武田薬品に5年間投資して得られる利益はいくら?配当予想と株価予想から考察

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損をしにくく、かつ利益が得られる銘柄は投資対象として魅力的ですが、武田薬品はそんな銘柄の1つだと考えています。

私は2020年9月に3,979円で100株を購入しましたが、現在は−1万6,300円の含み損です。

しかし、これまでに3万6,000円の配当を受け取りましたので、実際には約2万円の利益になっています。

私の実例のように、武田薬品は配当が高く、多少株価が下落しても配当で利益を得られるというメリットがあります。

これから武田薬品に投資する場合に気になるのが、武田薬品に投資して得られる利益はいくらになるか、という点でしょう。

私自身、今後の利益見込みを考えながら保有しているため、本記事ではその予想を書いていこうと思います。

結論:5年後の利益予想は9〜13万円

まず、本記事の結論から紹介します。

今後5年間の配当利益・株価損益を予想した結果、100株保有による5年後の利益は9〜13万円と予想しました。

では、内訳を見ていきましょう。

配当は年間180円が続く可能性が高いため、5年間の配当利益は9万円(180円×100株×5年)となります。

次に、株価変動による利益です。

5年後の株価は4,275円を予想しましたので、現在株価(3,816円、2022年8月19日)で投資した場合、+4万円くらいの利益が取れそうです。

ただし、業績によっては株価が期待ほど上がらない可能性もあるため、悪いケースとして株価の変動利益は0円と予想しました。

したがって、5年後の利益として9〜13万円という予想になりました。

管理人

以上で紹介した結論の根拠を、次の項目から説明していきます。

「特許の崖」による業績悪化を回避

売上8,000億円が消える可能性

武田薬品の稼ぎ頭は「エンティビオ」という腫瘍性大腸炎治療薬です。

ピーク時の売上高は8,000億円を超えると予想され、全売上の2〜3割を占める薬品になるでしょう。

しかし、エンティビオの特許は2026年に切れる予定です。

そのため、2026年以降は後発医薬品が登場し、売上が大きく減少する見通しでした。

このように、特許切れで売上が大きく減少することを「特許の崖」と呼びます。

懸念が後退

ところが、2022年1月に見通しが変更されました。

理由は、エンティビオの後発医薬品を開発する企業が登場しなかったためです。

医薬品の治験は3〜4年かかる上、後発医薬品を発売するための法的手続きに3〜5年かかる場合があります。

そのため、2026年以降、すぐに後発医薬品が登場する可能性がほぼなくなりました。

最大2032年まで特許が有効

2026年に切れる特許は「物質特許」と呼ばれるものです。

一方、製法特許については最大2032年まで有効のようです。

そのため、武田薬品CEOは、後発医薬品が登場するのは2032年以降と予想しています。

そこまで後発医薬品が出てこないなら、エンティビオは今後10年間に渡って数千億円の売上げを維持することになるでしょう。

以上のことから、2026年以降の武田薬品の業績予想が大幅に上向き、株価の強力な追い風になっています。

デング熱ワクチンを世界販売

世界30カ国で2,100億円を売上見込み

8月にはデング熱ワクチンを世界販売するという好材料も発表されました。

発表の内容は、デング熱ワクチンを世界30カ国で販売し、年2,100億円程度の売上高を目指す、というものです。

デング熱とは?

蚊が媒介する感染症で、急激な発熱をはじめ、発疹・頭痛・骨関節痛・嘔気・嘔吐などの症状が出る。年3.9億人が感染し、約2万人が死亡している。

武田薬品のデング熱ワクチンは開発コードで「TAK-003」と呼ばれます。

TAK-003は4歳以上の子供にも使用できますが、既存ワクチン(仏サノフィ製)は9歳以上にしか使用できません。

そのため、TAK-003がシェアを奪える可能性は高いでしょう。

ジカ熱ワクチンも開発中

さらに、ジカ熱のワクチンも臨床試験を進めています。

まだ臨床試験は初期段階ですが、開発に成功すれば、デング熱ワクチン同様に世界販売が狙えるでしょう。

そうなれば、長期的な売上を見込むことができ、大きな好材料として見られるはずです。

今後の治験結果の発表に期待したいですね。

2026年までの業績予想

業績は堅調の見通し

武田薬品の業績は2026年まで堅調の見通しです。

以下、JPモルガンのレポートから2025年までの業績予想を引用しました。

データ引用:JPモルガン
決算期売上高営業利益
2022/33兆5690億円1兆1068億円
2023/33兆8948億円1兆1825億円
2024/33兆6280億円1兆824億円
2025/33兆3442億円9995億円
2026/33兆2973億円9791億円

売上・営業利益ともに減少傾向なのは気になります。

しかし、ある程度の業績悪化は数年前から予想されており、株価に織込み済みです。

むしろ、エンティビオが延命したことにより上方修正されたことを評価するべきでしょう。

1株利益と配当予想

1株あたりの指標を見てみましょう。

武田薬品は一時損益を除いた「コア営業利益」を公開しています。

そこから、1株換算にしたコアEPSを表にまとめました。

また、1株配当の見通しも記載してます。

決算期コアEPS1株配当
2022/3425円180円
2023/3545円180円
2024/3464円180円
2025/3396円180円
2026/3386円180円

これによると、2022/3→2026/3でコアEPSは10%ほど減少してしまいます。

しかし、1株配当は十分にカバーしているので、減配となる可能性は低そうです。

ある程度の業績悪化は株価に織込まれており、コアEPSの減少が新たな売り材料になることは無いでしょう。

株価は上昇を予想

エンティビオの”特許の崖”回避を好感

今後の株価予想ですが、基本的に上昇を予想しています。

まず、エンティビオの”特許の崖”を回避できそうなことが好材料です。

特許の崖を回避することで、2026年以降の売上予想が大幅に上方修正されます。

具体的にどれほどの上方修正になるのかは武田薬品からの発表を待ちたいですが、年間売上が数千億円規模で押し上げられるはずです。

一方、特許の崖を見越して株価は下落してきました。

したがって、株価下落の揺れ戻しが期待できるそうです。

ディフェンシブ銘柄が人気化予想

また、ディフェンシブ銘柄に注目が集まっているのもプラスに働くでしょう。

というのも、欧州・米国・中国と、世界の主要国が景気後退に陥る可能性が高まっていて、景気に左右されにくい銘柄に資金が集まっています。

医薬品株はディフェンシブ銘柄の代表格です。

そのため、国内トップの製薬企業である武田薬品も人気化すると予想されます。

証券会社の目標株価

武田薬品に対する評価を確認するため、証券会社の目標株価を見てみましょう。

最も強気スタンスなのは米シティグループです。

目標株価として6,200円を掲げており、現在株価(3,816円)から1.5倍以上の株価上昇を予想しています。

一方、最も弱気なのは米ゴールドマンサックスです。

目標株価は3,750円で、現在の株価水準から若干の下落を予想しています。

他にも複数の証券会社から目標株価が出ており、それらを平均は4,468円です。

以上から、3,800円台は買い時としては悪くないタイミングと言えそうです。

5年間で得られる配当利益

武田薬品に投資して得られる配当利益はいくらになるでしょうか。

武田薬品は今後の配当方針として次のように記載しています。

1株当たりの配当金は、中間配当金および期末配当金それぞれ90円ずつの年間180円とすることで株主へ還元致します。また、資本効率の向上と株主還元の拡充のため、自己株式の取得についても適切な場合に取り組みます。

引用:武田薬品「配当および株主還元

配当額は年間180円で決め打ちです。

業績予想からも、年間180円の配当は無理のない水準で、減配の可能性は低そうです。

したがって、今後5年間で得られる配当額は100株あたり9万円(180円×100株×5年)となる見込みです。

5年後の株価予想

2026年3月期の業績予想から、5年後の株価を予想してみましょう。

まず、2026年3月期の業績予想を掲載します。

2026/3 業績予想(1株あたり)
1株利益(EPS)171円
コアEPS386円
1株あたり純資産(BPS)3,675円
1株配当180円

EPSをベースに株価を予想してみましょう。

予想株価は【予想EPS×予想PER】で計算できますが、過去の株価推移などから、PERとしては25倍が適切と思われます。

したがって、予想株価は171円×25倍=4,275円となります。

株価4,275円の場合、PBRは1.16倍、配当利回りは4.2%です。

これらの指標からも、予想株価4,275円は妥当か、あるいは若干割安です。

今後、株価の見直しが進むことで株価上昇が期待できそうです。

まとめ

武田薬品に投資して得られる利益について考察しました。

年間配当180円が確約されているため、武田薬品は非常に手堅い投資先です。

なぜなら、多少株価が下落しても、その損失を配当でカバーできるため、損失の可能性が低いためです。

また、武田薬品の株価は過去5年ほどで大きく下落しています。

そのため、今後さらに株価が下落する可能性は低いと考えています。

本記事の結論としては、5年間の配当利益として9万円は確約、株価変動利益は最悪横ばいで+0円、順当に上昇すれば+4万円程度を予想し、合算した5年後の利益は9〜13万円を予想しました。