KDDIが下落した3つの理由と今後の株価予想




KDDIの株価は2024年に入ってから急落が続いています。

一時は5,000円に達したものの、急落が連続した結果、4,500円付近まで売られてしまいました。

新NISAの人気銘柄にも関わらず、なぜ短期間で急落したのでしょうか。

急落した理由は大きく3つあり、それぞれ解説していきます。

株価が下落した3つの理由
  1. 自社株買い期待の後退・・・ローソン買収による資金不足が懸念
  2. 業績見通しが期待未満・・・2024年3月期見通しがコンセンサスに届かず
  3. 大株主による大量売却・・・京セラによる大量売却の懸念

理由① 自社株買い期待の後退

ローソン出資に5,000億円投入

大幅下落のきっかけとなったのはローソンへの出資です。

これまでは2%ほどの出資だったところを、50%まで買い増し、同じく50%を保有する三菱商事と共同経営を行うことを発表しました。

しかし、50%まで買い増すために5,000億円もの資金が必要です。

この資金を巡る推測によってKDDIの株価は急落しました。

買収資金の捻出で自社株買いストップか

KDDIはほぼ毎年のように自社株買いを行っており、今後も実施される前提で株価が形成されています。

自社株買いに投じられた金額は、2020~2022年の3年間は年2,000億円、2023年は3,000億円と大規模です。

ところが、ローソン買収に5,000億円を投じることで、自社株買いがストップする懸念が浮上しています。

現金残高は6,000億円あまり

自社株買いのストップは現時点で推測でしかありません。

しかし、現実的には自社株買いの資金をローソン買収に充てるしか無さそうです。

なぜなら、2023年12月末時点の現金残高は6,000億円あまりで、ローソン買収+自社株買いを支えるだけの資金はありません。

出典:2024年3月期第3四半期決算短信

ローソン買収資金を借入れでまかなうという手もありますが、そこまでして自社株買いにこだわらないでしょう。

したがって、自社株買いの資金をローソン買収に充てる可能性が濃厚というわけです。

理由② 業績見通しが期待未満

2024年3月期が期待に届かず

2024年3月期の業績予想は市場の期待に届いていません。

第3四半期決算でも上方修正されず、業績期待で上昇していた反動で株価は下落しました。

まだ上方修正される可能性は残されていますが、いったん下落するのは仕方のないところです。

純利益が-2.2%下振れ

市場予想と会社予想の対比が次の表です。

市場予想会社予想
(カッコは対市場予想)
売上高5兆8,335億円5兆8,000億円(-0.6%)
営業利益1兆987億円1兆800億円(-1.7%)
純利益6,954億円6,800億円(-2.2%)

最も重視される純利益が、市場予想に対して-2.2%の着地になる見通しとなっています。

第3四半期で上方修正されれば良かったのですが、据え置きとなったことで売り材料視されました。

理由③ 大株主による大量売却

京セラが売却を示唆

2024年1月に、大株主である京セラ(6971)が売却の可能性を示唆しました。

KDDI株の16%を握っているだけに、京セラが売却に動けば需給悪化は避けられません。

具体的な方針は2024年秋に決定される見込みです。

売却懸念で5,000円台から転落

京セラによる売却が示唆されたことで、5,000円台だった株価は再び4,000円台に下落しました。

以下が報道付近の株価チャートです。

1月23日に売却報道が出て以降、KDDIの株価は反落した。

自社株買いによる吸収も期待薄

報道直後の下落率は小幅ですが、KDDIによるローソン買収の件と重なったことで、下落が加速した面があります。

というのも、自社株買いで相殺することが期待できないためです。

以前にトヨタがKDDI株を売却した際には、KDDI側が自社株買いで吸収することができました。

しかし、ローソンへの出資に5,000億円を投じるため、京セラによる売却を自社株買いで受け止めることは難しいでしょう。

したがって、京セラの売却により、需給が急悪化する可能性が懸念されます。

今後の株価はどうなる?

株価4,000円は底堅いと予想

KDDIは高配当株・優待株として新NISAで人気です。

そのため、今後下落するとしても下げ幅は限られるでしょう。

3,000円台に入ると値ごろ感が出るため、よほどの悪材料が出ない限りは4,000円の節目は割れないと予想しています。

売却懸念で上値も重い

一方、株価が急上昇するシナリオも考えにくいです。

大株主であるトヨタ、京セラがKDDI株の保有を減らしてきているので、常に大量売却の懸念があります。

特に、京セラは資本効率改善を株主から求められているため、2024年秋に売却を決定する可能性が濃厚です。

また、業績見通しも横ばいです。

以上を踏まえると、上値を追いにくい状況にあると考えています。

楽天市場買収が隠れた期待材料

わずかに可能性がある期待材料として、楽天市場の買収があります。

楽天は資金繰りに苦しんでおり、子会社の株式を次々と売りに出していますが、行き詰まれば楽天市場も資金化せざるを得ないと言われています。

そうなれば、ECに弱いKDDIは買収に動くでしょう。

買収が実現すれば成長期待が跳ね上がり、株価は急騰すると予想されます。

現時点では可能性は高くないものの、大きな材料として期待したいところです。

まとめ

KDDIの株価が急落した理由について解説しました。

京セラによる売却懸念やローソンへの出資など、これから資金が大きく動きそうです。

そんな中、一部の投資家はリスク回避で売り手に回り、株価下落につながってしまいました。

しかし、現時点では懸念が先行しているように思われます。

ある程度株価に織り込まれていると考えれば、下落後は悪くない買いタイミングなのではないでしょうか。

高配当・優待銘柄として100株は仕入れておきたい銘柄ですね。