KDDI株の買い時は?100株投資で「+22万円の利益」という予想の根拠と、予想達成に必要な目標業績を考察




2021年5月24日:公開

2021年11月2日:最新情報を反映

2022年6月12日:最新情報を反映

携帯キャリア2位としてauブランドを展開するKDDIですが、2025年までに「1株利益(EPS)1.5倍」という大目標を掲げています。

株式投資を行う上でEPSは重要な指標です。

EPSが1.5倍となれば、理論的には株価も1.5倍となりますので、長期保有によって大きな値上がり益を狙うことができそうです。

2025年にEPS1.5倍を達成した場合、KDDIの株価は6,000円超えも想定されます。

配当利益も2021~2025年の5年間で7万円以上になりそうですので、早いタイミングで買っておくほど、より多くの利益を得ることができるでしょう。

本記事では、KDDIの掲げる「EPS1.5倍」を達成した場合に投資家が得られる利益と、その目標を達成するために必要な条件(売上高・純利益・自社株買いなど)を総合して検討します。

その上で、KDDI株の買い時がいつ・いくらなのかを考察します。

本記事で予想する利益はKDDIの業績予想から論理的に導き出しものですが、利益を保証するものではなく、投資を行う場合は自己責任でお願いします。

100株保有で+22万円の利益予想と、その根拠

2022年公表「中期経営計画」の利益目標

KDDIの長期的な業績を予想する上で、2023年〜2025年の事業計画である「中期経営計画」が手がかりとなります。

中期経営計画では、2025年までの5つの注力領域が示され、事業見通しと具体的な業績目標が記載されました。

新中期経営計画で2025年までに注力する5つの領域が示された。出典:新中期経営戦略(23.3期-25.3期)

最後には2025年3月期の目標利益にも言及し、1株あたりの利益(EPS)を2019年比で1.5倍にすると記載されています。

2019年のEPSは266円でしたので、2025年3月期のEPSは399円が目標値となります。

1株あたりの利益が大きくなれば配当額が大きくなり、それは株価が上昇する材料にもなります。

結果的に、投資家は「配当+値上がり」という大きな利益を手にすることができるでしょう。

2025年のEPSから逆算した株価

2019年のEPSは266円でしたので、中期経営計画の目標に到達できれば2025年のEPSは399円です。

株価は【株価収益率(PER)×1株あたり利益(EPS)】で決まりますが、PERは業種や企業ごとにあるレンジに収まる傾向にあり、KDDIの場合は10〜13倍が目安です。

2025年のEPSが399円で、かつPERが10〜13倍の場合、株価は4,000円〜5,200円の範囲になると予想することができます。

次に2025年まで保有した場合の想定利益を計算しますが、上記の中間であるPER11.5倍、株価4,600円を前提とします。

2025年まで保有した場合の「配当利益」

2021年5月の株価水準である3,100円でKDDIを100株購入し、2025年まで保有した場合の利益について計算します。

まずは配当益を計算しましょう。

KDDIは毎年配当を引き上げる「累進配当」を掲げており、ここ数年間は年に5円ずつ増配を続けています。

さらに、EPSに対する配当の割合(配当性向)は40%超とする方針ですので、2025年度の配当は160円(EPS400円の40%)になります。

その前提で2025年度までの累進配当を予想すると次のようになります。

  • 2021年度:125円
  • 2022年度:135円
  • 2023年度:140円
  • 2024年度:150円
  • 2025年度:160円
  • 合計710円/株

これらを合計すると、2025年までの配当額は7万1,000円です。

投資額しては31万円ですので、5年間で受け取ることができる利回りは約23%となります。

リターンとしては十分な水準です。

2025年まで保有した場合の「値上がり益」

目標通りの業績拡大・増配が実現すれば相応の株価上昇が期待できます。

上ではEPS400円、PER11.5倍を条件に株価4,600円を予想しました。

現在の株価はおよそ3,100円ですので、値上がり益だけで15万円を見込むことができます。

業績に勢いがつけばPER15倍、株価6,000円も決してあり得ない数字ではありません。

配当利益+値上がり益合計で22.5万円

以上の利益をまとめると+22.5万円となり、5年間での想定利回りは+73%と素晴らしい運用成績です。

計算には入れませんでしたが、KDDIは株主優待も行っており、100株保有の場合は年間3,000円分カタログギフトが進呈され、5年間で1.5万円相当となります。

無論、この想定利益は可能性の一つでしかなく、これを下回る可能性も上回る可能性もあります。

次の項目では、EPS400円達成に向けたロードマップを作成しました。

今後の業績と照らし合わせることで、順調に推移しているのか、あるいは遅れているのかが判断できるでしょう。

EPS400円達成のロードマップ

2020~2025年の業績&自社株買いロードマップ

2025年にEPS400円を達成するために必要な業績と自社株買いをまとめました。

一直線に上がっていくと仮定した単純な計算ですが、EPS1.5倍(=400円)達成できるかどうかを確認する目安にすることができるでしょう。

年度売上高純利益自社株買いEPS
2020年度5兆3,200億円6,400億円1,000億円288円
2021年度5兆5,600億円6,700億円1,000億円311円
2022年度5兆8,100億円7,000億円1,000億円333円
2023年度6兆500億円7,300億円1,000億円355円
2024年度6兆2,900億円7,600億円1,000億円377円
2025年度6兆5,300億円7,800億円1,000億円399円

毎年1,000億円の自社株買いが行われた上で、2025年に売上高6兆5,300億円、純利益7,800億円を達成していればEPSは400円に到達します。

そこに至るまでの2020年〜2024年までは簡単に計算した数値です。

あくまで目安のロードマップですが、この目安より上なのか下なのかによって利益予想達成の可能性を検討することができます。

詳しい計算条件
  • 6年間で6,000億円の自社株買いを平均3,500円で実行し、発行済株式の7%を償却
  • 1,000億円の経費削減で純利益増加(中期経営計画に記載)
  • 純利益率12%で、必要な純利益から売上高を逆算

2021年度決算の主要数値

ロードマップを確認したところで、2年目の成績である2021年度が程度達成できているかを見てみましょう。

2021年度決算の主要数値
  • 売上高 :5兆4,467億円(対ロードマップ-2.0%)
  • 純利益 :6,725億円(対ロードマップ+0.4%)
  • 1株利益:300円(対ロードマップ-3.5%)

通信料金が政府主導で引き下げられた影響で、EPS成長に遅れが出ています。

売上高・純利益はほぼ想定線です。

自社株買い2,000億円のサプライズ

利益成長が遅れている一方、自社株買いは想定を上回りました。

2022年6月1日~2023年5月31日までに実施される自社株買いは2,000億円。想定の2倍の規模です。

想定との差額である1,000億円によって、EPS成長は+1%以上が見込まれます。

現状の遅れである-3.5%を完全にカバーするには至りませんが、EPS目標の達成に向けた強い意志を感じる自社株買いです。

2022年度の業績予想

BtoBビジネスと金融事業が引き続き成長し、2022年度は次の業績が予想されています。

2021年度の業績予想
  • 売上高 :5兆5,600億円(対ロードマップ-4.3%)
  • 純利益 :6,880億円(対ロードマップ-1.7%)
  • 1株利益:312円(対ロードマップ-6.3%)

ロートマップからの遅れは2021年度から広がる見込みです。

1株利益はほぼ1年遅れとなり、自社株買いで挽回するのは難しいでしょう。

2025年のEPS400円達成には黄色信号が灯っている印象です。

ESP400円達成に向けた注目材料

自社株買い

自社株買いを行うことで発行株数を減らし、1株利益が高まります。

2022年度は2,000億円の自社株買いが発表されましたが、今後も想定を上回る自社株買いが続けば、EPS達成に向けたポジティブ材料となります。

また、自社株買いは株価の下支えになる点もメリットです。

新型コロナの影響

本記事では詳しく解説しませんでしたが、新型コロナはKDDIの業績にネガティブな影響を与えます。

具体的には、ショップ運営自粛による端末販売減少、海外渡航制限による海外通信サービスの利用減少、イーオン・Reluxなど教育・宿泊ビジネスの売り上げ減少などです。

新型コロナが収束に向かうかどうかはKDDIに投資する上で重要な指標となるでしょう。

楽天スマホの台頭

楽天スマホはドコモ・KDDI・ソフトバンクに続く「第4のキャリア」としてスタートを切りました。

自前の通信網は拡充しているものの、地域によってはKDDIの通信設備を借りて運営しており、1Gの通信毎におよそ500円がKDDIの収益となります。

したがって、楽天スマホの普及は短期的にはKDDIの業績にプラスに働きます。

一方、楽天自前の通信設備が拡充された以降はライバルとして脅威になる可能性もあり、楽天スマホの動向はKDDIに投資した場合は注視するべきでしょう。

KDDIの買い時はいつ・いくら?

タイミングは早ければ早いほど有利

結局、KDDIはいつ、いくらが買い時となるでしょうか。

「いつ」に関しては、KDDIの業績が順調に伸びていることから、早ければ早いほど良いと言えます。

利益成長が進むにつれて株価も上昇していくでしょう。

配当についても、早く投資すればそれだけ多くの配当を得ることができます。

株価3,000円台は買い時

早ければ早いほど良いと言っても、高値掴みは避けたいところ。

買い時である目安の株価は4,000円割れです。

2025年の業績予想から、2025年以降に4,000円割れとなる可能性は低そうです。

EPS400円を達成していれば、4,000円割れとなるにはPERが10倍未満となる必要がありますが、それは割安すぎます。

値下がりの可能性を最小限にするためには、株価4,000円割れのタイミングで買いたいですね。