【株投資】KDDI株の買い時は?100株投資で「+22万円の利益」という予想の根拠と、予想達成に必要な目標業績を考察




携帯キャリア2位としてauブランドを展開するKDDIですが、2025年までに「1株利益(EPS)1.5倍」という大きな目標を掲げていることをご存知でしょうか?

株式投資を行う上でEPSは非常に重要な指標であり、配当の原資となるためEPSが大きいほど利回りが向上すると同時に、株価の上昇を見込むことが可能です。

将来のEPSから逆算したKDDIの株価は4,000円以上。3,000円台前半の株価は買い時であると言えるでしょう。

本記事では、KDDIの掲げる「EPS1.5倍」を達成した場合に投資家が得られる利益と、その目標を達成するために必要な売上高や純利益、そして自社株買いなどを総合して検討していきます。

本記事で予想する利益はKDDIの業績予想から論理的に導き出しものですが、利益を保証するものではなく、投資を行う場合は自己責任でお願いします。
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2020年3月18日

KDDI 100株で+22万円の利益予想とその根拠

2019年公表「中期経営計画」の利益目標

KDDIの長期的な業績を予想する上で、2019年〜2022年の事業計画である「中期経営計画」が手がかりとなります。

それによると、通販・決済・金融の事業を展開を目指す「ライフデザイン領域」、事業者向けIT事業の展開を目指す「ビジネスセグメント」の2つを成長事業に据え、ライフデザイン領域の売上高を9,460億円(2019年度)から1.5兆円(2022年度)、ビジネスセグメントを8,864億円(2019年度)から1兆円(2022年度)まで拡大することを表明しています。

経営計画の最後には2025年度の目標利益にも言及し、1株あたりの利益(EPS)を1.5倍にすると記載されています。

中期経営計画の重要ポイント
  • ライフデザイン領域:9,460億円⇒1兆5,000億円に拡大(2023年まで)
  • ビズネスセグメント:8,864億円⇒1兆円に拡大(2023年まで)
  • 1株利益:266円⇒399円に拡大(2025年まで)

1株あたりの利益が大きくなれば配当額が大きくなり、それは株価が上昇する材料にもなるため、投資家は「配当+値上がり」という大きな利益を手にすることになります。

今回は2025年の1株利益(EPS)に着目し、現在のKDDIへの投資家が今後の5年間でどれだけの利益を得ることができるのかを具体的に予想しました。

2025年のEPSから逆算した株価

2019年度のEPSは266円でしたので、中期経営計画の目標に到達できれば2025年のEPSはおよそ400円です。

株価は【株価収益率(PER)×1株あたり利益(EPS)】で決まりますが、PERは業種や企業ごとにあるレンジに収まる傾向にあり、過去の値動きからKDDIの場合は10〜13倍であると言えます。

以上から、2025年のEPSが400円で、かつPERが10〜13倍の場合、株価は4,000円〜5,200円の範囲になると予想することができます。

次に2025年まで保有した場合の想定利益を計算しますが、上記の中間であるPER11.5倍、株価4,600円を前提とします。

2025年まで保有した場合の「配当利益」

本記事執筆時点の株価水準である3,100円でKDDIを100株購入し、2025年まで保有した場合の利益について計算します。

まずは配当益。

2020年度の配当が120円となっていますので、これをベースに配当利益を計算しましょう。計算に含める配当は2021年度~2025年度の5年分とします。

KDDIは毎年配当を引き上げる「累進配当」を掲げており、ここ数年間は年に5円ずつ増配を続けています。

さらに、EPSに対する配当の割合(配当性向)は40%超とする方針ですので、2025年度の配当は160円(EPS400円の40%)と仮定して良いでしょう。

その前提で2025年度までの累進配当を予想すると次のようになります。

  • 2021年度:125円
  • 2022年度:130円
  • 2023年度:140円
  • 2024年度:150円
  • 2025年度:160円

これらを合計すると、2025年までの配当額は7万500円となります。

投資額しては31万円ですので、5年間で受け取ることができる利回りは約23%と十分です。

2025年まで保有した場合の「値上がり益」

また、目標通りの業績拡大・増配が実現すれば相応の株価上昇が期待できます。

上ではEPS400円、PER11.5倍を条件に株価4,600円を予想しましたが、現在の株価はおよそ3,100円ですので、値上がり益だけで15万円を見込むことができます。

業績に勢いがつけば瞬間風速でPER15倍、株価6,000円も決してあり得ない数字ではありません。

配当利益+値上がり益合計で22.5万円

以上の利益をまとめると22.5万円となり、5年間での想定利回りは+73%と素晴らしい運用成績です。

計算には入れませんでしたが、KDDIは株主優待も行っており、100株保有の場合は年間3,000円分カタログギフトが進呈され、5年間で1.5万円相当となります。

無論、この想定利益は可能性の一つでしかなく、これを下回る可能性も上回る可能性もありますし、株式投資において他人の予想を盲信することは禁物です。

しかし、予想の根拠とセットで理解しておくことで、予想から下振れる場合の兆候を察知できますし、逆に上振れる可能性を考えることもできます。

今回の場合の根拠は、中期経営計画の「EPS1.5倍」と、次に紹介する売上高・純利益の増加ロードマップです。

それでは次に、ここまでの予想の土台である中期経営計画の「EPS400円」が達成可能であるかどうか、中期経営計画の発表から1年となる2020年度決算での進捗を確認してみましょう。

予想達成までの進捗を決算から確認

1株利益(EPS)400円に向けたロードマップ

決算を見ていく前に、EPS400円に向けたロードマップを考えてみましょう。

2019年度から2025年度まで単純に上がっていくと仮定した単純な計算ですが、EPS1.5倍(=400円)達成できるかどうかを確認する目安にすることができます。

年度売上高純利益自社株買いEPS
2020年度5兆3,200億円6,400億円1,000億円288円
2021年度5兆5,600億円6,700億円1,000億円311円
2022年度5兆8,100億円7,000億円1,000億円333円
2023年度6兆500億円7,300億円1,000億円355円
2024年度6兆2,900億円7,600億円1,000億円377円
2025年度6兆5,300億円7,800億円1,000億円399円

毎年1,000億円の自社株買いが行われた上で、2025年に売上高6兆5,300億円、純利益7,800億円を達成していればEPSは400円に到達します。

そこに至るまでの2020年〜2024年までは比例関係から簡単に計算した数値です。

あくまで目安のロードマップですが、この目安より上なのか下なのかによって利益予想達成の可能性を検討することができるでしょう。

詳しい計算条件
・6年間で6,000億円の自社株買いを平均3,500円で実行し、発行済株式の7%を償却
・1,000億円の経費削減で純利益増加(中期経営計画に記載)
・純利益率12%で、必要な純利益から売上高を逆算

2020年度決算の主要数値

ロードマップを確認したところで、1年目の成績である2020年度通期決算でどの程度達成できているかを見てみましょう。

2020年度決算の主要数値
  • 売上高 :5兆2,372億円(+3.1%)
  • 純利益 :6,397億円(+3.6%)
  • 1株利益:276円(+6.4%)

2020年度決算は第4四半期にコロナショックの影響を受けたことや、スマホの割引販売に規制がかかったことで成長にブレーキがかかりました。

ロードマップと比較すると成長不足は否めません。

とは言え、KDDIの業績予想(売上高5兆2,000億円、営業利益1兆200億円)よりは高い着地となったことや、新型コロナが改善に向かった場合の上振れ余地を考えると良決算だったと言えます。

特に成長性の高い「ライフデザイン領域」「ビジネスセグメント」が営業利益を押し上げ、今後のさらなる成長に期待ができます。

2020年度決算では二つの事業が大きく成長していることが確認できた

2021年度の業績予想

2021年度は新型コロナの影響が色濃く残るとの想定から、売上高・営業利益ともに2020年度と同水準が予想されています。

2021年度の業績予想
  • 売上高 :5兆2,500億円
  • 純利益 :6,400億円
  • 1株利益:278円

EPS400円に向けた試算では2021年度は純利益6,700億円、EPS 311円となっていますので、この業績予想はネガティブな印象です。

しかし、新型コロナによる業績下押しが大きな要因と考えられ、経済が回復するタイミングで業績がギャップアップすると予想できます。

時期は未定ですが自社株買いを行うことも表明しており今後のプラス材料です。

また、5G通信基地設置のための投資が先行して収益を押し下げている一方、5G普及後に収益寄与が始まれば利益が大きく伸びる可能性を秘めています。

利益目標達成は若干ネガティブ

2021年度業績予想を見る限り、EPS1.5倍という目標達成の可能性は若干ネガティブな印象があります。

新型コロナという業績下押し要因が発生してしまったことが要因で、長期化すれば2021年だけでなく2022年度まで業績停滞することが想定され、停滞すればするほど目標達成は難しくなります。

とは言え、2020年度は目標通り着地したこともあり、現状ではそこまで悲観する必要はないと考えています。また、EPS400円とは行かずとも300円を超えるなら現在の株価(約3,100円)は割安と言えるでしょう。

2021年度が業績予想通りほぼ無成長の着地になるのか、あるいは予想以上の業績となるかが今後の注目材料です。

今後、四半期決算毎に本記事をアップデートし、予想達成の可能性を引き続き検討していきます。

1株利益400円達成に向けた注目材料

最後に、KDDIに投資する上で着目すべき材料をまとめました。

自社株買い

自社株買いを行うことで発行株数を減らし、1株利益が高まります。直近では1,500億円の自社株買いが行われる見込みですが、まだ発表には至っていません。

本記事では年間1,000億円の自社株買いを前提として試算しましたが、これより上回るか下回るかが投資判断の一つの目安として考えています。

新型コロナの影響

本記事では詳しく解説しませんでしたが、新型コロナはKDDIの業績にネガティブな影響を与えます。

具体的には、ショップ運営自粛による端末販売減少、海外渡航制限による海外通信サービスの利用減少、イーオン・Reluxなど教育・宿泊ビジネスの売り上げ減少などです。

新型コロナが収束に向かうかどうかはKDDIに投資する上で重要な指標となるでしょう。

楽天スマホの台頭

楽天スマホはドコモ・KDDI・ソフトバンクに続く「第4のキャリア」としてスタートを切りましたが、KDDIの通信設備を借りて運営しているというのが実態であり、1Gの通信毎におよそ500円がKDDIの収益となります。

したがって、楽天スマホの普及は短期的(2,3年)にはKDDIの業績にプラスに働きます。

一方、楽天自前の通信設備が拡充された以降はライバルとして脅威になる可能性もあり、楽天スマホの動向はKDDIに投資した場合は注視するべきでしょう。




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