Googleがpring買収、メタップスの株価はどこまで上がる?売却利益から考える株価予想




Googleがスマホ決済アプリ「pring」を買収するという報道を受け、大株主であるメタップスが一躍注目されています。

pringはメタップスとみずほ銀行が出資してスタートした会社で、メタップスが45%の株を握ります。Googleによる買収額は200〜300億円と伝えられていますが、その45%がメタップスの懐に入るとなれば、時価総額150億円程度の同社にとって超ビッグニュースです。

額によってはメタップスがもう一つ作れてしまうくらいの収益規模となるでしょう。

本記事では、pring売却によってメタップスが得られる収益を考察した上で、その収益規模から妥当な株価を予想していきます。

管理人

当ブログは2017年のpring準備会社設立時から追ってきて、pring開催のイベントにも参加してきました。Googleの手に渡ってしまうのは残念な気持ちもありますが、メタップス株主としてこの案件を冷静に考察したいと思います。

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pring売却でメタップスが得る利益

pringの評価額は「43億円」

pringの売却でメタップスが得る利益を知るために、まずはpringの評価額を振り返っておきましょう。

評価額を調べる手がかりになるのが、2018年11月の第三者割当増資です。日本瓦斯、SBIインベストメント、伊藤忠商事などに新株を発行し、12.8億円を調達しました。

この増資によってpringの時価総額が計算でき、2018年11月時点での評価額が約43億円であることが明らかになっています。

pringの2018年11月時点の評価額は43億円だった。
画像:スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」より抜粋

売却額は最大300億円

日本経済新聞の報道では、売却額が200億~300億円になると記載されています。

GoogleはApplePayへの対抗で決算事業への参入を急いでいるという事情があり、早期に買収するために多額のプレミアムを乗せると思われます。

Googleは100%株式取得を目指しているようですが、pringにはベンチャーキャピタルを始め多数の株主が存在しているため、全株主が納得するような金額を提示する必要があるでしょう。

本記事では、報道の上限である300億円を買収額として考えていきます。

メタップスの取り分は売却額の45%

メタップスのpringへの出資比率はおよそ45%です。

したがって、売却額が300億円となった場合、メタップスの取り分は135億円となります。

135億円はキャッシュインですが、利益としてはおよそ20億円(43億円の45%)を差し引いた115億円となります。

収益寄与はおよそ100億円と推定

以上から、pring売却によるメタップスの収益規模は100億円になると推定されます。

メタップスの株主資本が100億円増加するということになりますが、果たして、これはどれだけのインパクトなのでしょうか?

メタップスはまだそれほど大きくないベンチャー企業。大企業の決算数字に慣れた人は、100億円程度か、と思うかもしれませんが、メタップスの場合は全く事情が変わります。

メタップスの株価への影響は?

自己資本60億円→160億円に急増

メタップスの最新の決算によると、メタップスの自己資本はおよそ60億円です。

有価証券を売却した場合、自己資本が増加することになり、1株あたりの価値(BPS)が高まります。

つまり、pring売却によって100億円の利益となった場合、自己資本が60億円から160億円に増加し、1株あたりの価値が約2.7倍となるのです。

株価2.7倍の「2,878円」も射程内

報道前のメタップスの株価は1,066円でした。

単純に2.7倍すると、株価は2,878円となります。自己資本の増加だけを見れば、相当な株価上昇を見込むことができそうです。

蛇足ですが、メタップスが上場した当時の公募価格は3,300円でした。希薄化を考慮するとおよそ2,500円という水準で、2,800円台まで上昇してもようやく公募価格に戻ったという程度です。

売却益を活用した成長路線を示せれば、2,878円という株価も正当化することができます。

次弾が無ければ急落の可能性も

とはいえ、pringの株式を売却してお終い、となれば株価は再び急落するでしょう。

ベンチャー企業への投資は、1株あたりの純資産よりも今後の成長力が何より重要です。成長に向けた次の一手が無ければ、株価の上昇は一時的になると予想されます。

個人的に期待しているのは、Googleとの繋がりが残る事です。1%でも出資比率を残せれば、Googleとメタップスが継続して繋がることとなり、今後に期待感が残ります。

売却資金の使い道は?

M&Aで有力企業を買収

メタップスは2017年の上場以降、怒涛のM&Aを行って企業規模を拡大させました。

最近は目立ったM&Aを行っておらず、むしろ事業売却による事業ポートフォリオを整理を行っていました。

pringの売却によってまとまった資金を手にすることで、再びM&Aによる成長を目指すことが期待されます。市場が好感するようなM&Aに成功すれば、株価にも好影響となるでしょう。

5年後にM&A等で20億円の営業利益を創出するとしているが、pringの売却資金を活用することでこの目標に大きく近づく。
画像:2021年12月期第1四半期 決算説明資料より抜粋

既存事業への成長投資

既存事業への成長投資を上乗せし、成長を加速させることが期待されます。

メタップスは毎月収入が発生する「ストック型ビジネス」に力を入れており、4つのサービスが順調に成長してきています。

画像:2021年12月期第1四半期 決算説明資料より抜粋

特に、会費ペイが著しい成長を見せています。会費ペイはフィットネスジムをはじめとした会員制ビジネスに対し、会員管理・決済システムを提供するアプリで、1年間で店舗数1.9倍、月間取扱高2.5倍のスピードで成長しています。

更なるマーケティング費用を投じることで成長の加速が期待できるでしょう。

まとめ

pringによってメタップスが得る収益を予想した上で、それによる株価への影響を考察しました。

目安としては報道前の株価から2.7倍の2,800円程度を予想しましたが、これは目安程度にしかならず、上がっていくにしても波乱の展開になると思われます。急騰したかと思えば急落、次の日にはまた急騰と、3〜4年前のメタップスの値動きが復活するかもしれません。

今後の注目点は、売却が実現するのか、実現するとしたらどのような条件か。そして、売却資金をどのように活用するのか、というところでしょう。

これからしばらく、メタップスの値動きに市場からの注目が集まることになりそうです。




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