200万円以上の投資資金が必要だったオリエンタルランドが、ついに株式分割を発表しました。
分割後は40万円程度で投資できるようになり、投資家の裾野が広がります。
また、分割後の100株でも優待対象になるよう、優待内容が改善されました。
これにより、オリエンタルランドを買う個人投資家が増え、株価上昇につながる期待があります。
本記事では、オリエンタルランドの株式分割で株価上昇を予想する理由を解説します。
目次
株式分割の詳細
まず、株式分割の要点についてまとめました。
株数が5倍になる代わりに株価が5分の1になるので、価値は変わりません。
ただ、最低購入金額が下がるので、購入できる投資家が多くなります。
また、優待が拡充されることは個人投資家にとって大きなプラス材料です。
そのため、株価は上昇することが予想されます。
では、株価が上昇する理由を一つずつ解説していきます。
理由① 最低購入金額が下がる
株価上昇が期待できる最大の理由が、最低購入金額が5分の1になることです。
現時点(2022年12月28日)での株価が19,290円なので、今の最低購入金額は192万9,000円とかなり高めです。
そのため、金額が理由で購入を諦めている投資家が多くいます。
ところが、仮に今分割されたとすると、最低購入金額は38万5,800円にまで下がります。
つまり、これまで高くて買えなかった投資家でも手の届く投資額になるのです。
それによって買いが増加し、株価上昇につながると期待できます。
理由② 株主優待の拡充
分割後の株主優待は改善される予定です。
現状の優待内容はそのままで、分割後の100株でも優待を受けられるようになります。
分割後の100株(分割前の20株)で受けられる優待は、3年以上の継続保有でパークチケット1枚配布、というものです。
条件付きではありますが、40万円ほどの投資で優待を受けられるようになるのは大きなメリットです。
優待目的で100株を購入し、長期に渡ってホールドする投資家が増えるでしょう。
そうなると、売りに出される株数が減少し、需給改善によって株価上昇が期待できます。
理由③ 一般NISAでの投資が可能になる
最低購入金額が下がることで、一般NISAでの投資が可能となります。
これまで、一般NISA枠(120万円)オリエンタルランドを買うのは不可能でした。
しかし、5分割されることで最低購入金額は40万円弱となり、NISA枠に収まるようになります。
そのため、NISA枠で購入する人が増加するでしょう。
コロナショックで株価1万2千円を割ったときに急反発しましたが、これは一般NISAの範囲内になったためだと言われています。
優待も拡充されたこともあり、NISA枠で買って放置、という個人投資家が激増しそうです。
また、新NISAは年240万円の枠に拡大される予定です。
そうなれば、分割後の500株でも枠内に入るようになり、バイ&ホールドの投資家がさらに増えることが見込まれます。
ホールドされる株数が増えれば、全体として売りに出される株数が減少し、株価上昇が狙えます。
オリエンタルランド購入の注意点
株価指標はかなり割高
オリエンタルランドの株価はかなり割高で、株価下落の懸念が常にあります。
PERは112.2倍で、東証プライムの平均(14倍)に対して約8倍も割高です。
また、PBRは8.03倍で、やはり東証プライムの平均(1.2倍)の8倍近くあります。
そのため、指標的には株価が50%以上下落しても不思議はありません。
優待改悪の可能性
高い株価指標を支えているのが株主優待ですが、株主優待が改悪あるいは廃止される恐れがあります。
もし廃止された場合、個人投資家の売りが殺到し、株価は暴落するでしょう。
個人投資家は全株式の20%を占めているため、影響力はバカにできません。
ただし、株主優待の負担は年22億円とそこまで大きくなく、現時点で改悪・廃止の可能性は低そうです。
大株主による大量売却
オリエンタルランドの主要な大株主は、京成電鉄・三井不動産・千葉県・第一生命の4法人です。
これらの大株主が売却に動いた場合、株価が値崩れする可能性があります。
特に、大株主の財務状況が悪化した時に売却の可能性が高まります。
中でも、京成電鉄が2年連続の赤字になっているのが懸念材料です。
大量売却が実施されてしまった場合、需給悪化の懸念から株を手放す投資家が増え、株価は下落するでしょう。
まとめ
オリエンタルランドが株式分割で株価が上昇する理由を解説しました。
ディズニーファンという強力なホルダーが増えることで、株価上昇に弾みがつきそうです。
ただ、株価指標が割高な点が懸念材料です。
ひとたび崩れると売りが売りを呼ぶ展開になりかねず、危険と背中合わせだと言えます。
株式分割でさらに株価が上昇することを期待していますが、一定のリスクあることは念頭におくべきでしょう。