auPAYキャンペーンが「大失敗」した3つの理由と、KDDIにはびこる「大企業病」

auPAY10億円キャンペーンが失敗した3つの理由




auPAYの「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」が大失敗の様相です。

最大15万円の買い物まで20%還元と太っ腹なキャンペーン内容が注目を集めたものの、いざキャンペーンが開始されてみると、転売屋が切手やSIMフリーiPhoneに殺到し、一般ユーザーにはほとんど恩恵が無いという状況になってしまっています。

しかも、その対策として変更した内容も既存ユーザーをないがしろにするもので、結局70億円をかけて信頼を失うという大失敗で終わってしまいそうです。

今回は、auPAYキャンペーンが「大失敗」した3つの理由をご紹介します。

auPAY 20%還元キャンペーンの活用方法と儲ける裏技を徹底解説します。

失敗①:還元額の上限を設けなかった

auPAYキャンペーンが大失敗した最大の要因は、還元額の上限を設定しなかったことだと言えるでしょう。

最大15万円までの商品が還元対象になってしまい、SIMフリーiPhoneなど転売しやすい高額商品が転売屋のターゲットにされてしまいました。

おそらく、キャンペーン内容を決めたチームはどのような商品が転売されやすいのか知らなかったのでしょう。PayPayの100億円キャンペーンでも転売は話題になったので、そこから教訓を得ておくべきでした。

SNSではキャンペーン前から今回の騒動を予見するツイートもあり、情報収拾を怠らなければ十分に対策することができたはずです。

失敗②:複数ID(複アカ)を事実上許容している

auPAYは複数アカウントを登録することができ、1人で多額の転売が可能となっています。

通常は1人7万円が上限ですが、1人で複数アカウントを作ることが可能な仕組みであり、労力をかければいくらでも転売することが可能です。

方法は単純で、auPAYに新規登録するにはSMS認証が必要ですが、SMS認証可の格安SIMカードを契約し、その電話番号でSMS認証を突破すれば良いのです。格安SIMを維持するのにもお金がかかりますが、それ以上に転売で利益が出てしまうのです。

nuroモバイルの「0SIM」では月額150円でSMSプラン付きSIMカードを契約できた(2/17で廃止)

そこまでやるか…と思ってしまいますが、事実、10億円の還元枠がたった一日で消化されてしまうほどでしたので、転売屋が大量の複アカを作成して大量買いしたことは明らか。転売屋の熱意というのは凄まじいものです。

どの決済アプリも複数アカウントは禁じていますが、auPAYについては利用規約に記載しておらず、公式アナウンスでも触れていないことから、事実上許容してしまっているのも複数アカウントによる転売を助長しています。

どこまで可能かどうかはともかく、最低限「複数アカウントには還元されない」というアナウンスをすることで、転売ユーザーに対してリスクを感じさせることが必要でした。

失敗③:後出しで内容を改変した

転売対策のために後出しで内容を改変したのもまずい対応です。

第1週の後に、切手の転売対策として郵便局での利用が還元対象外となりました。切手を買おうと思っていた正規ユーザーは少なく、これについて批判は少なかったです。

しかし、第2週の後の「1日の還元上限を6000ポイントとする」という改変には大批判が巻き起こっています(下記ツイートのリプライが大荒れです)。

なぜ批判が起こっているかと言うと、第1週、第2週のキャンペーン初日は平日で、ほぼ転売屋しかキャンペーンを利用していない状況だったのです。

初日が祝日である第3週に大きな買い物をしようと考えていたユーザーが多かったのですが、そこで還元上限6000ポイントという改悪が発表されたことで、「転売屋にだけ儲けさせて、正規ユーザーをないがしろにするのか」という批判がSNSに溢れています。

正規ユーザー目線に欠けたキャンペーン内容改変だと言わざるを得ないでしょう。

既存ユーザーの信頼を失ったauPAYキャンペーン

70億円を投じたauPAYのキャンペーンでしたが、残念ながら顧客であるauユーザーの信頼を失う結果となりそうです。

auPAYキャンペーンはauユーザーが優遇されず、しかもキャンペーン開催を理由にauユーザー優遇策である「三太郎の日」が中止されました。

その上、転売屋にだけ儲けさせてauユーザーへの還元が一切無いとなると、既存auユーザーの信頼を失うことは必至です。

このままだと70億円を投じて既存ユーザーの信頼を失うという、残念なキャンペーンで終わりそうですね。

KDDIの深刻な大企業病

今回のauPAYのキャンペーンの失敗は、KDDIの”大企業病”が引き起こしたものだと思います。

”大企業病”の症状としては次のものが挙げられます。

  • ・視野が狭い
  • ・現状維持の事なかれ主義
  • ・形式的で意思決定が遅い
  • ・ユーザー目線に欠けている

キャンペーンが始める前から、キャンペーンを利用した転売はSNSを中心に広く知れ渡っていました。

SNSのリアルな声に目を向け、事前に対策を立てておけば、今回のような大きな問題にはならなかったでしょう。

また、やろうと思えばPayPayのように過去決済分をキャンペーン適用外とすることも可能なはずですが、それをやろうとしないのは、現状維持の事なかれ主義、そして形式的で意思決定が遅いという大企業病の特徴に当てはまります。

そして決定的なのは、ユーザー目線に欠けたキャンペーン内容改変です。既存ユーザー軽視の姿勢が明白になり、信頼を失うことにつながりました。

まとめ

70億円を投じ、auPAY拡大のきっかけを目指したキャンペーンでしたが、内容や対応の不備によりその目的は不達成になりそうです。

SNS界隈では転売の危険性を理解している人も多かったように見えますが、残念ながらKDDIの中にはそのような人材がいなかった、あるいは意思決定する人間に転売に関する知識が欠けていたようです。

今回の失敗を糧に、次はより良いキャンペーンを開催してくれると良いですね。

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