ユナイテッドアローズの株価が下落した4つの理由と、今後の株価見通し




ユナイテッドアローズの株価は度重なる急落によって低迷しています。

2016年は上場来高値である6,000円まで上昇したものの、消費税の増税をきっかけに株価は下落トレンドへ突入。

天候不順や外出自粛により業績が打撃を受け、現在は2,000円前後で低迷しています。

本記事ではユナイテッドアローズの株価が下落した4つの理由について解説し、さらに今後の見通しを考察しました。

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理由① 消費税の増税

株価6,000円から一転急落

ユナイテッドアローズの株価は2015年まで絶好調でした。

2015年後半は上場来高値を連日のように更新し、年末には株価6,000円を突破。

株価は1年間で3,000円→6,000円と2倍になっています。

しかし、2016年に入ると様子が一変。2016年9月までに株価は2,400円を割込むまでに下落しました。

消費税の増税を発表

日本政府は2016年5月に消費税増税の方針を固めました。

消費増税が景気を冷やすのはご存知の通りですが、特に高価格帯の小売業はマイナスの影響が大きく、ユナイテッドアローズは業績悪化が懸念されました。

その結果、ユナイテッドアローズの株価は急落したのです。

2016年は消費増税の懸念が先行し株価が急落した。出典:日本経済新聞
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結局、増税は延期され、3年後の2019年10月に10%への増税が実施されました。

理由② 天候不順による業績悪化

天候不順の年は業績が悪化

アパレル企業の業績は天候に敏感です。

暖冬であったり、春先に寒さが長引いたりすると商品が計画通りに売れず業績が悪化します。

天候不順によるユナイテッドアローズの業績悪化は2016年と2020年に起こりました。

春物コートが不振で株価下落

話は2016年に遡りますが、この年の春は寒さが長引き、トレンチコートなどの春物コートが不振でした。

高価格帯のコートは利益率が高い反面、販売不振に陥ると利益が大きく目減りします。

結果、2016年3月期の業績は全ての項目で計画を下回る結果となりました。

決算発表までは増収増益が予定されていただけに株価は急落しました。

2016年3月期は計画未達となり売り材料となった。出典:2016年3月期 決算説明会資料

2020年は暖冬で冬物不振

2020年の冬は例年より気温が高く、冬物全般が不振に陥りました。

冬物は価格・利益率が高いため打撃も大きくなります。

アパレル各社の売上が1~2割減少する中、ユナイテッドアローズもコートを4割引きで投げ売りするなど苦しい状況に陥りました。

結果、2020年3月期の利益は前年から半分程度の水準まで落ち込み、株価は2022年3月に1,200円台まで急落しました。

2019年は増税の実施、大型台風が発生するなど、悪条件が重なったことも株価下落に拍車をかけました。

理由③ 外出自粛による売上急減

外出自粛・店舗休業が業績を直撃

2020年3月以降は新型コロナの流行が本格化し、国内では外出自粛のムードとなりました。

人流抑制のためにユナイテッドアローズの店舗は休業。

営業できた店舗も売上が立たず、2021年3月期の業績は過去最悪のレベルにまで悪化しました。

2021年3月期は赤字転落

2020年末にはある程度回復したものの、2021年3月期は赤字転落となりました。

赤字幅は-72億円で、2019年3月期の純利益+64億円を上回ります。

ユナイテッドアローズの営業赤字は創業以来初です。

株価は15%の急落

赤字決算により株価は急落しました。

発表前は2,000円あった株価は、3営業日後には1,700円まで落ち込みました。

多くの投資家が損失を被り、その後も上値が重い展開が続いています。

5月10日に赤字決算が発表され、3営業日で15%の株価が失われた。出典:日本経済新聞

理由④ 業績の長期低迷

売上はコロナ前から18%減少

ユナイテッドアローズの業績は未だ新型コロナ前を回復できずにいます。

2022年は辛うじて黒字回復し、2023年は増収増益が予想されているものの、2023年3月期の売上は新型コロナ前と比較して-18%の水準です。

純利益はコロナ前と比較して半分未満になる見通しです。

ユナイテッドアローズの業績回復は鈍い。出典:日本経済新聞

株価は1,500~2,500円で低迷

業績の低迷により株価の回復は遅れています。

2020年1~3月の急落以降、1,500~2,500円のレンジを上下しており、2018年の水準だった3,500円以上を大幅に下回ります。

以下が2020年の急落前後のチャートです。

2020年1~3月に急落して以降、株価は低迷している。出典:日本経済新聞

業績回復はいつになるか?

株価が本格的に回復するには業績回復が必須です。

業績悪化は外部的な要因が大きいため、状況が改善するのを待つしかなさそうです。

新型コロナの影響はかなり緩和されてきましたが、今度は原材料や物流費の高騰が発生しており、2019年当時の業績に戻るまでには数年を要するでしょう。

ユナイテッドアローズによると、2022年3月期の下期から回復に向かうと予想されています。

ネット販売の成長に期待

期待できるのはネット販売の増加です。

ユナイテッドアローズは自社ECサイトを立上げ、ネットでの売上げを年間2桁%の勢いで伸ばしています。

ネット販売は実店舗と比べて利益率が高く、この勢いで成長すれば、売上が完全に戻らなくても利益水準は回復することが期待されます。

今後の株価見通し

株価回復の可能性大

株価2,000円前後は直近10年間で最低水準ですので、ここからさらに深堀りする可能性は低そうです。

今後の株価は回復に向かう可能性が高いと言えるでしょう。

2023年3月期の下期から業績回復が予想されているため、2022年10月あたりから株価上昇に転じると予想されます。

業績回復で株価3,000円

業績が本格的に回復すれば株価3,000円がターゲットになります。

ユナイテッドアローズの株価は2020年1~3月に急落しましたが、急落前の株価は3,000円以上でした。

当時の業績水準まで回復すれば、株価も3,000円回復が目指せるでしょう。

2020年当時と異なり、現在は自社サイトによるネット販売も拡大しています。

利益率が高まっていることから、売上が完全に回復した時の株価はもっと上を目指せるかもしれません。

冬の気温次第で上下する可能性

冬の気温次第では業績回復が遅れるかもしれません。

暖冬の場合は価格と利益率の高い冬物商品が売れなくなります。

業績への影響度が大きいため、暖冬の場合は株価が下落する可能性が高まります。

逆に、気温が例年より低くなれば業績の追い風となり、株価にもプラスに作用するでしょう。

まとめ

ユナイテッドアローズの株価が下落した理由について解説しました。

2016年の消費税増税に始まり、複数の悪材料が重なった結果、株価は2,000円前後まで下落してしまいました。

しかし、これまでが悪かった分、今後は株価回復に向かう可能性は高そうです。

下落しているうちに仕入れておきたい銘柄ですね。




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