日本ハム(2282)の株価が「2030年に10,000円突破」を予想する根拠




日本ハムの株価はここ2年ほどで大きく下落し、割安で投資できるチャンスが訪れています。

現在のPBRは0.75倍と過去最低水準です。

また、2030年までの業績目標から、EPS(1株利益)が700円近くまで伸びると期待できます。

もしこの目標を達成すれば、株価10,000円突破もあり得るでしょう。

本記事では、日本ハムが発表している業績目標から、次の予想株価を計算しました。

日本ハムの予想株価まとめ
  • 2024年・・・株価5,400円(EPS417円×PER13倍)
  • 2027年・・・株価8,100円(EPS540円×PER15倍)
  • 2030年・・・株価10,260円(EPS684円×PER15倍)

この予想の具体的根拠について解説していきます。

日本ハムの特徴

食肉事業でトップシェア

日本ハムは食肉事業で日本トップシェアを誇ります。

原料となる肉は国内外から仕入れるほか、近年は飼育から加工・販売まで一貫して手掛け、品質を確保しながら利益率を向上させています。

また、大豆などから作る代替肉も積極的に開発しており、環境の面からも注目の銘柄です。

ディフェンシブ銘柄

銘柄としてはディフェンシブ銘柄に属します。

食品は生活費必需品ですので、業績が景気に左右されにくく、景気後退の局面でも株価が下がりにくい特徴があります。

配当もそこそこ高いため、安定して長期運用したい人向けだと言えるでしょう。

ちなみに、ハム等がもらえる株主優待も実施しています。

株価指標は基本的に高め

業績と株価が安定しているため、株価指標は基本的に高めです。

だいたいPER20倍くらいが定位置となっています。

ただ、新型コロナ以降は原材料の高騰などで不確定要素が多くなり、PERは13倍前後で低迷しています。

逆に言えば、株価の上昇余地が多く残されているとも言えます。

これまでの株価推移と株価指標

過去10年間の株価推移

まず、過去10年間の株価を振り返ります。

2013年以前の株価はおよそ2,000~3,000円で推移していました。

2014年あたりからアベノミクスに乗って上昇し、2017年には7,000円まで上昇しています。

しかし、その後は業績悪化とともに下落し、近年は3,000~5,000円のレンジ相場となっています。

過去10年の株価チャート。最高値は7,000円だったが、現在は3,600円台で推移している。

現在の株価指標

現時点の日本ハムの株価指標は、予想PERが14.3倍、実績PBRが0.75倍です。

日本ハムの株価指標(2022年12月20日時点、株価3,635円)
  • 予想PER・・・14.3倍
  • 実績PBR・・・0.75倍

東証プライム市場の平均PERが14倍前後なので、日本ハムは平均的なPERだと言えます。

ただ、実績PBRの0.75倍は市場平均(1.2倍)よりかなり割安です。

今後、業績が改善に向かうことを踏まえると、今の株価指標は割安と評価できます。

過去5年間のPER推移

過去の株価指標を遡ってみてみましょう。

まずPER推移ですが、過去5年間の平均は18倍程度となっています。

2019~2020年にかけては20倍超えで推移していました。

全体的に見て、現在のPERは低位にあります。

日本ハムの過去5年間のPER推移。

過去5年間のPBR推移

次にPBRの推移です。

過去5年間の平均はおよそ1倍で、コロナショックの際に一時的に0.7倍まで落ちたものの、その後は1倍に復調しています。

現在は0.77倍ですので、水準としてはコロナショックの急落時並みの割安感です。

日本ハムの過去5年間のPBR推移。

2030年までの業績予想

長期ビジョン「Vision2030」の内容

日本ハムは2030年までの業績目標を「Vision2030」として発表しています。

具体的な数値は3年ごとの中期経営計画で決められており、それらをまとめたのが次の表です。

2024年3月期(計画)2027年3月期(計画)2030年3月期(計画)
売上高12,200億円13,200億円 (無し)
事業利益610億円790億円 (無し)
ROE(親会社の所有者に帰属する当期利益)8.0%9.0%以上10.0%以上

売上高は2024年で1兆2,200億円、2027年で1兆3,200億円に拡大する計画です。

事業利益については、610億円、790億円と拡大する計画です。

ただ、純利益等は記載されておらず、2030年については利益率(ROE)しか記載されていません。

そこで、2024年・2027年・2030年の業績を予想しました。

2024年3月期の業績予想

Vision2030によると、2024年3月期の目標は売上1兆2,200億円、事業利益610億円です。

そこから、純利益が427億円、1株利益が417円になると予想しました。

2024年3月期の業績予想
  • 売上高 ・・・1兆2,200億円
  • 純利益 ・・・427億円
  • 1株利益・・・417円

事業利益→純利益 にある主な項目は法人税です。

なので、事業利益から30%ディスカウントして純利益を計算しています。

2027年3月期の業績予想

同様に、2027年3月期は純利益553億円、1株利益が540億円という予想となりました。

2027年3月期の業績予想
  • 売上高 ・・・1兆3,200億円
  • 純利益 ・・・553億円
  • 1株利益・・・540円

2030年3月期の業績予想

2030年3月期はベースとなる業績目標がなく、ROE(自己資本利益率)のみ設定されています。

そこで、2030年時点の自己資本を予想し、純利益を計算しました。

2030年3月期の業績予想
  • 純利益 ・・・700億円
  • 1株利益・・・684円

2030年時点の自己資本は7,000億円まで増加すると予想し、純利益予想を700億円としています。

今後の予想株価

2024年の予想株価は「5,400円」

上の業績予想から予想株価を計算していきます。

適用するPERですが、2024年3月期はまだ割安水準にあると想定し、PER13倍としています。

2024年の予想株価

予想株価=417円×13倍=5,421円

2027年の予想株価は「8,100円」

2027年にはPERが高まると予想し、PER15倍を適用しました。

予想株価は8,100円で、上場来高値を更新すると予想しています。

2027年の予想株価

予想株価=540円×15倍=8,100円

管理人

日本ハムの上場来高値は2017年6月の7,320円です。

2030年の予想株価は「10,260円」

2030年の予想株価もPER15倍として計算しました。

いよいよ、大台の1万円台に乗ってきます。

2030年の予想株価

予想株価=684円×15倍=10,260円

2022年時点では3,000円台なので、8年ほどで株価が3倍になる計算です。

日本ハムは買い時?

売却益を得られる可能性大

業績目標が達成される前提なら、日本ハムは間違いなく買い時と言えます。

2024年にはEPSが417円になるので、弱気にPER10倍としても、株価は4,170円。

現在株価(3,635円)を15%ほど上回ります。

つまり、2年未満の保有で15%以上の売却益を得られる可能性が高いでしょう。

2030年に至ってはEPS684円なので、株価2倍は固いです。

業績目標通りに増益するかが注目ポイント

問題は業績目標が達成されるかどうかです。

今後、業績目標通りに増益していくかが注目ポイントとなります。

とはいえ、現状でも割安なので、配当+優待で4%近い利回りを享受するだけでも十分です。

つまり、株価が上がらくてもともと、上がれば儲けもの、程度のスタンスで考えれば、日本ハムは買い時だと言えるでしょう。

まとめ

日本ハムの予想株価について考察しました。

ディフェンシブ銘柄という特性上、値動きは小さく、人によっては物足りないかもしれません。

一方、じっくり配当+優待を獲得しつつ、長期で値上がりを狙うというスタンスの人には向いています。

2030年には株価10,000円を突破するという期待もあるので、NISA口座で買って放置するのが良さそうです。