2024年業績予想から考える、サンリオの予想株価




前回の記事ではサンリオの株価が急落した経緯について紹介しましたが、今回は予想株価について解説していきます。

2022年3月期までは営業赤字が予想され、厳しい状況が続きます。一方、株価は業績回復後を見越して1,900円台まで回復。

底値から50%上昇しているだけに、買って良いかどうか判断が難しいところです。

本記事では、各種業績予想を参考にしつつ、2024年までの予想株価を算出していきます。

結論:株価「1,520〜2,100円」を予想

まずは本記事の結論である予想株価を紹介します。

2024年の業績予想を根拠に、予想株価1,520〜2,100円を算出しました。

サンリオの予想株価
  • 2024年会社目標より算出:予想株価1,520円
  • 2024年市場コンセンサスより算出:予想株価2,100円

下限である1,520円は会社目標である「2024年3月期 営業利益30億円」をもとに算出しました。

一方、上限の2,100円は、証券アナリストの予想平均である市場コンセンサス予想から算出しました。

市場コンセンサス予想が実現した場合には株価2,100円まで上昇すると予想し、現在株価(1,900円前後)から1割ほどの上昇余地があると考えています。

しかし、業績が市場コンセンサスに届かず、会社目標程度となった場合、株価は1,520円を目指して下落する、というのが想定されるシナリオです。

ちなみに、2022年3月期の業績予想からまともに予想株価を出すと1,040円という低すぎる株価となりました。株価は業績回復後を見据えて動いているため、この予想株価は除外して考えています。

それでは、予想株価の詳細について解説していきたいと思います。

「会社業績予想」から株価を算出

2022年3月期の業績予想

まずは2022年3月期の会社予想から株価を算出してみましょう。

業績予想は以下の通りです。

2022年3月期の業績予想(サンリオ予想)
  • 売上高 :491億円
  • 営業利益:−7億円
  • 純利益 :27億円
  • 1株利益(EPS):26円

営業利益は−7億円の赤字ですが、38億円の特別利益などにより、純利益は+27億円の黒字となる見込みです。

1株利益(EPS)は26円となります。

PERベースで株価を計算

予想株価の計算としては、最もシンプルなPER倍率法を使います。

過去のPER推移などから妥当PERを決め、その値と1株利益(EPS)を掛けて予想株価を算出する方法です。

サンリオの妥当PERとしては、コロナ前の2019年当時の値を使いたいと思います。

当時のPER40倍は40倍程度で推移していました。

したがって、サンリオの理論株価は以下のように計算されます。

理論株価=26円(EPS)×40倍(妥当PER)=1,040円

現在株価(およそ1,900円)と比べてかなり安い理論株価となりました。

2022年までは上値の重い展開

さすがに1,040円まで下落する事態にはならないと思いますが、株価が上がりにくくなるのは確かでしょう。

2,000円を超えるとPERは80倍に接近します。それほど割高な株価指標は、今のサンリオの業績見通しでは支えることができないと考えています。

とはいえ、2022年3月期は新型コロナの影響を大きく受ける年です。投資家の目線はコロナ後に向いているので、より長期的な視点で予想株価を考えてみましょう。

「中期経営計画」から予想

2024年3月期の業績目標

サンリオの株価を長期目線で考えるなら、2021年5月に発表された中期経営計画が参考になります。

中期経営計画では2024年3月期の業績目標として「営業利益30億円」が掲げられています。

その場合、純利益としては20億円、EPS19円になると予想されます。

2024年3月期の業績目標(中期経営計画より)
  • 営業利益:30億円
  • 純利益 :20億円(営業利益より予想値)
  • 1株利益(EPS):19円(営業利益より予想値)

2024年の株価予想

この業績目標から2024年の予想株価を算出しましょう。

2022年の予想株価と同じくPER倍率法を使用しますが、適用するPERとしては80倍としました。

業績の回復期では株価上昇が先行し、高いPERが許容されるためです。過去5年間で最大のPER値である80倍を適用しました。

したがって、予想株価としては以下のようになります。

予想株価=19円(EPS)×80倍(予想PER)=1,520円

現在株価(およそ1,900円)より2割以上安い予想株価となってしまいました。

今サンリオを保有している投資家にとっては厳しい予想ですが、中期経営計画の「営業利益30億円」をまともに評価するとこのようになってしまいます。

「市場コンセンサス」から株価を予想

市場コンセンサスの業績予想

市場コンセンサスは会社予想よりも楽観的です。

2024年3月期には営業利益47億円、EPS42円まで回復すると予想されています。この楽観予想がサンリオの株価を支えていると言えるでしょう。

以下が2022年3月期〜2024年3月期の業績予想です(2020年3月期と2021年3月期は実績)。

決算期売上高営業利益純利益EPS
2020年3月期553億円21億円1.9億円2.3円
2021年3月期411億円−33億円−40億円−48円
2022年3月期474億円0億円27億円33円
2023年3月期501億円19億円13億円16円
2024年3月期565億円47億円34億円42円
2021年3月期までは実績値、2022年3月期以降は市場予想平均。

2024年株価予想は「2,100円」

2024年3月期の業績予想に着目して株価を予想してみましょう。

業績予想は、売上高565億円で、純利益34億円、EPS42円という内容ですが、この業績は2019年3月期とほぼ同水準です。

以下、2019年3月期(実績)と2024年3月期(予想)の比較表です。

売上高純利益EPS
2019年3月期実績591億円39億円48円
2024年3月期予想565億円34億円42円

2024年3月期予想の方が1割ほど低い業績ですが、大赤字からの復活ということ考慮すれば誤差の範囲内です。

したがって、株価についても2019年当時の水準まで回復すると考えられます。

2019年3月期の株価レンジは1,800円〜2,500円。この中央値付近の株価である2,100円を2024年の株価予想としました。

PERとしても50倍と許容範囲内です。

まとめ

サンリオの予想株価について、中期経営計画の業績目標と、市場コンセンサス予想の2つから算出してみました。

市場コンセンサス予想が実現した場合、株価は2,100円まで上昇し、中期経営計画の業績目標程度の着地となった場合は株価1,520円まで下落する、というのが本記事の予想です。

新型コロナの影響でまだまだ厳しい状況が続きます。新型コロナ後、業績がどの程度回復するかによって株価が左右されることになるでしょう。




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