キャンプブームで一時は人気化したスノーピークですが、2022年以降は株価の下落が目立ちます。
最高値では約4,500円だった株価は1年足らずで半値にまで落ち込んでしまいました。
なぜ、スノーピークの株価はここまで急落してしまったのでしょうか。
本記事では、株価下落の要因となった3つの理由を解説します。
株価の状況
1年足らずで半値に下落
まず、スノーピークの株価水準を確認してみましょう。
スノーピークの株価は2021年11月に最高値をつけて以降、下落傾向にあります。
2021年11月の最高値は4,490円でしたが、現在(2022年9月時点)は2,200円前後です。
つまり、1年足らずで半値以下に下落してしまったことになります。

2,000円が下落目処
ただし、2,000円からさらに下げる可能性は低そうです。
というのも、2022年1月と5月の急落タイミングではいずれも2,000円を起点に反発しています。
2,000円あたりでは買いが強くなり、上昇に転じる傾向があるようです。
したがって、2,000円からさらに急落する可能性は薄いと考えてよいでしょう。
ただ、2,000円が下落目処というのはあくまでテクニカル的な考え方です。
業績が悪化すれば、2,000円からさらに下落する可能性があります。
急落後の株価でも高すぎる?
では、現在株価は割安なのか、あるいは割高なのでしょうか。
代表的な株価指標であるPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)を確認してみましょう。
スノーピークは小売り銘柄に分類されますので、PERは20~25倍が目安です。
そのため、33.6倍というPERは30%ほど割高だと言えるでしょう。
また、PBRも5倍超えは割高です。
確かに、売上は高い成長率を記録していますが、直近の利益成長は横ばいとなっています。
その状況を踏まえると、PBRは高くても4倍が限度でしょう。
以上から、急落後の株価でも依然として高すぎると考えられます。
業績の推移
売上はわずか2年で倍増

次に、業績の推移を確認してみましょう。
スノーピークの売上は2020年以降で急激に伸びています。
これは、新型コロナによりキャンプブームが加速したことが理由です。
新型コロナでレジャーの選択肢が限定されてしまい、キャンプは数少ないレジャーの選択肢となりました。
新たにキャンプを始める人が増えたことで、テントなどの高単価品が多く売れ、売上増に貢献したようです。
また、他にお金を使う先がないため、スノーピークのような高価格帯の商品が選好されました。
結果、スノーピークの売上はわずか2年で倍増するに至っています。
一方、利益は伸び悩み
売上が急増する一方、2022年12月期の利益は減少する見通しです。
これは、新型コロナによる行動制限がなくなった事や、資材高騰、急激な円安が原因です。
また、商品の競争力を維持するため、値上げを行っていない事も背景にあります。
年初時点では増益を見込んでいましたが、2022年8月12日に業績予想を下方修正し、減益予想に転落しました。
そのため、株価は8月12日を境に下落トレンド入りしています。
スノーピークの株価が下落した理由
理由① キャンプ需要が減少
2022年の夏は3年ぶりの行動制限無しとなり、レジャー需要がキャンプから分散してしまいました。
それにより、スノーピークの売上成長が鈍化しています。
特に、高単価の新規キャンパー向け商品が売れなくなったのが痛手です。
高価格帯の商品が売れなくなったことで、顧客単価が下がってしまいました。
業績の異変を察知した投資家が売り手に回り、株価は短期間で20%ほど下落しています。

理由② 円安で7億円の減益
円安が進んだことも株価の下落要因です。
もともと、スノーピークは1ドル115円を前提に業績見通しを発表していました。
ところが、2022年3月以降に円安が急激に進んでしまいます。
2022年9月時点で1ドル140円を超え、従来の見通しから20%以上の円安進行です。

その結果、スノーピークは業績見通しを下方修正せざるを得なくなり、株価下落につながってしまいました。
円安による営業利益の修正幅は-7億円と公表されています。
理由③ 資材高騰で6億円の減益
さらに、製品を作るための資材費が高騰し、ー6億円の減益要因となりました。
キャンプ用品で使用される金属はアルミニウム、鉄、チタンなどですが、これらの価格は2020年以降で急騰しています。
そのため、製品の原価が上がり、利益が出にくい状況に陥っています。
参考までに、各金属の価格推移のグラフを引用してきました。



今後の見通し
キャンプ需要停滞で株価2,000円割れ
今後の懸念は、キャンプ人気が一過性のもので終わってしまうことです。
2022年の夏は行動制限が無くなったことでキャンプ人気の勢いが衰えました。
これまで行けなかったレジャーに人が集まれば、キャンプの需要が減るのは自然なことです。
今後もその傾向が続けば、スノーピークの成長は頭打ちになるかもしれません。
そうなれば、株価は2,000円を下回って下値を探る展開になるでしょう。
為替による利益マイナスは続く
為替については、数年単位で円安が続く見通しです。
日本は金融緩和路線を変更する予定はない一方、他の主要国は金融引き締めに動いており、金利差から円安になるのは必然です。
したがって、スノーピークはしばらく円安に苦しめられる可能性が高いでしょう。
資材価格は下落気味
資材価格の高騰については、落ち着きの兆しが見えています。
世界的な景気後退の可能性が強まっており、景気後退となれば資材の需要は減少することになるためです。
資材価格が下落すれば、スノーピークの利益率は高まることになるでしょう。
ただし、景気が悪化すれば高価格帯の製品は買われにくくなるため、スノーピークにとってまた別の問題が発生します。
景気が悪化さず、かつ資材価格が落ち着くのがベストですが、可能性は薄そうです。
まとめ
スノーピークの株価が下落した3つの理由について解説しました。
2022年以降は高成長企業に逆風が吹いており、キャンプ関連で急成長するスノーピークもその煽りを受けて下落してしまいました。
スノーピークの場合、キャンプ人気がどこまで伸びるかが重要な要素ですが、それは非常に読みにくいテーマです。
そのため、株価は懸念先行で下落しているという一面があります。
しかし、2022年後半以降もキャンプ人気の継続が確認できれば、株価が持ち直すことが期待できます。
以前よりは割安になってきているので、スノーピークの株を保有しておきたいという人にとってはチャンスのタイミングと言えるでしょう。