SBIホールディングスは利回り5%超えの高配当銘柄で、長期保有により大きなリターンが期待できます。
しかし、高配当銘柄には危険がつきもの。
配当以上に株価が下落したり、配当そのものが減らされるリスクを孕んでいます。
そのため、今後どれだけの利益が得られるのか、リスクはどの程度かを踏まえて買い判断をする必要があります。
本記事では、SBIホールディングス100株を3年間保有して得られるリターンを計算した上で、買って良い銘柄なのかどうかを判定しました。
結論:SBIホールディングスは「買い」
本記事の結論から言ってしまうと、SBIホールディングスに3年間・100株を投資したリターンは+50%が予想され、「買い」という判断になりました。
まず配当ですが、2025年3月期まで年間+10円の増配が行われ、+4.8万円の利益になると予想されます。
また、株価は2025年までに3,500円回復を予想しました。
現在株価(2022年6月末時点)がおよそ2,700円ですので、+8万円の利益になる計算です。
さらに株主優待で年間2,000円、3年間で6,000円相当の暗号資産が受け取れます。
以上を合計すると+13.4万円となり、投資額27万円に対して+50%の利益が獲得できる、という予想です。
今後の配当の見通し
2023〜2025年の配当予想
SBIホールディングスは配当利回りが5%を超える高配当銘柄です。
業績が順調に伸びていることから、高配当は今後も継続する可能性が高いでしょう。
以下の表は2025年3月期までの配当予想です。
160円までの増配は大手証券会社も予想しており、順調にいけば2025年3月期はさらに増配されて170円に達すると予想しました。
決算期 | 配当予想 |
---|---|
2023年3月期 | 150円 |
2024年3月期 | 160円 |
2025年3月期 | 170円 |
100株・3年間の保有で+4.8万円
上の配当予想から、100株を3年間保有した場合の配当総額は4.8万円に達します。
本記事執筆時点での株価はおよそ2,700円ですので、27万円の投資に対して4.8万円の確定リターンです。
3年間でおよそ+18%のリターンは株式投資として優秀です。
減配の懸念はあるか?
EPS600円超えに対して160円前後の配当ですので、配当性向は余裕があります。
よほどの業績悪化とならない限り、減配の可能性は低いでしょう。
ただし、世界的なインフレは懸念材料です。
金利上昇は債券価格を下落させますので、SBI傘下企業の保有資産が減少し、損失を受ける可能性があります。
また、景気後退によって事業環境が悪化する懸念もあります。
減配のリスクは一定存在すると認識しておくべきだと考えています。
今後の株主優待の見通し
SBIの株主優待の内容
株主優待ではどれだけの利益が見込めるでしょうか。
数種類の優待が用意されていますが、利益として認識できるのは「暗号資産進呈」の優待です。
この優待では、SBI傘下の暗号資産取引サービス「VCトレード」にて、2,000円分のXRP(暗号資産の一種)を受け取れるクーポンコードが受け取れます
1,000株以上を1年以上保有すれば8,000円分にグレードアップしますが、270万円もの資金が必要ですので、ここでは議論の対象外とします。
3年間の保有で+6,000円
年間2,000円の優待ですので、3年間保有すれば+6,000円の利益が見込めます。
投資額27万円に対するリターンとしては2%程度となります。
利回りとしては小さいですが、受け取ったXRPを保有し続けることで値上がり益を狙えるという楽しみ方もありますね。
優待改悪の可能性あり
公平な株主還元を求める声が高まっている中、SBIも優待改悪、あるいは廃止に踏み切る可能性があります。
優待銘柄として人気だったJTやオリックスが優待を廃止したので、業界のリーダーであるSBIが優待を廃止しても不思議はありません。
とはいえ、廃止されたとしてもダメージは小さいです。
今後の株価の見通し
株価指標は明確に割安
SBIホールディングスの株価は、指標面では明らかに割安です。
実績PBRは2022年6月末時点で0.71倍。
これまでは1倍超えで推移してきたので、過去のPBRと比較すると最安値水準にあたります。
PBRが低下した理由は?
グラフから2022年3月頃にPBRが急低下していますが、これには理由があります。
国内7位の新生銀行を傘下に取り込んだためです。
SBIホールディングスは新生銀行の株を47.77%取得し、2021年12月に子会社化することに成功しました。
新生銀行の資産がSBIのバランスシートに加算されたことで、BPS(1株あたり純資産)が2,292円→3,770円と急増し、PBRが大きく下がったのです。
株価3,500円回復が想定線
今後、新生銀行の業績立て直しや、SBI本体のさらなる成長により、PBRは以前の1.0倍程度まで回復すると予想しています。
現在のPBRは0.71倍ですので、PBRが1.0倍まで持ち直せば株価は+40%上昇することになります。
現在株価である2,700円から40%上昇した株価は3,780円。
少なくとも3,500円までの上昇が想定線となります。
株価上昇で+8万円の利益
2,700円で100株買い、3,500円まで上昇すれば+8万円の含み益です。
リターン率はおよそ30%。3年間の投資でこれだけ取れれば御の字ですね。
値上がり益は配当益と違って不確実性が高いですが、SBIのパフォーマンスから考えれば、これくらいの株価上昇は十分期待できるはずです。
3年間・100株保有で得られる利益合計
合計13.4万円の利益を予想
以上、SBIホールディングスに3年間投資して得られるリターンを見てきました。
リターンの合計額はこちらです。
- 配当益:+4.8万円
- 株主優待:+0.6万円
- 値上がり益:+8万円
→合計13.4万円
楽観予想では+50%のリターン
27万円の投資に対して13.4万円の利益ですので、リターン率はおよそ50%にも上ります。
楽観予想ではあるものの、見込まれるリスクに対して十分大きな期待リターンです。
うまく行けば、さらに次の3年で投資原資を回収できるかもしれませんね。
悲観予想でのリターンは?
悲観予想をもとにしたリターンはどれくらいになるでしょうか。
最悪を想定すればキリがないですが、現状見えているリスクシナリオは次の3点です。
配当性向に余裕があるため、配当・優待の維持は可能でしょう。
しかし、いずれかのリスクが実現した場合、株価は停滞する可能性が高いと思われます。
悲観予想でのリターンは、増配無しでの3年分の配当である4.5万円がせいぜいでしょう。
まとめ
SBIホールディングスが買いなのかについて、今後3年間で獲得できる利益予想から考察しました。
その結果、配当や株価上昇を見込んだ予想リターン率は+50%と非常に優秀で、買っても問題ない銘柄だと言えそうです。
一定のリスクが存在するのも事実ですが、損失リスクを上回る期待リターンがある銘柄だと考えています。
次の項目から、配当利益・優待利益・株価上昇利益の3つの要素について詳細を解説していきます。