋50億円を加算したのが次の業績です。
業績への本格寄与は2026年3月期からですが、2026年3月期の業績予想はまだ無いため、2025年3月期の業績予想を使用しました。
予想株価は1,860円
予想株価は【１株利益×PER】で計算することができます。
適用するPERとしては、過去平均よりも若干強気の25倍とします。
これらを踏まえると、DeNAの予想株価は1,860円となります。
予想株価＝74.4円（１株利益）×25倍（PER）＝1,860円
つまり、現在株価（1,430円、2024年3月12日）からは３割ほどの上昇を見込みます。
PER25倍の根拠
適用PERによって予想株価が上下するため、PER25倍の根拠を説明しておきます。
DeNAの過去平均のPERは20倍ですが、長期ヒットが狙えるタイトルだけに、将来の業績拡大も加味してPERは高まるでしょう。
また、別銘柄ですが「ウマ娘」がヒットした当時のサイバーエージェントもPERが25倍程度に上昇しました。
したがって、ポケカアプリがヒットしたDeNAでも、PERが25倍程度に高まると予想しています。
今後の株価予想
期待先行で株価上昇か
今後、ポケカのリリース予定の発表や、事前登録の開始などのイベントが控えます。
これらのイベントごとに株価が動意づくと予想されます。
期待外れの場合は株価下落の恐れがありますが、本家である任天堂も噛んでいるだけに、高いクオリティが期待できます。
したがって、イベントをこなすごとに株価は上昇することが予想されます。
上昇目途は2,000円
業績ベースでの妥当株価が1,860円ですので、勢いで2,000円くらいは目指せるでしょう。
しかし、2,000円が大きな壁となります。
DeNAの株価は2020年～2023年にかけて2,000円前後で推移していたため、2,000円付近で買って損失を抱えている投資家が多数います。
そのため、2,000円に近付くと戻り待ちの売りが増加して下落圧力が高まるでしょう。
2,000円付近を突破するにはポケカアプリだけでは力不足だと予想しています。
リリース延期、人気低迷の恐れも
ここまではポケカアプリがヒットする前提で考えてきましたが、悪材料が出てくる懸念もあります。
懸念される悪材料は次の３点です。
クオリティに関してはあまり心配していませんが、特に懸念なのがリリース時期の延期です。
年度をまたぐような延期になった場合、業績への寄与が期待よりも遅れます。
そのため、リリース時期が延期されると株価はいったん急落することになるでしょう。
ポケカアプリ不発なら株価1,200円へ
もしポケカアプリが想定外に不発なら、株価は再び急落します。
期待で上昇する前の1,200円台へ下落するのが妥当となるでしょう。
DeNAは2024年3月期に赤字転落しており、ポケカアプリの発表前は急落して1,200円台まで売り込まれた経緯があります。
この経緯を大半の投資家が認識しているため、1,200円台への急落が意識されることで、実際に1,200円台まで下落すると考えられます。
このリスクがあるため、株価上昇後に買うことは危険だと認識しておくべきでしょう。
まとめ
ポケモンカードアプリがヒットした場合のDeNAの株価について考察しました。
世界的に人気のカードゲームだけにアプリ版のリリースは非常に期待が持てます。
株価は期待感で動きやすいため、実際のリリースまでに一定の株価上昇が狙えそうです。
また、業績へ本格寄与するようになれば妥当株価は1,860円となります。
勢い2,000円付近まで上昇しても不思議はありません。
2024年中のリリースが予定されているため、近いうちに続報が発表され、株価水準が切り上がっていくことを期待したいですね。
日本経済新聞「DeNA、ストップ高 「ポケモンカードゲーム」に期待」