ユーグレナの予想株価を徹底考察!! 売上高1兆円で「株価100倍」になる予想と根拠




2021年4月22日:公開

2022年12月15日:最新情報を反映

脱炭素社会に向け、バイオ燃料を作るベンチャー企業「ユーグレナ」が注目されています。

ユーグレナが作る燃料は、実質的に炭素排出量ゼロ、いわゆる”バイオ燃料”です

車、航空機、船舶などの燃料は、今後10年間で炭素排出量ゼロの燃料に置き換わると予想され、ユーグレナが作った燃料が10年後、20年後には全世界で使われる可能性を秘めています。

現時点ではまだ赤字ですが、2025年に黒字化を達成する見込みです。

さらに、最終的には売上高1兆円への飛躍を目指しています。

売上高が1兆円に達した場合、株価は現在の100倍は下らないでしょう。

バイオ燃料はいまだブルーオーシャン市場であり、今後の成長余地は計り知れません。

本記事では、ユーグレナの事業内容を確認した上で、今後の株価上昇材料をまとめ、2025年・2030年・2050年の株価予想について考察していきます。

管理人

ユーグレナは2022年12月14日にマレーシアの大規模バイオ燃料プラントに参画すると発表し、業績拡大が期待されています。詳しくは公式発表をご覧ください。

結論:ユーグレナの株価予想は「2025年3,300円」「2030年6,000円」

まずは本記事の結論ですが、ユーグレナの株価予想として2025年に3,300円以上2030年に6,000円という結果になりました。

根拠は、現在実用化が進んでいるバイオ燃料事業の拡大です。

2021年4月時点で、自動車向けのバイオディーゼル燃料は利用拡大中、航空機向けバイオジェット燃料は開発が完了してフライトを待っている段階です。

これまでのところは順調に進んでいて、今後も順調にいけば2025年までに黒字化、2030年には売上高1,000億円に達すると予想されます。

詳しい根拠は後で詳しく書いていますが、それによって2030年3,300円以上2030年6,000円という株価予想になりました。

バイオ燃料事業の黒字化で上場来高値である3,300円を突破すると予想

バイオ燃料は脱炭素社会に向けて注目を集めています。ユーグレナのバイオ燃料事業が順調に進めば相当な株価上昇が期待できるでしょう。

また、超長期的な目標として、売上高1兆円を達成すると出雲社長が発言しています。

仮にこれが達成されれば、株価100倍も夢ではありません。

管理人

各予想の詳細については記事後半から解説しています。前半ではユーグレナの株価推移や事業内容について書いていきます。

ユーグレナの株価推移

上場以来の株価推移

まずはユーグレナの株価推移について、上場以来の株価チャートで確認してみましょう。

ユーグレナの上場以来の株価推移

ユーグレナは2012年12月20日に東証マザーズに上場しました。

上場直後こそ人気化して3,000円を突破したものの、すぐに期待が剥落し、2013年中頃には1,000円台に下落。

2014年12月3日に東証1部に鞍替えしたことで再度2,000円台まで上昇しましたが、以降は緩やかな下落トレンドが続き、2018年頃に株価は1,000円未満となります。

2019年に入ってからは、世界的な脱炭素社会への流れから上昇トレンドに転換。

現在は1,000円前後で推移しています。

長期的に見ると、1,000円前後は安値水準のようです。

直近1年間の株価推移

直近1年間にクローズアップして見ると、下値を切り上げながら上下する理想的な上昇チャートです。

2022年9月は市場全体の落ち込みにつられて下落しましたが、その後は再上昇しています。

目先の焦点は、8月高値である1,060円をブレイクできるかどうかです。

さらに、1,300円を突破すると過去5年間の高値となり、上値が軽くなります。

ユーグレナの直近1年間の株価推移。良い形で上昇トレンドを描いている。

ユーグレナの事業内容

事業の軸「サステナビリティ(持続可能性)」

ユーグレナは「サステナビリティ(持続可能性)」を事業の軸としています。

キーワード「サステナビリティ」

主に、社会が将来にわたって持続的に成長・発展していくために、環境負荷の削減とともに、企業活動の経済的側面や社会的側面など調和の取れた活動が不可欠であるという考え方をさす。

引用:野村証券用語解説「サステナビリティー(さすてなびりてぃー)

サステナビリティには様々な切り口がありますが、ユーグレナの場合は「環境」「健康」「貧困」です。

出雲充社長は学生時代から貧困問題に興味を持ち、東京大学在学中にミドリムシの可能性に気づいたことがユーグレナ創業のきっかけです。

豊富な栄養素を持つミドリムシを大量培養することで飢餓を解決できると考えました。

その後、研究が進んだことでミドリムシから油を取り出すことに成功し、二酸化炭素の収支がゼロになる”バイオ燃料”の開発に着手。

2019年4月にディーゼル燃料を完成させ、さらに2021年3月にジェット燃料を完成させました。

飢餓問題を解決する栄養食品、環境を破壊しないバイオ燃料という2つの事業を展開し、企業の軸としてサステナビリティを掲げています。

3つの事業領域

ユーグレナの事業は以下3つの領域に分類されます。

ユーグレナの3つの事業領域
  1. ヘルスケア領域:健康食品・ビューティーケア商品の製造・販売
  2. 先端投資領域:バイオ燃料の研究開発、個人向けに遺伝子検査キットの販売
  3. ソーシャル領域:栄養・貧困問題への取り組み

これらの事業全体の売上高は133億円、純利益は-14.86億円の赤字です(2020年9月期)。

2016年度までは黒字体質を維持していましたが、2017年度からはバイオ燃料事業の研究開発が本格化し、多額の資金を投じたことで赤字となっています。

ユーグレナの事業は3つの領域から成り、それぞれSDGsの目標と対応している。

唯一黒字の屋台骨「ヘルスケア領域」

ヘルスケア事業ではミドリムシを使用した健康食品が主力商品です。

栄養豊富な石垣島ユーグレナを手軽に摂取する「からだにユーグレナ」シリーズや、ミドリムシ成分を配合した化粧品「one」シリーズなどがあります。

3つの事業領域のうち、唯一黒字なのがこのヘルスケア領域です。

売上高は133億円、純利益は1億1,530万円で、ここで生み出したキャッシュを他事業の投資に充てることで経営が成り立っています。

ヘルスケア領域で稼いだキャッシュを他領域に投資し、さらなる成長に向けて準備を進めている。

他事業が赤字であるため、ヘルスケア領域でしっかり稼ぐことが重要となっています。

巨大産業化の可能性を秘める「先端投資領域」

先端投資領域ではバイオ燃料の開発を行っており、ユーグレナにとって最も飛躍の可能性がある事業です。

開発しているバイオ燃料は、自動車向けのバイオディーゼル燃料(軽油)と、航空機向けのバイオジェット燃料です。

バイオディーゼル燃料は既に実用段階に達しており、神奈川県川崎市の臨港バスで利用が開始されています。

バイオジェット燃料は2021年3月15日に供給体制が整い、いよいよ供給が開始されました。

2021年6月には政府機関の航空機で初フライトを果たし、今後の民間利用にも期待が高まっています。

画像:「ユーグレナバイオジェット燃料が完成、 年内の供給開始・フライト実現へ」より抜粋

バイオジェット燃料の需要は2030年に4兆円、2050年には19兆円に達すると予想されており、競争力のあるジェット燃料を開発できれば、ユーグレナは大きな飛躍を遂げることができます。

参考:新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代バイオ燃料分野の技術戦略策定に向けて

しかし、現時点での売上高は1,562万円、純利益においては研究開発費が嵩み-9億8,609万円の赤字となり、経営的に大きな負担です。

ユーグレナの思想を体現する「ソーシャル領域」

ソーシャル領域は、現時点では慈善事業の色が強いものの、ユーグレナの思想を体現している重要な事業と位置付けられています。

主な活動は「ユーグレナGENKIプログラム」と「グラミンユーグレナ」の2つです。

ソーシャル領域の主な活動
  1. ユーグレナGENKIプログラム・・・バングラデシュの子どもたちの栄養問題解決を目指し、ユーグレナクッキーの無償配布を実施。
  2. グラミンユーグレナ・・・高品質な緑豆の栽培ノウハウを農民に直接指導し、市場価格を上回る価格で購入して日本に輸出する。

ユーグレナGENKIプログラム

ユーグレナ創業のきっかけである貧困問題への解決策として、ミドリムシ入りクッキーをバングラデシュの子供たちに配布する活動です。

ミドリムシ入りクッキーは栄養価が高く、6枚(1袋)で子供1日分の栄養価があるとされています。1人につき1袋を、毎日(週5日)の給食として無償で配布しています。

ユーグレナ公式HP「ユーグレナGENKIプログラム」より抜粋

資金はユーグレナ社の売上高に比例して拠出し、さらに現地NGOなどから1袋あたり4円の支援を受けているそうです。

グラミンユーグレナ

グラミンユーグレナとは、ユーグレナ社と現地財団「グラミン農業財団」が50%ずつ出資して設立した現地合弁会社です。

現地農家へ農業技術のトレーニングを行い、収穫物を買い取って日本へ輸出する、というのがビジネスモデルです。

現地農家からは現地レート以上の価格で買い取ることとなっていて、良心的なビジネスモデルです。

国連からも活動を認められて補助金を獲得しています。

ソーシャル領域は決して儲かるビジネスでは無く、今後も大きな利益を上げるのは難しいでしょう。

しかし、ユーグレナの思想を体現した重要なビジネスであり、ヘルスケア商品のブランド価値を高める効果もあるため、今後も継続していく方針です。

株価上昇をもたらす3つの材料

材料① バイオ燃料事業の収益化

ユーグレナの株価上昇となる最大の材料は、バイオ燃料事業の収益化です。

現在、バイオ燃料事業は年間10億円近い赤字を出している状況で、経営を大きく圧迫しています。

ヘルスケア事業のEBITDAが+10億円ほどですので、それを全て食い尽くしてしまっている形です。

2025年の商業プラント完成まではノウハウ蓄積やサプライチェーン構築に専念し、赤字が続く見通し。

しかし、収益化に成功すれば大きな利益が期待できます。

気候変動リスクの高まりを背景に、バイオ燃料の需要は高まっていて、バイオジェット燃料の市場規模が2030年には4兆円、国内バイオマス発電の市場規模が1兆円に達する見通しとなっています。

わずかでも市場のパイを取れればユーグレナの売上は数十倍になるでしょう。

また、バイオ燃料事業は収益性が高く、フィンランドのバイオ燃料大手「Neste(ネステ)」の営業利益率は40%にも達します。

ユーグレナのバイオ燃料はまだ収益性に劣るものの、生産効率を高めれば相当な収益が期待できそうです。

フィンランドのバイオ燃料大手「Neste」は売上高5,000億円、営業利益率は40%にも上る。株式会社ユーグレナ 2020年9月期本決算説明資料より抜粋

材料② バイオディーゼル燃料の販売拡大

ユーグレナが製造したバイオディーゼル燃料は2019年4月に供給体制が整い、利用が開始されました。

現時点では川崎市の臨港バスなどごく一部の事業者に限られますが、今後、大量生産によって単価を抑えつつ供給量を増やすことで販売を拡大する見通しです。

2020年3~9月だけでも供給先を拡大し、さらに20社以上の供給先を見込む。

現在稼働している実証プラントの製造能力は125キロリットルですが、2025年には2,000倍の25万キロリットル、2030年までに100万キロリットルの量産体制を築く計画です。

また、価格については、2025年までに1リットル=100円を目指します。

これはガソリン価格とほぼ同水準です。

2025年までに計画通り進めば、単純計算で250億円(25万キロリットル×100円/リットル)の売上高となり、ユーグレナ全体の売上高は現在の3倍に達するでしょう。

実現すれば相当な株価上昇が予想されます。

材料③ ヘルスケア商品の拡大

こちらは1~2年の短期的な材料です。

ヘルスケア商品の売上高は2020年度1Qに大きく伸び、4,000億円の大台に迫りました。

新型コロナで健康食品の国内売上は好調で、ユーグレナもその追い風を受けています。

また、ネット広告を中心に広告を積極的に打ち、さらなる販売拡大を狙っています。

ヘルスケア事業の売上高推移。2019年度2Qに底打ちし、2020年度1Qは過去最高の売上高に迫った。

広告宣伝費の影響で純利益は伸びませんでしたが、少なくとも黒字転換は果たしました。

今後、2Q・3Qと純利益を伸ばすことが期待されます。

ヘルスケア事業の純利益推移。広告宣を積極的に打ったため2020年度1Qの純利益はそれほど伸びなかった。

ヘルスケア商品の純利益がユーグレナの純利益を左右するため、好調が続けば株価底上げにつながるでしょう。

ユーグレナの予想株価

2050年「売上高1兆円」達成が大目標

ユーグレナの出雲社長は、自身が現役のうちに売上高1兆円を達成する、という大目標を掲げています。

達成の確率はともかく、それが実現した場合の株価を予想してみたいと思います。

まず、売上高1兆円に対して営業利益率を40%とすれば、営業利益は4,000億円です。

法人税等を差し引いた純利益は3,000億円程度になるでしょう。

PER(株価収益率)30倍ぐらいまで許容されるとすれば、企業価値は9兆円(3,000億円×30倍)となり、現在の発行株数で割ると株価は約10万円にもなります。

株価10万円となる計算の流れ
  1. 売上高1兆円→営業利益率40%で、営業利益4,000億円
  2. 純利益は3,000億円程度になると仮定
  3. PER30倍として企業価値は3,000億円×30倍=9兆円
  4. 発行済株式数で割ると、株価は約10万円

これは現在の株価(約1,000円)の約100倍です。

出雲社長の現役を2050年まで(70歳)とすれば、30年で100倍のリターンという事になります。

売上高1兆円という仮定の下ではありますが、他の企業を見てみると、ファーストリテイリング(ユニクロ)やソフトバンクはこれに近い株価上昇を達成していて、不可能とは言い切れません。

管理人

ベンチャー企業は大風呂敷を広げるものですので、売上高1兆円→株価10万円というのは数字遊び程度に考えてもらえればと思います。

2025年 バイオ燃料黒字化で「株価3,300円以上」

もう少し現実的な話をしたいと思います。次に、5年後の株価を予想してみましょう。

5年後に期待されるのはバイオ燃料事業の黒字化です。

生産量を現在の125キロリットルから25万キロリットルに拡大し、さらに製造コストを抑えることで1リットル=100円程度の販売価格を実現して一気に収益化することが計画されています。

2025年までに製造能力を25万キロリットルまで拡大し、販売価格を100円程度まで低減させる計画を立てている。

参考:日本経済新聞「ユーグレナ、バイオ燃料事業を黒字化 25年9月期に

売上高としては250億円程度(25万キロリットル×100円/リットル)となるでしょう。

黒字化したばかりでは利益率は低いと思われますが、利益率5%でも10億円以上の利益となります。

これによって、株価は少なくとも上場来高値である3,300円は超えると予想しています。

PER(株価収益率)は100倍を超える水準となるものの、ひとたび黒字化すればさらなる利益増加が見込めるため、許容され得る水準だと考えています。

2030年 バイオ燃料黒字化拡大で「株価6,000円」

2030年には更なる増産体制を構築し、バイオ燃料100万KL/年を目指すとされています。

10年後の燃料価格がどうなるのか予想できませんが、変わらず100円/リットル の水準で販売できれば、売上高は1,000億円に達します。

大量生産による製造原価の低減で、営業利益300億円(営業利益率30%)は十分可能だと思われます。

減価償却等で純利益は200億円程度になったとしても、PER30倍を適用して株価は6,000円となります

株価水準は、利益率がどの程度になるか、PERが何倍まで許容されるかによって大きく変化するものの、順調に行けば相当な株価上昇になるのは確かでしょう。

管理人

バイオディーゼル燃料とバイオジェット燃料で価格が違いのでは?と思うかもしれませんが、どちらも100円/Lくらいの価格となっています。

しばらくは緩やかな上昇継続か

事業展開が順調に進めば大きな株価上昇が期待できる一方、バイオ燃料開発の成否については慎重な見方も多く、急激な上昇は難しそうです。

そもそも、ミドリムシによるバイオ燃料の大量生産は前例が無く、不透明感が拭えません。

大量生産によるコストメリットがどの程度出るのかも、やってみなければ分からない部分があります。

脱炭素という大テーマの銘柄ですので、期待と懸念で上下しつつ、徐々に株価が切り上がっていく展開を予想します。

25日移動平均線(赤色)は上昇に転じ、75日長期線(緑色)も上向き始め、長期的な上昇トレンドを形成しつつある。

まとめ

ミドリムシのベンチャー企業「ユーグレナ」について、事業内容や予想株価について紹介しました。

ベンチャー企業への投資はリスクが高い一方、当たれば数十倍~数百倍のリターンが期待できます。ユーグレナが挑戦する領域は社会的意義が高く、参入企業も少ないブルーオーシャンですので、株価100倍というシナリオも十分あり得るのではと思っています。

とは言え、ベンチャー企業が新領域で成功するまでには様々な障壁が想定されます。

実際の成功確率は数パーセントあるかないか、といったところだと思いますので、理念や目標に共感して応援できるかによって投資判断をするべきだと考えています。

個人的には、ミドリムシで世界を変えるという突飛な発想をここまで実現した行動力や信念に感銘し、100株だけですが投資しています。

投資する上で本記事が少しでも参考になれば幸いです。




1件のコメント

今回は大きく出ましたねwバイオ燃料には可能性がありますが、開発に成功することと、量産すること生産コストを下げることの間には大きな距離があり、そこまでするには永遠に研究開発が続くような気がしてならないです。今の株価はそういう高い不確実性を織り込んだものだと思います。宝くじと思って100株買うのはありかもですね。

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