子育て関連銘柄としてJPホールディングスが注目されてきています。
1月4日に岸田首相が「異次元の少子化対策」に取り組むことや、子ども予算を倍増させることを明言したのが好材料です。
また、東京都の小池百合子知事も、18歳以下の都民1人あたりに月5000円程度の給付をする方針を示しました。
少子化対策が本格化することで、JPホールディングスの業績も拡大すると期待できます。
本記事では、JPホールディングスが買い時だと言える3つの理由を解説します。
目次
JPホールディングスの事業内容
保育園・学童クラブなどを運営
JPホールディングスは保育園の運営が事業の中心です。
学童クラブ・児童館も含め、全国で300施設以上を運営しています。
その他、給食事業や事業者向け研修など、子育て支援事業を展開しています。
業界内では最大手のグループです。
全国で308施設、今後は学童クラブに注力
運営施設は2022年9月末時点で308施設です。
関東が中心ですが、それ以外の地域にも展開しています。
保育園は待機児童の減少で飽和しつつあるため、今後は学童クラブの数を増やしていく予定です。
業績推移
15年間、一貫して成長
データのある2007年以降、売上・利益ともに順調に拡大しています。
子供が減少する中で拡大できているのは、サービスが他の事業者より優れている証拠です。
市場のパイは限られますが、今後も成長継続が期待できそうです。
今後の業績予想
今後2年間の業績予想は次の通りです(四季報より)。
決算期 | 売上高 | 営業利益 |
---|---|---|
2022年3月期(実) | 344億円 | 33.4億円 |
2023年3月期(予) | 367億円 | 43億円 |
2024年3月期(予) | 400億円 | 53億円 |
売上は年間+5~10%の増加が予想されています。
営業利益は年間+20%程度の増加率になりそうです。
保育園の拡大は頭打ちですが、学童クラブをさらに展開し、次なる成長を狙います。
株価推移
JPホールディングスの株価は2023年1月6日時点で301円です。
過去10年間の株価レンジは200〜800円ですので、現在株価は低水準となっています。
長期的には低迷していますが、直近8ヶ月は上昇トレンドです。
上昇したとはいえ、予想PERはまだ8倍と割安感があります。
東証プライムのPER平均が14倍くらいなので、株価は500円を超えてもおかしくありません。
価格帯別高は300~350円がボリュームゾーンとなっており、350円を超えれば上昇に弾みがつくでしょう。
それでは、本題のJPホールディングスが買い時である理由について解説します。
理由① 株価が割安
JPホールディングスの株価指標は、予想PERが8.0倍、実績PBRが2.19倍です。
予想PERはかなり割安です。
割安で放置されている理由は、少子化が進んでおり、今後の成長が難しいと思われているためです。
ただ、業績は2007年から成長を続けています。
国の少子化対策が本格化すればさらに成長が期待できるため、割安で買うチャンスと言えそうです。
ちなみに、よく重要視されるROE(自己資本利益率)は20%を超えており、利益率の面でも優良銘柄です。
理由② 行政が少子化対策を本格化
2023年初めの記者会見で、岸田首相が児童手当や子育てサービスの強化をする方針を示しました。
また、小池都知事も18歳以下の都民1人当たり月5,000円の給付を行うと発表しています。
これらの発言から、行政の少子化対策がようやく本格化することが期待できます。
実際、発言翌日の株価は+7%まで上昇しました。
日本経済新聞:子育て関連株が急騰 首相・知事発言で個人が思惑買い
JPホールディングスは学童クラブや子育て支援サービスを展開しているため、利用者増加による業績拡大が狙えそうです。
具体的には、学童クラブの受入れ児童増加や、学習プログラムの利用者数増加が期待できます。
ただし、行政の施策が業績に反映されるまでは5~10年の時間を要するでしょう。
理由③ 長期ビジョン「売上1,000億円」達成
達成なら株価700円の可能性
JPホールディングスは長期ビジョンとして、連結売上高1,000億円を目標としています。
2022年3月期と比べると約3倍の規模です。
売上高利益率はおよそ6%なので、利益率を維持できれば、純利益は60億円に達するでしょう。
純利益が60億円なら1株利益は70円となります。
PER10倍で株価700円(1株利益70円×PER10倍)なので、現在株価(301円)から2倍以上の上昇が見込めます。
達成は2030年ごろを予想
一応、長期ビジョンの達成時期は2025年3月期とされています。
ただ、3年で売上3倍は新規事業を含めても現実的ではないように思えます。
売上を追って事業投資を強行すれば、大幅な赤字転落になりかねません。
もう少し長い目で見て、2030年頃に達成されると考えるのが妥当でしょう。
まとめ
JPホールディングスは、株価が割安で、今後の成長も期待できそうな銘柄です。
行政の少子化対策が成功すれば、長期的にも業績拡大が狙えるでしょう。
配当利回りも悪くなく、長期目線で保有を検討したい銘柄ですね。
ただし、少子化対策が業績にプラスに作用するのは相当先だと思われます。
そのため、短期目線なら手を出さないほうが無難でしょう。