4月に株主優待の権利が確定する全銘柄をまとめました!
株主優待の紹介はもちろん、チャートと業績を同時にチェックして、読者の方が買いの判断ができるよう解説を入れました。
せっかく優待をもらってもそれ以上に株価が下落しては残念すぎます。業績好調な企業を選別して、優待をもらいつつ株価上昇を狙う、一石二鳥の優待投資を目指しましょう!
全2万5千文字の巨大記事ですので、目次を活用してご覧ください。
目次
- 1 4月権利確定の株主優待銘柄一覧
- 2 オリバー
- 3 大塚家具
- 4 ビジョナリーホールディングス
- 5 トーシンホールディングス
- 6 アイ・ケイ・ケイ
- 7 ヤーマン
- 8 いちごオフィスリート投資法人 投資証券
- 9 ギグワークス
- 10 アスカネット
- 11 ギフト
- 12 ファースト住建
- 13 Hamee
- 14 グッドコムアセット
- 15 ビューティガレージ
- 16 東和フードサービス
- 17 エイチ・アイ・エス(HIS)
- 18 ロック・フィールド
- 19 梅の花
- 20 フジ・コーポレーション
- 21 伊藤園
- 22 伊藤園第一種優先株式
- 23 テンポスホールディングス
- 24 ベルグアース
- 25 フリービット
- 26 フルスピード
- 27 くら寿司
- 28 正栄食品工業
- 29 トーエル
- 30 アインホールディングス
- 31 東建コーポレーション
4月権利確定の株主優待銘柄一覧
4月に権利確定日を迎える銘柄は全30銘柄。
まずは表で全銘柄の優待・最低取得金額・業績を紹介します。
銘柄 | 株主優待 | 最低取得金額(円) | 業績 |
オリバー | ジェフグルメカード | 326,500 | 増収↗︎増益↗︎ |
大塚家具 | 買物割引券 | 12,500 | 減収↘︎減益↘︎ |
ビジョナリーホールディングス | 自社製品割引券など | 27,300 | 減収↘︎減益↘︎ |
トーシンホールディングス | 株主優待カード | 52,100 | 減収↘︎減益↘︎ |
アイ・ケイ・ケイ | 自社特選品 | 62,900 | 増収↗︎減益↘︎ |
ヤーマン | 買物割引券 | 67,300 | 減収↘︎減益↘︎ |
いちごオフィスリート投資法人 投資証券 | 観戦チケット | 69,700 | – |
ギグワークス | こども商品券等 | 73,300 | 増収↗︎増益↗︎ |
アスカネット | 自社サービス割引券 | 92,800 | 増収↗︎減益↘︎ |
ギフト | 食事優待券 | 94,500 | 増収↗︎増益↗︎ |
ファースト宅建 | クオカード等 | 95,000 | 増収↗︎減益↘︎ |
Hamee | クーポン等 | 98,600 | 増収↗︎増益↗︎ |
グッドコムアセット | 自社ポイント | 120,000 | 増収↗︎増益↗︎ |
ビューティガレージ | 自社取扱商品 | 129,500 | 増収↗︎増益↗︎ |
東和フードサービス | 飲食券 | 135,000 | 増収↗︎増益↗︎ |
エイチ・アイ・エス | 旅行割引券等 | 147,000 | 減収↘︎減益↘︎ |
ロック・フィールド | 自社サービス優待 | 147,200 | 売上横ばい、減益↘︎ |
梅の花 | 飲食割引カード | 149,900 | 増収↗︎減益↘︎ |
フジ・コーポレーション | ギフトカード | 198,600 | 増収↗︎増益↗︎ |
伊藤園 | 自社製品 | 566,000 | 売上横ばい、増益↗︎ |
伊藤園第一種優先株式 | 自社製品 | 203,000 | 売上横ばい、増益↗︎ |
テンポスホールディングス | 食事券 | 204,800 | 増収↗︎増益↗︎ |
ベルグアース | クオカード等 | 223,500 | 増収↗︎増益↗︎ |
フリービット | 商品交換ポイント | 311,500 | 増収↗︎減益↘︎ |
フルスピード | 自社ポイント | 313,600 | 増収↗︎増益↗︎ |
くら寿司 | 飲食券 | 400,000 | 増収↗︎減益↘︎ |
正栄食品工業 | 自社製品等 | 400,500 | 増収↗︎増益↗︎ |
トーエル | 自社取扱商品 | 405,000 | 増収↗︎減益↘︎ |
アインホールディングス | 自社グループ商品券 | 623,000 | 増収↗︎減益↘︎ |
東建コーポレーション | 買物割引券 | 786,000 | 売上横ばい、減益↘︎ |
それでは、各銘柄の株主優待・チャート・業績を解説していきますね。
オリバー
オリバーは53年の歴史がある業務用家具・インテリアを扱う会社で、企画・納入・施工まで一貫して手がける大手企業です。
オリンピックに向けてで相次いだホテル建設で特需を受けた他、働き方改革でもオフィス向けインテリアの需要が増加していることで増収増益となっています。
スマホ操作で動く家具など、歴史ある企業ながら新しいことに積極的に取り組んでいます。
オリバーの株主優待
オリバーの株主優待内容はこちら。
- ・1,000円相当のジェフグルメカード
- ・2年以上継続保有の場合、2,000円相当
通常は1,000円相当のジェフグルメカードですが、長期優待特典として、2年以上の継続保有で2,000円相当にグレードアップします。
つまり、保有を始めてから最初の2回は1,000円相当しか獲得できませんが、3回目以降は2,000円相当になる、ということですね。
2020年3月27日時点の株価で、優待利回り0.3%(長期特典で0.6%)となります。また、配当利回りは1.42%ですので、優待と配当を足した総合利回りは1.72%です。
オリバーの事業内容・業績・株価チャート、そして買って良いかどうかはこちらの記事で解説しています。
大塚家具
大塚家具は2015年の創業家親子の”骨肉の争い”が話題になりました。
娘の久美子社長が父から経営権を奪取することに成功したものの、以降は業績が悪化の一途を辿り、最高値から20分の1の株価まで下落しています。
元々は競争の少ない高級家具を中心に扱う業態でしたが、競争の激しい低価格路線に移行したことで売り上げ低迷に歯止めがかからなくなっています。
大塚家具の株主優待
大塚家具の株主優待はこちら。
- ・買い物割引券
- ・100株保有で5%OFF、1,000株保有で7%OFF
割引系の優待はイオンなどが人気ですが、家具の割引券は使いどころに困りますね。
大塚家具の家具を買おうと決めている人にとっては良いかもしれません。
1万2千円ほどで3%割引を獲得できますので、有効活用できればかなり高い利回りとなります。
大塚家具の株主優待は金額換算できないものですので、権利落ち日でも株価が下がりにくく、獲得しやすい優待だと言えます。
大塚家具の事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
ビジョナリーホールディングス
ビジョナリーホールディングスは眼鏡専門店「メガネスーパー」の親会社です。
もともとはメガネスーパーの会社名で上場していましたが、低価格路線のZoffやJinsの台頭で業績が悪化し、2011〜2013年に3期連続で債務超過に陥りました。
ギリギリで上場廃止を免れたものの、創業家は退陣、代わりに投資ファンドが経営再建にあたり、2017年にビジョナリーホールディングスの子会社入りしました。ビジョナリーホールディングス上場と同時にメガネスーパーは上場廃止となりました。
ビジョナリーホールディングスの株主優待
ビジョナリーホールディングスの中核はメガネスーパーですので、株主優待もメガネスーパーの商品・サービスが中心です。
- ・100株以上で(1)(2)(3)各2枚
- ・1,000株以上で(2)(3)各5枚および(4)(5)各2枚
- ・100株以上1,000株未満の場合、5年以上継続保有でメガネフレーム券(10,000円)1枚を追加
(1)メガネレンズ仕立券(10,000円)
(2)トータルアイ検査コース券(4,000円)
(3)リラクゼーション10分券(1,000円)
(4)メガネフレーム券(30,000円)
(5)メガネレンズ仕立券(30,000円)
100株2万8千円で買える株ですが、100株保有で3万円分のサービスがもらえる破格の株主優待です。
サービス利用が前提となりますが、メガネスーパーユーザーには非常にお得。人を選ぶ優待ですが活用できるならぜひ獲得しておきたいですね。
ビジョナリーホールディングスの事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
トーシンホールディングス
トーシンホールディングスはauとソフトバンクの代理店を運営する企業です。
誰もが一度は行ったことがあるスマホショップですが、あのお店は携帯キャリアが直接運営しているわけではなく、トーシンホールディングスのような代理店が運営しているというのが実態です。
「SoftBank」「au」「Y!mobile」「UQ」を取り扱い、複数の携帯電話会社の強みを把握しているため、法人向けなどに最適な料金プランを提案できるのが強み。
通信関連の企業としては規模が小さく、競合に押されて売上高と営業利益は減少傾向にあります。
トーシンホールディングスの株主優待
トーシンホールディングスは不動産事業も展開しており、株主優待ではゴルフ関連の優待が多数用意されています。
- ・100株以上で(1)(2)(5)(6)
- ・300株以上で(1)(2)(5)(6)および(3)1ラウンド
- ・1,000株以上で(1)(2)(5)(6)および(3)2ラウンドまたは(4)1ラウンド
- ・1,500株以上で(1)(2)(5)(6)および(3)3ラウンドまたは(3)(4)各1ラウンド
(1)自社携帯ショップ利用時優待
(2)自社グループ運営ゴルフ場等プレー代金優待
(3)同平日無料招待
(4)同休日無料招待
(5)自社ゴルフレッスン施設利用優待
(6)自社ゴルフ練習場利用優待
この優待は補足説明が必要です。
まず(1)の自社携帯ショップ利用時優待ですが、この優待券はトーシンホールディングスが運営する店舗に限り、スマホ購入や契約時に割引を受けられる優待です。
利用できる店舗は愛知県、三重県、岐阜県、静岡県がほとんど。お店が遠い場合は使い所のない優待ですが、都内では板橋のau店舗で使うことができます。
詳しい値引き内容についてはトーシンホールディングスHPをご覧ください。
ゴルフ場の優待は以下の場所で利用することができます。近隣でゴルフをやる方にはぴったりの優待内容です。
- ・TOSHIN Golf Club Central Course(岐阜県)
- ・TOSHIN さくら Hills Golf Club(岐阜県)
- ・TOSHIN Princeville Golf Course(三重県)
- ・伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部(愛知県)
- ・リバーデールゴルフクラブ(愛知県)
トーシンホールディングスの事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
アイ・ケイ・ケイ
アイ・ケイ・ケイは大手ブライダル会社として年間4,800組の挙式・披露宴を手がけています。
ブライダル市場は縮小傾向にありますが、アイ・ケイ・ケイが得意とするゲストハウス型の結婚式場は堅調に推移しており、業績を拡大しています。
アイ・ケイ・ケイ(IKK)の株主優待
アイ・ケイ・ケイは株数に応じたお菓子と、自社運営店舗での食事優待券が用意されています。
- ・自社特選品(お菓子)
100株以上:1,500円相当、1,000株以上:3,000円相当、5,000株以上:5,000円相当 - ・食事優待券3枚
自社特選品は毎年内容が変わるそうですので届いてからのお楽しみ。
食事優待券は対象店舗で1,000~2,000円の値引きを受けることができます。店舗によってはドリンク等のサービス追加のみの場合もありますので、アイ・ケイ・ケイ公式サイトで確認しておきましょう。
アイ・ケイ・ケイの事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
ヤーマン
ヤーマンは家庭用美容家電を製造・販売する中堅企業です。
顏に付けるだけでEMSにより表情筋を鍛える「メディリフト」が人気商品。化粧品販売やトレーニングジム運営にも手を広げていますが、外国人観光客が減少したことによるインバウンド需要の減少を受け、2020年度業績予想を下方修正しています。
ヤーマンの株主優待
ヤーマンの株主優待は毎年変更されているため、都度確認する必要があります。
- ・自社商品のカタログギフト
- ・100株以上、保有2年未満:5,000円相当
- ・100株以上、保有2年以上:10,000円相当
- ・500株以上、保有2年未満:14,000円相当
- ・500株以上、保有2年以上:20,000円相当
優待の最低取得金額は6万7千円ほどですので、「100株以上、保有2年未満」の条件でも優待利回りは7.5%もあります。
保有2年以上なら倍の15%に跳ね上がりますので破格の優待ですね。
ただし、来年にはまた別の優待内容に変わる可能性が高い点に注意です。
ヤーマンの事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
いちごオフィスリート投資法人 投資証券
「いちごオフィスリート投資法人(=いちごオフィス)」は中規模オフィスに特化したリート(不動産投資信託)を扱う投資会社です。
この銘柄に投資するということは中規模オフィスに対して不動産投資を行うという事。いちごオフィスの利益は賃貸収入がメインですが、空室率0.6%と高い稼働率を維持することに成功しています。
いちごオフィスリート投資法人 投資証券の株主優待
いちごオフィスリート投資法人のスポンサーである いちご株式会社はJリーグのスポンサーとなっており、株主優待はJリーグ観戦チケットが抽選で当たるという内容です。
1株以上といっても1株6万8千円ほどですのでそれなりの金額です。
抽選に応募した株主に対して、年間4,000枚のチケットが抽選で配布されます。
「いちごオフィスリート投資法人 投資証券」の事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
ギグワークス
ギグワークスは営業支援や機器導入、技術者派遣まで行うIT企業です。
自由な働き方を追求しているギグワークスは、女性活躍推進企業として「なでしこ銘柄」に4年連続選定、健康経営優良法人2020(大規模法人部門)4年連続認定などの賞を受賞しています。
ギグワークスが派遣・受託を行う業種としては「店頭販売員派遣」「IT技術者派遣」「コールセンター受託」「レンタルオフィス」があり、いずれも堅調です。
ギグワークスの株主優待
ギグワークスは年2回の株主優待がある珍しい銘柄です。
約7万5千円で買える銘柄ですが、優待は1,000円分の価値で、年間配当利回りとしては2.6%。配当(100株で1,800円)と合わせた総合利回りは5.1%と良い利回りです。
- ・100株以上の保有で以下3種類から1つを選択
- ・①子供商品券1,000円分
- ・②ビットコイン1,000円分相当
- ・③公益財団法人SBS鎌田財団へ1,000円寄付
ビットコインを扱える人ならビットコイン1,000円分が現金に近く、一択ですね。
子供商品券はおもちゃやベビー服などとの交換に使えます。イオンやダイエー、トイザらスなど、多くの店舗で利用することができますよ。
利用可能な店舗はこちらをご覧ください。
ギグワークスの事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
アスカネット
アスカネットは葬儀用遺影加工や個人写真集制作が収益の柱です。
まだ収益化していないものの、空中に映像を投影する「空中ディスプレイ」が注目。海外を中心に特許出願を行っており、コストダウン・量産化に成功すればアスカネットの株価が急騰するのではという思惑があります。
アスカネットの株主優待
株主優待はアスカネットの個人アルバム制作サービスである「マイブック」の利用券です。
- ・自社サービス(MyBook)の割引券
- ・100株以上:1,000円割引利用券1枚
- ・400株以上:1,000円割引利用券2枚
- ・2,000株以上:2,000円割引利用券3枚
最低取得価格は9万円ほどですので、利回り約1%と、優待目的で買うには魅力が薄いでしょう。
アスカネットの事業内容・業績・株価チャートなどの投資ポイントと、買って良いかの判断はこちらの記事で解説しています。
ギフト
ギフトは2009年設立、2018年に上場した新しい会社で、横浜家系ラーメン「町田商店」を運営し、そのノウハウを軸に麺やスープなどの食材を提供するプロデュース事業を展開しています。
売上比率としてはラーメン直営店が76%、プロデュース事業が24%。ほぼラーメン屋の会社と考えて良いでしょう。
ラーメン消費量の多い北関東、東北に集中出店し業績を伸ばしています。
ギフトの株主優待
ギフトの株主優待は年2回貰うことができます。
金額が書いていない食事優待券ですが、お店のメニューがどれでも一品無料になるとのことで、金額換算すると1,000円以上の価値があります。
- ・100株以上:お食事優待券2枚(年4枚)
- ・200株以上:お食事優待券3枚(年6枚)
使えるお店はギフトのグループ直営店。お店のリストはこちらをご覧ください。
1枚の価値を1,000円とすると、100株保有の優待利回りは約4.4%です。配当を加えた総合利回りは6.4%とかなり良い利回りを確保することができます。
ギフトの株価チャート
ギフトの株価は2019年8月を頂点に下落傾向となっており、およそ半年で3分の1の価格まで下落してしまいました。
成長著しい企業ですが、株価上昇により株価指標(PER,PBR)が割高になったタイミングで成長期待が低下した結果、株価下落となりました。
ギフトの業績
2020年10月期の業績予想としては増収増益でしたが、新型肺炎の影響で外食産業は壊滅的ですので、ここから大きく下方修正されると予想しています。
優待内容や利回りは素晴らしいだけに、権利確定前に下落しすぎたら買いたい銘柄ですね。
ファースト住建
ファースト住建は住宅を建てて売る不動産会社です。
主な商品は低価格帯の戸建て住宅。他には注文住宅やマンション、そして住宅関連の保険商品を扱っています。
消費税が10%に増税されたことで採算が悪化し、利益が出せずに苦しんでいます。
ファースト住建の株主優待
ファースト住建の株主優待は1年以上の保有が条件です。
100株以上保有の場合は優待利回り0.6%。優待目的で買うには物足りない利回りです。
- ・100株以上(保有期間1年以上):クオカード500円分
- ・300株以上(保有期間1年以上):お菓子・食品・日用品から1点プレゼント
ファースト住建の株価チャート
1,300円前後で推移していた株価ですが、一時は700円割れにまで下落しました。
住宅在庫が100億円以上あることが負担になっており、住宅購入の税優遇が終わる6月までに在庫を減らせるかどうかが焦点です。
PER5.7倍、PBR0.38倍と指標上は超割安ですが、それだけ業績見通しが暗いと株式市場からは見られています。
ファースト住建の業績
売上高は横ばいですが営業利益は毎年減少し続けており、2019年は本業で稼ぐ力を表す営業キャッシュフローがマイナスです。
現預金を減らしながら経営している状況ですので、採算が向上しない限り、今後さらに厳しくなっていくでしょう。
一方、コロナウイルス対策の一つとして消費減税があり、これが実現した場合、大きな恩恵を受けることは確実。減税の一報が入ればこの銘柄は要チェックです。
Hamee
Hamee(はみぃ)はHappy e-mobile,easy e-commerceの頭文字です。
スマホやタブレット向けアクセサリーのデザイン・販売を手がけるEC小売業を営み、その知見を生かしたクラウド型EC事業支援システムの販売も順調。
業績が右肩上がりの成長企業です。
Hameeの株主優待
Hameeは2種類の株主優待を用意し、100株以上の保有でどちらかを選択することができます。
- ・モバイルアクセサリー専門店「Hamee本店」1,500円割引クーポン
- ・EC運営を自動化するシステム「ネクストエンジン」1,500円割引クーポン
「ネクストエンジン」は事業者向けサービスですので、基本的に「Hamee本店」の割引クーポン一択ですね。
「Hamee本店」はECサイトですので利用しやすく、スマホカバーやフィルム、充電器などスマホユーザー必須アイテムを取り揃えています。
優待利回りは1.6%、配当を合わせた総合利回りは2.2%です。
欲しい商品があれば魅力的な株主優待ですね。
Hameeの株価チャート
3月24日に自社株買いを発表し、翌3月25日はストップ高となりました。
自社株買い実施期間は4月1日〜5月31日、上限2億円、27万株を予定。今後安いところは自社株買いが入る可能性が高く、買いやすい銘柄です。
Hameeの業績
2019年度は営業利益が低下したものの、2020年は過去最高益を予想しています。
売上げも年々増加し好調。持ちやすく耐衝撃に優れたスマホケース「iFace」が好調のほか、auショップ向け卸販売が業績に寄与しました。
EC運営自動化するシステム「ネクストエンジン」も着実に伸び6.5%の増収です。
新型肺炎の影響を受けている様子はなく、自社株買いもあることから、連れ安になっている今は買い時と思います。
グッドコムアセット
グッドコムアセットは東京を中心に投資用物件を販売している会社です。
不動産の売り上げが97%を占め、わずかながら(3%)不動産管理業務でも売り上げがあります。
社員数100人未満と比較的小規模ですが、売り上げは急激に伸びており、2017年度売り上げがおよそ100億円だったのに対し、2020年度は3倍となる300億円を見込みます。
グッドコムアセットの株主優待
多くの銘柄が株主優待として利用している「プレミアム優待クラブ」のポイントが株主優待として用意されています。
- ・保有株数に応じて「プレミアム優待クラブ」のポイントが貯まる
- ・年2回ポイント付与
- ・100株以上:2,000ポイント(年4,000ポイント)
- ・500株以上:15,000ポイント(年30,000ポイント)
- ・1,000株以上:30,000ポイント(年60,000ポイント)
大抵の株主優待は100株が最も効率が良いですが、グッドコムアセットの場合は100株より500株の方がポイント付与が大きくなります。
年2回付与されるためどんどんポイントが貯まりますね。500株保有するには60万円ほど必要ですが、年3万ポイントもらえるのであれば悪くありません。
また、付与されたポイントは「WILLsCoin」と交換すれば利用期限が延び、他の銘柄で獲得したポイントと合算して利用することが可能です。
グッドコムアセットの株価チャート
グッドコムアセットの場合は新型肺炎騒動前から株価が下落していますが、2月後半以降は加速し、高値から半値ほどで推移しています。
直近の下落でPER5.8倍、PBR1.28倍と指標上は割安に。業績悪化が一時的なものに収まれば再上昇が期待できそうです。
グッドコムアセットの業績
上図の通り好調な業績ですが、2020年度の第2四半期までの業績は芳しくありません。
不動産の国内自社販売は前年同期比13%減、国内業者販売は61%減と、厳しい結果となっています。
大型台風や消費税増税による駆け込み需要の反動が主な要因ですので、外部要因ではありますが、これからどれだけ回復できるかが焦点となるでしょう。
ビューティガレージ
プロフェッショナル向け理美容機器や業務用化粧品扱う専門商社です。
主な顧客は理容室、美容室、エステサロン、マッサージ店、ネイルサロンなど。
EC販売が好調である他、知見を生かした美容業向け店舗設計も順調に拡大しています。
自社物流センターを保有し販売の効率化を図っています。
ビューティガレージの株主優待
株主優待は100株以上を1年以上保有することが条件です。
4,000円相当ですので優待利回りとしては3%超え。優待をもらえるようになれば魅力的な銘柄です。
商品内容は毎年変わりますが、2020年はシャンプー・トリートメントセットの予定です。
ビューティガレージの株価チャート
主な顧客が実店舗ですので、新型肺炎の影響を大きく受けています。
PERは16.8倍、PBRが1.97倍と、成長速度を勘案すれば割安であると言えそうです。
ビューティガレージの業績
2011年から一貫して増収増益。2020年も過去最高業績を見込みます。
EC販売は20%以上の伸びで好調で、国内が好調であることを背景に、今後はアジアを中心に海外展開強化を狙います。
2020年度は第1、第2四半期が好調だったものの、第3四半期は前年度並みとなり、売り上げが集中する第4四半期の決算が注目です。
東和フードサービス
東和フードサービスは椿屋珈琲、ダッキーダック、プロントなどを展開する外食チェーン企業です。
人件費高騰が営業利益を削っていますが、人気店舗を抱えており売上高は堅調。優待は利用できる店舗数が多く、2%の優待利回りも魅力です。
東和フードサービスの株主優待
東和フードサービスは年に2回(4月、10月)の株主優待を実施しています。
食事優待券がメインで、希望すれば自社製品詰め合わせに変更することも可能です。
・優待食事券(500円)を保有株数により進呈
・100株以上:3枚
・200株以上:4枚
・400株以上:7枚
・800株以上:14枚
・2,400株以上:24枚
・4,000株以上:36枚
【10月の優待内容】
・優待食事券(500円)を保有株数により進呈
・100株以上:2枚
・200株以上:3枚
・400株以上:7枚
・800株以上:14枚
・2,400株以上:24枚
・4,000株以上:36枚
100株保有で年間2,500円分の食事優待券がもらえ、優待利回りは約2%です。
東和フードサービスの株価チャート
1,600〜1,700円で推移していましたが、現在は1,300〜1,400円まで下落しています。
PER26倍、PBR1.76倍という指標ですが、PERは若干割高というところでしょうか。
配当は1株12円が予定されていますので、配当利回りとしては1%ほど。優待と合わせた総合利回りは3%となります。
東和フードサービスの業績
売上高、営業利益共に頭打ち感があります。
自己資本比率は70%以上と高く、財務は安定しています。
人気飲食店を抱える優良企業という印象で、優待目的で保有するには手堅い銘柄なのではないでしょうか。
エイチ・アイ・エス(HIS)
格安航空券のパイオニアとして業績を拡大し、エイチ・アイ・エスは大手旅行会社としての地位を確立しました。
好調な業績を維持していましたが、新型肺炎拡大による渡航制限が業績を直撃し、2020年度は赤字転落が予想されています。
現在の状況が長引けば現金が底をつき、経営破綻するリスクを抱えています。
エイチ・アイ・エスの株主優待
- ・株主優待券(1,000円)を保有株数に応じて進呈
- ・100株以上:2枚
- ・500株以上:4枚
- ・1,000株以上:6枚
優待券利用には条件があり、12,000円以上の旅行商品で1人1枚、24,000円以上で1人2枚利用という制限付きです。
旅行好きなら無駄なく使えるのでオススメですが、利用制限が厳しいため金券ショップでの買取も二束三文です。
エイチ・アイ・エスの株価チャート
2019年末は3,000円以上あった株価ですが、現在はその半値である1,500円ほどにまで急落してしまいました。
新型肺炎による影響が長引いても、国からの融資など支援を活用すればすぐに破綻することはなさそうですが、渡航制限という根本的な問題が解決するまでは株価が低迷するでしょう。
エイチ・アイ・エスの業績
2020年度は営業赤字に転落予想です。
新型肺炎が収束する目処が立たず、海外旅行が不可能な状況でどれだけ持ちこたえられるかが焦点です。
1年以上続くという予測もありますので、優待目的でHISを購入するのは危険と思われます。
ロック・フィールド
百貨店を中心に出店しているサラダ主体の高級総菜『RF1』が主力の食料品小売企業です。
RF1のほか、神戸コロッケ、いとはん、グリーン・グルメなど複数の業態を持ち、特に和・洋・アジアをテーマとした野菜の惣菜を販売するグリーン・グルメが伸びています。
業績は堅調ですが、人件費上昇により採算が悪化し苦しい状況です。
ロック・フィールドの株主優待
株主優待は100株から用意されていますが、100株保有だけでは自社オフィスへの招待券のみ。
優待で得をしたいという方は200株以上を保有する必要があります。
- ・100株以上:自社ファクトリー・オフィス見学会に招待
- ・200株以上:おそうざい券1,000円分
- ・500株以上:おそうざい券3,000円分
- ・1,000株以上:おそうざい券10,000円分
- ・3,000株以上:おそうざい券15,000円分
- ・5,000株以上:おそうざい券30,000円分
現在の株価は約1,400円ですので、200株を保有した優待利回りとしては0.35%。優待目的としては物足りない利回りです。
ただし、配当利回りが2.3%ありますので、合わせて2.65%と悪くない利回りとなります。
ロック・フィールドの株価チャート
株価は持ち直しつつありますが、大手証券会社から「弱気」のレーティング、目標株価1,150円をつけられており、新型肺炎の影響もあることから下がる可能性の方が高そうです。
3月初旬に業績予想が-14%下方修正されたことも悪材料。
ロック・フィールドの業績
売上高は堅調ですが、人件費上昇による採算悪化で2019年度、2020年度と営業利益が減少しています。
一方、新型肺炎による自粛ムードが自宅での「プチ贅沢」に向かうという予測もあり、新型肺炎の影響が案外軽微である可能性も。
梅の花
梅の花は高級和食店「梅の花」や低価格帯の居酒屋「さくら水産」、デパ地下向け持ち帰りずし「古市庵」を展開する企業です。
「梅の花」の業績が悪化したことで新たな収益源を模索し、「すし半」「さくら水産」を買収したという経緯があります。
売上高は増加したものの利益は出ず、厳しい経営状況です。
新型肺炎による影響により主優待制度が改悪され、ストップ安まで売り込まれました。
梅の花の株主優待
株主優待が改悪され、食事優待券(200株で6,000円分など)が廃止となりました。
ご優待証では、実店舗・通販での表示価格から20%割引になり、有効期限内であれば回数制限はありません。
梅の花の株価チャート
3月13日に株主優待改悪が発表され株価が急落。2回のストップ安を経て、2,200円あった株価は一時1,100円割れにまで落ち込みました。
株主優待によって人気を保っていたことが裏目に出た形で、優待利回りによって株価を保っている銘柄は危険であるということですね。
株主優待は企業が比較的自由に廃止することができます。
梅の花の業績
買収により売り上げ増となったものの、営業利益は赤字転落です。
利益剰余金も使い果たしてマイナスとなっており、財務的にも危険信号と見られ、回復の兆候が見られるまでは手出ししない方が無難です。
2019年から開始した持帰り業態が好調で、横展開が成功すれば業績回復もあり得ます。
フジ・コーポレーション
フジ・コーポレーションは宮城県に本社を置く、タイヤ・ホイール専門の小売企業です。
国内・海外の一流ブランンド商品を取扱うほか、自社開発・共同開発によるアルミホイールのオリジナルブランド開発し、デザインを重視した豊富な品揃えで大手との差別化を図っています。
国のキャッシュレス還元事業の対象外であることが現在の弱み。還元事業が終わる6月以降の盛り返しを狙います。
フジ・コーポレーションの株主優待
株主優待は1年以上の継続保有が必須条件。
100株保有での優待利回りは約3%と高く、金券ですので価値が高いです。
- ・100株を1年以上継続保有が優待条件
- ・100株以上:三菱UFJニコスギフトカード5,000円分
- ・1,000株以上:三菱UFJニコスギフトカード10,000円分
- ・5,000株以上:三菱UFJニコスギフトカード20,000円分
フジ・コーポレーションの株価チャート
一時は1,400円割れまで下落したものの切り返し、1,900円後半にまで戻しています。
PER6.5倍、PBR1.0倍と割安水準。
フジ・コーポレーションの業績
暖冬で冬タイヤ需要が減少したことと、国のキャッシュレス還元事業対象外であることから顧客が流出しました。
一方、EC販売の好調、タイヤ・ホイール値上げが利益に寄与し前年と同程度の営業利益を確保できる見込みです。
キャッシュレス還元事業対象外であるハンデが6月末に終わるため、以降の販売数量が上昇すれば増益が見込めます。
伊藤園
伊藤園は言わずと知れた茶葉・緑茶飲料の最大手メーカーです。
茶葉製品の仕入製造、飲料、特定保健用食品・栄養機能食品の製造販売が主な事業であるほか、コーヒーショップ「TULLYS COFFEE」運営も行なっています。
飲料の売り上げは気温の影響を受けやすく、2019年は冷夏だったことから販売数量は減少しました。一方、一部商品を値上げしたことで採算が向上し、利益を保つことに成功しています。
伊藤園の株主優待
株主優待は飲料をメインとした自社製品詰め合わせです。
- ・保有数に関わらず、自社製品の通信販売パンフレット(割引価格)
- ・100株以上:自社製品1,500円分詰め合わせ
- ・1,000株以上:自社製品3,000円分詰め合わせ
100株の投資で55万円ほどかかりますので、100株での優待利回りとしては0.27%です。
配当利回りは0.72%、優待と合わせた総合利回りは0.99%となりますが、長期投資の対象とするには利回りが低すぎますね。
伊藤園の株価チャート
2月後半以降の下落を帳消しにする見事な上昇を見せています。
2020年第3四半期は売上げ微減も営業利益8.6%増となり、決算発表が株価反発のきっかけとなっています。
証券アナリストからは少々割高であると判定されており、目標株価の平均は4,767円です。
伊藤園の業績
売上げ、営業利益ともに堅調です。
2019年度の伊藤園単体の営業利益は28%増と採算が向上しましたが、米国の子会社の業績悪化が足を引っ張り、利益の伸びは微増となりました。
自己資本利益率(ROE)は9.9%と高水準で、さすがの優良企業ですね。
伊藤園第一種優先株式
企業としては上の伊藤園と同じですが、銘柄としては別です。
「優先株」というのは議決権がない代わりに配当が多い株で、通常株が年間配当40円であるのに対し、この優先株では50円の配当が出ます。
伊藤園第一種優先株式の株主優待
優先株の株主優待は通常株と同じです。
ただし、通常株との合算はできません。
- ・保有数に関わらず、自社製品の通信販売パンフレット(割引価格)
- ・100株以上:自社製品1,500円分詰め合わせ
- ・1,000株以上:自社製品3,000円分詰め合わせ
伊藤園第一種優先株式の株価チャート
通常株の伊藤園とは別々の値動きです。
3月13日に最安値1,700円まで下落しましたが、その後持ち直し、2,000円台を奪還しました。
2,000円での配当利回りは2%です。
伊藤園第一種優先株式の業績
業績としては伊藤園と同じですので省略します。
テンポスホールディングス
テンポスホールディングスは業務用厨房機器販売を事業の柱とし、飲食事業者をターゲットとした内装設計、リース・クレジット取扱、販促支援、人材・教育サービスなどを展開する企業です。
特に中古厨房機器の再生販売は1社独占状態で、出店・退店どちらでも利益が生み出せるという特徴があります。
自社でも飲食店「ステーキのあさくま」などを運営しています。
テンポスホールディングスの株主優待
100株保有であれば無条件で8,000円分の食事券がもらえるため人気の株主優待です。
優待利回りは4.4%、配当を合わせた総合利回りは約5.0%と魅力的な利回りですね。
ただし、優待が使えるお店はテンポスホールディングスと資本関係はありません。お店ごとの事情で優待利用に条件をつけている場合があるので注意です。
使えるお店はテンポスホールディングス公式サイトIR情報で確認することができます。
テンポスホールディングスの株価チャート
飲食関連の事業ですので新型肺炎拡大の影響を受けていますが、他銘柄と比較して下落幅は少ない方です。
増収増益傾向の成長企業ですので、PER17.1倍、PBR2.13倍は割安と言えそう。
景気悪化は出店・退店が増加するためテンポスホールディングスのビジネスチャンスが広がり、今後も増収増益が見込まれるため値動きは底堅いと予想されます。
テンポスホールディングスの業績
台風禍や増税がマイナス要因だったものの、2020年度は増収増益を見込みます。
不況に強いビジネスモデルであることに加え、有利子負債ゼロ、自己資本比率60%以上と非常に強固な財務基盤を持ち、安くなれば長期投資用に買っておきたい銘柄です。
ベルグアース
ベルグアースは愛媛県に本社を置き、野菜を生産するために必要な「野菜苗」の生産・販売を行う企業です。
ベルグアースは根の部分と枝の部分を接合して1つの個体にする「接ぎ木」を得意とし、根の部分に病気に強い個体、枝の部分に目的の生産物を使って接合することで、病気に強い野菜苗を生産しています。接ぎ木苗生産では国内シェアトップを誇ります。
その他、農作物・農業資材等の仕入れ販売、流通を行い、海外にも事業展開をしています。
トマト・キュウ・ナス・スイカ・メロンなど果菜類の接ぎ木苗を主力商品として全国各地の野菜産地・ホームセンター・量販店に販売網を築いています。
ベルグアースの株主優待
100株の保有で最大4,000円相当の商品をもらうことができ、優待利回りは1.8%です。
- ・100株以上の保有で以下から選択
- ・4,000円相当のメロン2玉セット
- ・4,000円相当の寄せ植えセット
- ・3,000円相当のトマトジュース等詰合せセット
- ・1,000円相当のクオカード
4,000円のメロン2玉セットが魅力的ですね。トマトジュース等詰め合わせセットは日持ちするので無難な選択肢です。
「寄せ植え」とは異なる品種を一つの鉢で育てることで、植物栽培が好きな人には良さそう。
ベルグアースの株価チャート
ベルグアースの業績は季節に左右され、苗が育ちにくい冬場は赤字になるという特徴があります。
株価も1年周期で上下しており、1月を底値に5〜6月まで上昇を続け、7月以降に下落するというパターンです。
4月は収穫期。コロナショックで一押ししましたが、パターンとしてはこれから上昇に向かうと予想しています。
ベルグアースの業績
売上高は10年間一貫して上昇しており、PERは38.4倍と成長期待が株価指標に反映されています。
営業利益は2016年、2017年と赤字転落していましたが、新設農場の減価償却や営業強化による人件費増、事業の多角化に向けた海外事業部門の新設により支出が嵩んだことが原因です。
2018年からは営業黒字に反転し増益傾向。日本トップシェアに甘んじることなく積極的に近代化や海外展開を行う姿勢が市場で評価されています。
フリービット
フリービットはインターネット接続に必要な設備・施設を手がける企業で、ハードウェアからソフトウェアまで一貫したサービスを提供しています。
普段私たちが利用しているインターネットは、スマートフォンなどから発信された電波が基地局を通し、目的のIPアドレスまで最短経路で通信できるよう交通整理されています。
適切な通信が実現するためには様々な機器・ソフトが関与していますが、それらを統合して通信網を築いているのがフリービットの主幹事業です。
近年は不動産事業、ディスプレイ広告事業、webサイト構築事業など多岐に渡り事業を展開しています。
フリービットの株主優待
株主優待では「プレミアム優待クラブ」のポイントが進呈されます。
多くの企業が株主優待として利用しているサイトで、獲得したポイントを共通コイン「WILLsCoin」に交換すれば、他企業の株主優待で獲得したポイントと合算して利用することも可能です。
同じく4月末権利確定の銘柄「グッドコムアセット」もプレミアム優待クラブを利用しています。
- ・「プレミアム優待クラブ」のポイントを株数に応じて進呈
- ・500株以上:3,000ポイント
- ・1,000株以上:6,000ポイント
- ・10,000株以上:10,000ポイント
優待の対象となるのは500株以上ですので、必要投資額としては30万円ほど。
グッドコムアセットは12万円ほどの投資で年4,000ポイントがもらえますが、フリービットは30万円の投資で3,000ポイントですので、比較するとフリービットはポイントが少なめですね。
フリービットの株価チャート
年初から4割減という株価ですが、4月1日に自社株買いを発表したことが好感され、反転上昇しています(画像チャートは3月末まで)。
発行済株式の11.26%、上限20億円という大きな自社株買いですので、今後の株価の下支えになることが期待されます。
自社株買いの期限は9月30日まで。
フリービットの業績
年単位では増収増益傾向ですが、2020年度は減益を見込みます。
薬局や介護施設向けのITサービス「ヘルステック」や、語学eラーニングをはじめとした語学に関わる教育総合サービス「エドテック」の業績が下振れし、
第3四半期までの累計は前年同期比26.4%減益、通期予想も40%下方修正となりました。
携帯キャリアを中心とした5Gサービスが本格化するにつれてフリービットのビジネスチャンスも広がるはず。インターネットインフラ事業がなくなる可能性は低く、長期投資銘柄として検討したいですね。
フルスピード
フルスピードは上で解説したフリービットの子会社で、独自のインターネット広告技術でマーケティングと広告事業を展開しています。
フルスピードの株主優待
株主優待は親会社と同じく「プレミアム優待クラブ」の優待ポイントです。
- ・「プレミアム優待クラブ」のポイントを株数に応じて進呈
- ・800株以上:2,500ポイント
- ・900株以上:4,000ポイント
- ・1,000株以上:6,000ポイント
- ・2,000株以上:15,000ポイント
800株以上が優待条件ですが、保有数が上がるほどリターンが良くなり、2,000株を保有するのが最も得という優待内容です。
最低投資金額は約30万円から。約75万円(2,000株)の投資で15,000ポイントをもらうことができます。
フルスピードの株価チャート
3月16日に発行済株式の11.3%、6億円を上限とする大規模な自社株買いを発表し、ストップ高となりました。
400円割れである現在の株価は6年前以来の安値。指標はPER7.5倍、PBR1.4倍と割安な水準です。
フルスピードの業績
2014年以降、一貫して増収を続けています。
2020年は大手との契約切れに加え、ヘルステック、エドテック事業の成長が予想を下回ったことで成長鈍化につながりました。
しかし、経営の効率を示す純資産利益率(ROE)は16%以上と高水準を維持しており、優秀な経営成績であることがわかります。来期以降、中堅企業向けサービスで挽回を図ります。
くら寿司
くら寿司は関西を地盤に回転寿司「くら寿司」を直営で運営し、回転寿司チェーンとしては後発であるものの業界2位にまで成長しました。
添加物を使用しない安心・安全なコンセプトや、アニメティを重視した独自の運営方針が人気。
東海・関東・東北・九州エリアに店舗網を順次拡大し、国内店舗数は451店舗に上ります。海外展開は米国23店、台湾22店。
くら寿司の株主優待
くら寿司の株主優待は回転寿司「くら寿司」で利用できる食事券です。7月中旬あたりに郵送されます。
- ・100株以上:食事券2,500円分
- ・200株以上:食事券5,000円分
- ・500株以上:食事券10,000円分
500円綴りの食事券ですので無駄なく利用できます。
200株以上なら食事券の代わりに株主優待品も選ぶことが可能。2019年の株主優待品はこちら。
くら寿司の株価チャート
直近の下落で6年前の水準まで下落しています。
証券アナリストのレーティングは5(強気)となっており、目標株価は現在の株価から8割ほど高い6,050円が示されています。
強気の理由は客単価の上昇で、高価格帯のメニューが好調なことから、飲食業界の競争激化による客数減少を補って増益を達成しています。
今後の景気悪化に伴って目標株価が見直される可能性が高いですが、飲食業界の中では高い競争力を維持していることには変わりなく、株価3,000円前後は割安水準でしょう。
くら寿司の業績
過去10年で連続増収で、2019年は営業利益が落ち込んだものの、2020年は営業利益微増を見込みます。
営業利益の落ち込みは、外食産業全体的に人件費・原料費上昇の傾向にあり、その煽りを受けたためです。
2020年は高級志向スイーツブランド「クラロワイヤル」や天然魚を使った寿司など高価格帯商品がヒットし、純資産利益率(ROE)10%超えを予想します。
正栄食品工業
製菓・製パン業界を中心として食品原料を販売する食品商社です。多様な用途に応じた食品原材料を、仕入・加工・製造・販売まで一貫して行うことに強みがあります。
主力商品は乳製品とナッツ類。米国と中国に海外展開しており、現地で農園経営や加工、流通、販売まで行っています。
日本での売上高が8割を占め、米国、中国がおよそ1割ずつという比率ですが、海外事業は新型肺炎による影響が直撃しています。
正栄食品工業の株主優待
主な株主優待は100株保有でもらえる自社商品詰め合わせ。
ボリュームが多く、ナッツ類が充実しているの点が人気です。
- ・100株以上保有で自社商品(お菓子類)詰め合わせ。さらに保有株数に応じて通販カタログ割引券(50%OFF)。
- ・500株以上:1枚
- ・1,000株以上:2枚
- ・3,000株以上:3枚
- ・5,000株以上:4枚
保有数に応じてもらえる通販カタログは500株が最低条件なのでおまけ程度です。自社通販サイトで50%OFFになりますが、1枚につき3,300円が割引上限となっています。
正栄食品工業の株価チャート
コロナショックによる影響で下落していましたが、2020年度第1四半期の決算発表が好業績だったことを受け反転上昇し、下落前以上の株価まで回復しています。
正栄食品工業の業績
売上高、営業利益ともに頭打ちである印象です。
下落傾向だった営業利益は2020年に増益を見込みますが、売上高の2割を占める海外が壊滅的であることに加え、国内販売も不透明で、業績予想の修正もありえそうです。
自己資本比率は50%超え、有利子負債も預金残高以下に抑えられており、強固な財務基盤を誇ります。一時的な売上げ不振でも問題なさそうです。
トーエル
生活のライフライン(水・ガス・電気・通信)に関わる事業を展開する企業です。
主な事業内容は、LPガス販売・工事、水販売、光通信、電気、植物工場など多岐に渡り、売上げ比率としてはエネルギー74%、水26%となっています。
トーエルの株主優待
株主優待の対象となるのは500株以上からで、自社取扱商品をもらうことができます。
- ・500株以上:自社取扱商品(ピュアウォーターなど)合計1,500円相当
- ・1,000株以上:自社取扱商品(ピュアウォーターなど)合計3,000円相当
2019年度はペットボトル水に加えカレンダーと激落ちくん(1,000株以上ではタオル)が進呈されました。
500株以上の投資には35万円以上が必要ですので、優待目的で買うには優待利回りが低いですね。
配当利回りは2%ありますので、配当目的としては検討の余地があります。
トーエルの株価チャート
2020年第3四半期決算が営業利益17.1%減益と、従来の増益予想から一転、2桁減益となりました。
それを受け株価は500円割れまで下落しましたが、突如反転上昇し、一時800円まで回復しています。
特に好材料が出たわけではありませんので不思議な上昇です。
トーエルの業績
売上高、営業利益共に横ばいです。
LPガスが主力であるために暖冬の影響を受けやすく、近年は営業利益率の低下に苦しんでいます。
宅配水の売り上げは伸びているものの利益率の低いOEM(顧客商標による受託製造)が主。今後の成長戦略が見えずPBRは1倍を割っています。
アインホールディングス
国内トップの調剤薬局チェーン。
保険調剤薬局「アイン薬局」、コスメ&ドラッグストア「アインズ&トルペ」を運営し、傘下に「あさひ調剤薬局」「メディオ薬局」等を持ちます。
資本業務提携やM&Aで業容を拡大しており、2008年セブン&アイHDと資本・業務提携、2014年総合メディカルHDと薬局関連事業領域で業務提携、静岡最大のメディオ薬局買収、2015年四国最大の調剤薬局チェーンのNPホールディングスを子会社化、2016年全国チェーンの葵調剤を子会社化などがあります。
2020年3月末には病院などで全国400店超の売店運営を行うシダックス子会社を買収し、調剤薬局事業とのシナジーを目指します。
アインホールディングスの株主優待
株主優待はシンプルですね。
商品券が使える場所は調剤薬局とドラッグストア(アインズ&トルペ)で、ドラッグストアは北海道・首都圏を中心に全国展開しています。特に首都圏は店舗数が多いので困ることはないでしょう。
使えるドラッグストア店舗一覧はこちらをご覧ください。
アインホールディングスの株価チャート
乱高下しつつも6,000円前後で推移しています。
みずほ銀行は目標株価6,500円、野村証券は8,000円を発表していますので、現在の株価は若干割安という判断です。
コロナウイルスによりマスク・消毒液の需要が高まっており、ドラッグストア関連株は堅調です。
アインホールディングスの業績
好調な売上高成長を維持しています。
新規出店やM&Aが功を奏し、2020年上半期は前期比108%の成長を達成しました。
調剤薬局事業は好調である一方、ドラッグストアをメインとする小売事業は新規出店による先行投資や新型肺炎の影響を受けて2割以上の減益となっています。
全体としては着実に成長しており、財務的にも健全であるため、証券会社からは良い評価を受けています。
東建コーポレーション
不動産の建築・管理・仲介を一貫して行う建築会社です。
地主に対して賃貸住宅経営を提案し、ワンストップで建築〜入居まで提供できることが強み。
東建コーポレーションの株主優待
株主優待はゴルフ場・宿泊施設の利用チケットがメインで、1,000株以上では新米・ミネラルウォーター・焼酎から一つを選択してもらうことができます。
100株でも70万円以上の投資が必要ですので、1,000株は700万円となり、優待目的で買うにはハードルが高い銘柄です。
・ゴルフ場5,000円割引券4枚またはハートマークショップ4,000円割引券
・東建ホームメイトカップ観戦チケット2枚(希望者のみ)
・ホテル多度温泉宿泊30%割引券(希望者のみ)
【1,000株以上】
・ゴルフ場平日1年カードまたはハートマークショップ5,000円割引券
・新米(5kg)/ミネラルウォーター(500ml×48本)/焼酎(900ml×4本)よりひとつ選択
・ホテル多度温泉無料宿泊(1泊)ペア招待券(希望者のみ)
・東建ホームメイトカップ観戦チケット2枚(希望者のみ)
【2,000株以上】
・ゴルフ場全日1年カードまたはハートマークショップ6,000円割引券
・新米(10kg)/ミネラルウォーター(500ml×96本)/焼酎(900ml×8本)よりひとつ選択
・ホテル多度温泉無料宿泊(1泊)ペア招待券(希望者のみ)
・東建ホームメイトカップ観戦チケット2枚(希望者のみ)
ゴルフ場や宿泊施設の詳細については公式ページを参照してください。
東建コーポレーションの株価チャート
コロナショックで一時的に下げたものの、V時回復して元の株価に戻りました。
大手証券会社の目標株価は7,000円に設定されており、PBR1倍、PER10倍という現在の水準が適正と見られています。
東建コーポレーションの業績
売り上げは過去2年で頭打ち、営業利益は減少傾向にあります。
3月12日に発表された第3四半期決算は営業利益24%減でした。金融機関の賃貸向け住宅ローン審査が厳格化され、新築の着工戸数が14.2%減少し、東建コーポレーションの収益機会が減ったためです。
配当は従来通り1株220円が維持される見通しで、配当利回りは3%超え。魅力的な配当ではありますが、建築業界は厳しい見通しですので、長期投資は怖い面があります。