FRONTEOの今後の見通しは?6つの材料と2025年株価予想




本記事のポイント
  • 株価上昇が期待できる6つの好材料を紹介
  • 妥当PERを50〜100倍と設定し、2023年株価として2,600〜5,300円を予想
  • 同様の条件で、2025年株価として5,300〜10,700円を予想

前回の記事ではFRONTEOが急落した4つの理由を解説しましたが、今回は、今後の予想株価について考えてみます。

FRONTEOが持つ株価材料は豊富にあり、多くの個人投資家が株価上昇を期待していることでしょう。

ただ、業績につながる材料なのか、あるいは業績に貢献しない材料なのかは選り分けて判断する必要があります。

今回調査するにあたっては、期待材料として1度株価上昇をもたらし、まだ実現していない材料をまとめました。

本記事では、6つの期待材料を紹介した上で、2025年までの予想株価を公開します。

材料① AI医療機器の上市

世界初のAI医療機器誕生へ前進

FRONTEOの最大の期待材料といえば、「AI医療機器」の販売開始です。

AI医療機器とは、その名の通り、人工知能(AI)を活用した医療機器。

FRONTEOは認知症診断支援AIシステムを開発し、2020年から薬事承認に向けたプロセスを進めてきました。

無事に承認となれば、世界初のAI医療機器が誕生します。

承認に向けたこれまでの動き

2021年1月に企業として医療機器の販売許可を取得し、同4月から臨床試験を開始しました。

2021年1月に臨床試験の目標症例数を達成。2022年4月現在はその結果を待っている段階です。

以下、AI医療機器の販売に向けたこれまでの動きをまとめました。

日付販売開始に向けたプロセス
2020/11/24医療機器の製造販売業許可を申請
2021/1/18医療機器の製造販売業許可を取得
2021/3/12治験開始を発表
2021/4/26臨床試験開始
2021/9/8都に医療機器販売業を届け出、受理
2022/1/11目標症例数達成
2022/2/15スズケンとの業務提携
管理人

スズケンとの業務提携により、薬事承認に必要な流通システム・販売体制の構築を達成することができ、保険収載に向けた重要な一手でした。

80億円の売上となる見通し

無事に承認・販売となれば、FRONTEOの売上げは急激に伸びるでしょう。

FRONTEOの試算では、承認・販売によって80億円ほどの売上増加を見込んでいます。

2021年3月期は売上103.7億円でしたので、AI医療機器が販売に至れば、売上げはほぼ倍になる計算です。

AI医療機器の保険収載により、80億円程度の増収を見込んでいる。出典:ライフサイエンスAI事業 成長戦略 ご説明資料

多くの企業と提携・協業

AI医療機器に関連しては、多くの企業と提携・協業を進めています。

市場からの反応が特に大きかったのが米マイクロソフトとの協業です。

マイクロソフトのクラウド上で、患者が話す言葉から認知症有無を判定するAIを開発し、認知症の早期発見を目指します。

この発表で株価は一時ストップ高まで急騰しました。

その他にも、Amazonとの協業、共和薬品との提携などが挙げられます。

研究・開発では慶應技術大学病院と提携済みです。

今後も有力企業との提携が好材料となる可能性があるでしょう。

AI医療機器は慶應義塾大学病院と共同開発した他、有力な企業・医療機関と提携している。出典:ライフサイエンスAI事業成長戦略 ご説明資料

材料② 創薬支援AIシステムの売上拡大

これまでに武田薬品・中外製薬が導入

FRONTEOが開発した創薬支援AIシステムは、これまでに武田薬品と中外製薬で導入された実績を持ちます。

武田薬品は国内トップの製薬企業、中外製薬は世界ランキング1位のロシュ傘下で、大手中の大手に採用された意味は大きいでしょう。

また、複数の医療機関で導入された事例も公表されています。

今後もシステム導入や提携が株価材料になることが期待されます。

FRONTEOの創薬支援AIは武田薬品・中外製薬に導入された実績を持つ。出典:ライフサイエンスAI事業成長戦略 ご説明資料

論文探索・化合物スクリーニングが柱

そもそも、FRONTEOが開発した創薬支援AIシステムとはどのようなものでしょうか。

このシステムは、論文検索AIと、化合物スクリーニング(絞り込み)AIの2本柱で構成されています。

論文探索AIが「Amanogawa」、化合物スクリーニングAIが「Cascade-Eye」と呼ばれます。

創薬支援AIシステムは、論文検索の「Amanogawa」と化合物スクリーニングの「Cascade Eye」から成る。出典:ライフサイエンスAI事業成長戦略 ご説明資料

新薬開発の成功確率は3万分の1、費用は1,000億円以上と言われますが、その過程をAIを用いて効率化するというのがFRONTEOの創薬支援AIシステムです。

以下の図が新薬開発の流れですが、「標的分子の探索」をAmanogawaが、「ヒット化合物の特定」をCascadeEyeが担うことで、新薬開発を効率化するのでしょう。

新薬開発までの一連の流れ。この流れの一部をAmanogawaとCascadeEyeが担い、時間・コストを短縮する。出典:ライフサイエンスAI事業成長戦略 ご説明資料

創薬支援AIで20億円の売上げを見込む

FRONTEOの資料によると、将来的には創薬支援AI等で20億円の売上を見込んでいるようです。

直近の創薬支援AIの売上は開示されていませんが、ライフサイエンスAI事業全体で20億円ほどですので、創薬支援AIは現時点で数億円程度でしょう。

したがって、これから十数億円の売上増加が期待できると言えます。

FRONTEOの売上げは100億円ちょっとですので、十数億円売上が伸びれば、相応の株価上昇が期待できそうです。

材料③ 転倒転落予測システム「Coroban」の販売・提携

Coroban(コロバン)とは?

出典:ライフサイエンスAI事業成長戦略 ご説明資料

転倒転落予測システム「Coroban」とは、FRONTEOがエーザイと共同で開発したAIシステムです。

患者の看護記録や電子カルテなどからテキストデータを読み込み、薬の使用状況や運動機能などの指標を用いて、将来の転倒リスクを判定します。

高齢者の転倒・転落による死亡例は年間7,000件にも上り、医療機関は事故を防止するために相当のリソースを割いてきました。

Corobanにより、医療機関の負担を軽減し、事故を未然に防ぐことが期待されています。

医療機関への販売を開始、特許も取得

Corobanのシステムは2020年1月に特許を取得しました(特許登録番号6652986号)。

さらに、日本転倒予防学会推奨品にも認定され、エーザイと共に医療機関への販売を開始しています。

2021年11月時点では10施設以上に導入済みと発表されました。

その後も、「聖マリアンナ医科大学病院で導入」や「大阪大学医学部附属病院で実証研究を開始」などが発表されており、普及は徐々に進んでいるようです。

大手との販売・提携が株価材料

大手医療機関への販売が決まれば、売上増の思惑から、株価上昇の好材料となるでしょう。

あるいは、製薬大手との提携も好材料となりそうです。

認知症治療についてはエーザイが有名で、エーザイとは既に提携済みです。

他にも、世界トップのロシュ・ホールディングスや、イーライリリー、ノバルティス・ファーマ、塩野義製薬も認知症治療に取り組んでおり、FRONTEOと提携する可能性がありそうです。

仮にロシュと提携ともなれば、株価は2~3回ストップ高になってもおかしくありません。

材料④ AI関連の特許取得

特許取得で株価高騰の過去

FRONTEOの株価は特許取得でたびたび高騰してきました。

過去の例だと、2022年3月9日に事故予防のAI機能で特許を取得し、翌日は+9%の大幅高でした。

また、2020年6月23日には、認知症診断AIで特許を取得し、+18.1%という大幅高となっています。

2ヶ月に1件のペースで特許を取得

FRONTEOの特許取得状況を見ると、およそ2ヵ月に1つほどのペースで特許を取得しています。

全てが材料視されるわけではありませんが、業績につながりそうな特許が出た場合、株価上昇の材料となるでしょう。

特に、FRONTEOがこれまで取り組んでこなかったカテゴリの特許を取得した場合、業績拡大の思惑が強くなります。

2021年は6件の特許を取得した。2022年は4月時点で4件を取得している。出典:知財ポータルサイト IP Force

今後も、特許取得で株価高騰の可能性

特許取得のリリースが株価を上昇させることは今後も期待できそうです。

ここ1〜2年は2ヶ月に1回のペースで特許を取得していることから、その可能性はより高いでしょう。

特に、業績に直結しそうな発表の場合、上昇トレンドの起点になることも期待できます。

ただし、基本的に特許と業績が直結することは想定しづらいです。

特許関連の株価上昇はたいてい1〜2日程度と考えておいた方が良いでしょう。

材料⑤ 日本政府案件の受注可能性

「法令をAIで検証」の思惑

2021年12月に「政府、法令4万件をAIで検証」というニュースを日本経済新聞が報じました。

法改正を行う上で、4万件にのぼる法令のうち影響する文章を手作業で探し出す必要がありますが、これをAIで効率化できないか検討に入ったようです。

そこでFRONTEOに思惑が発生しました。

注目されたのは「デジタル技術をつかって法務処理を支援する”リーガルテック”企業との協力をめざす」という一文。

該当する企業はFRONTEOのみだったため、政府案件を受注するという思惑が生じ、株価が上昇したのです。

受注は早くて2024年か

ただし、この材料が顕在化するのはまだ先になりそうです。

日本経済新聞によると、2021年から3年間を点検期間とするようですので、受注は早くても2024年でしょう。

また、単発では大した利益にはならなそうです。

行政の導入実績によるブランド強化や、他の案件の受注につながることに期待しています。

材料⑥ 支配株主の解析サービス提供

経済安全保障が注目される

近年、「経済安全保障」という言葉がにわかに注目されています。

中国やロシアが西側諸国の技術を盗み出す活動がたびたび報じられますが、それを防ぐ活動が経済安全保障です。

経済安全保障とは?

近年、秘匿性の高い技術・データ・製品を獲得するために経済上の手段(投資・吸収・合併など)を用いる事案が増えています。それに対応する活動を「経済安全保障」と呼びます。

参考:公安調査庁 経済安全保障の確保に向けて

支配関係を調べるのは難しい場合も

企業の技術・知見を獲得する手段として、株式を取得し、株主の権利を行使して企業の情報にアクセスする、という方法があります。

そのため、多額の投資を受け入れる際には「出資元が何者か」が重要です。

例えば、出資元が中国政府の息のかかった企業の場合、機密情報を奪われ、技術や製品をコピーされかねません。

また、本当の出資元までいくつもの団体・企業を介している場合もあり、支配株主を調べるのが困難な場合もあるようです。

「隠れ株主」を解析するAIをFRONTEOが開発

FRONTEOはそのような「隠れ株主」を解析するAIを開発しました。

10層以上の複雑なネットワークをAIで解析し、ある企業の実質的な支配株主が何者かを明らかにします。

これを活用すれば、出資元が実はレッドチーム(中国・ロシア等)だった、人権問題を抱えている企業だった、国からの制裁対象の企業だった、という問題を事前に調査することが可能です。

今後、M&Aを手掛ける証券会社や銀行に導入されていくかもしれません。

サプライチェーン調査にも応用

ネットワークを調査するAIは「ネットワークAI」と呼ばれますが、この技術がサプライチェーンの調査にも応用されています。

2021年10月からサプライチェーンのリスク解析サービスを開始しました。

人手での解析では、2次、3次のサプライヤーまでは調査できても、それ以上は膨大な時間と労力を要します。

FRONTEOのリスク解析サービスでは、サプライチェーンのネットワーク構造を明らかにし、国の制裁・規制の対象となっているサプライヤーが絡んでいないかをチェックできます。

今後、利用が広がっていきそうなサービスです。

FRONTEOの予想株価

株価算出の前提は「PER 50〜100倍」

具体的な予想株価を計算する前に、前提条件とする株価指標を考えてみましょう。

使用する株価指標はPER(株価収益率)にしたいと思います。

PERは一定の幅に収まると考えられますので、過去のPER推移から、大まかなPERレンジを推定できます。

以下のグラフがFRONTEOのPER推移です。

FRONTEOのPERは50倍以上で推移してきた。出典:マネックス証券

このグラフから、PERの下限は50倍程度と考えて良いでしょう。

一方、上限はどの程度が妥当でしょうか。

上限は2021年11月の189倍でしたが、100倍を超えると割高感が強まることから、今回は100倍を上限として予想株価を算出します。

2023年予想株価は「2,600〜5,300円」

2023年の業績目標はFRONTEOが公表しています。

公表されているのは売上高(200億円)のみですが、そこから営業利益・純利益・1株利益(EPS)を推測しました。

2023年度 業績目標
  • 売上高 200億円
  • 営業利益 30億円
  • 純利益 21億円
  • 1株利益(EPS) 53.4円
2023年の業績目標として200億円が図示されている。出典:2022年3月期 第3四半期連結業績説明 補足資料

1株利益(EPS)は53.4円になると予想されましたので、これにPERをかけることで予想株価を算出します。

2023年予想株価=53.4円(PER)×50〜100(倍)=2,670〜5,340円

ざっくり、2,600〜5,300円が2023年の予想株価と考えて良いでしょう。

2025年予想株価は「5,300〜10,700円」

2025年の業績目標もFRONTEOが公表しているので、そこから予想株価を算出します。

以下がFRONTEOの業績目標と、そこから予想した純利益・1株利益(EPS)です。

2025年度 業績目標
  • 売上高 300億円
  • 営業利益 60億円
  • 純利益 42億円
  • 1株利益(EPS) 107円
2025年の業績目標は売上300億円が図示され、営業利益目標は60億円がアナウンスされている。出典:2022年3月期 第3四半期連結業績説明 補足資料

1株利益(EPS)が107円まで成長すると予想されますので、これにPERをかけて予想株価を算出します。

2025年予想株価=107円(EPS)×50〜100倍=5,350〜10,700円

2025年予想株価は、最低でも5,350円、PERが上振れれば10,700円まで伸びる、という予想となりました。

FRONTEOの過去最高値は5,300円ですので、2025年の業績目標が達成される頃には、株価は上場来高値を更新している可能性が高いです。

予想株価の達成確度は?

ここまでの株価予想では、FRONTEOが公表している業績目標を軸にしました。

では、そもそも業績目標の達成確度はどの程度なのでしょうか。

参考として、直近の業績見通しと、2025年までの業績目標を表にしました。

年度売上高営業利益
2021年度112億円18億円
2023年度200億円30億円
2025年度300億円60億円

この表から、業績目標は非常に高いハードルであることが分かります。

売上高は2021年度→2023年度の2年間でほぼ2倍、2023年度→2025年度の2年間でさらに100億円を積み増す必要があります。

営業利益は、2年ごとにおよそ2倍の成長率を維持する必要があります。

FRONTEOとしてはそれだけの見通しを持っているという事でしょうが、客観的に見て、達成確度は5割あるかどうか、というところでしょう。

まとめ

今後期待できる6つの材料と、2025年までの予想株価について紹介しました。

FRONTEOの売上げは100億円程度と相対的に小さいのに対し、期待材料の一つひとつが巨大ですので、材料のどれか一つが実現しただけでも株価高騰が期待できそうです。

AIは未だ発展途上の技術ですが、それだけに成長期待が株価に反映されていません。

FRONTEOは長期目線で数倍〜数十倍のリターンが狙える魅力的な銘柄だと言えるでしょう。




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