黒字転換した青山商事で「増配」と「株価上昇」が狙えそうな理由




青山商事が黒字転換を果たし、株価は上昇しています。

コロナ禍では最大389億円という巨額赤字に陥り、株価は2,000円台から500円割れまで下落しました。

しかし、2024年には業績が完全回復する見通しです。

現在は900円付近まで回復し、今後もさらなる上昇が期待できると予想しています。

管理人

ちなみに、私は青山商事を1,500円で100株買ってしまいました。現状−6万円の含み損ですが、戻りを期待して保有しています。

169億円の巨額赤字を計上した青山商事。株価復活の可能性はあるか?

巨額赤字から一転、黒字転換

青山商事は新型コロナ以降、2年連続の赤字に転落しました。

2020年3月期は純利益−169億円の赤字、2021年3月期は−389億円の赤字でした。

そのため、現金残高が急激に減少し、2〜3年で危機的状況になる危険がありました。

青山商事の業績はV字回復し、黒字転換を果たした。出典:マネックス証券

しかし、2022年3月期の業績はV時回復。

13.5億円の黒字転換となり、少なくとも倒産の危機は回避したようです。

株価はゆるやかに上昇中

黒字化を受けて株価は上昇しています。

黒字化の決算が発表されたのが5月13日です。

その翌日の株価は、718円から775円と約8%急騰しました。

黒字化をきっかけに株価は上昇した。出典:日本経済新聞

その後も上昇トレンドが続き、6月には900円台に到達。

以降、900円前後の株価を維持しています。

今後、さらなる業績回復が実現できれば、1,000円台奪還も十分期待できそうです。

2024年に業績が完全回復

四季報の業績予想によると、2024年3月期にコロナ前の純利益を回復する見通しです。

以下が四季報の業績予想です。

決算期売上高営業利益純利益
2019/3(参考)2,503億円146億円57億円
2023/31,845億円59億円24億円
2024/31,900億円80億円55億円

コロナ前の2019年3月期の純利益は57億円でしたが、2024年3月期には55億円まで回復する予想です。

ただし、売上高は2019年よりも2割以上低い水準です。

それでも固定費を削減したことで同程度の利益を確保できると予想されます。

2年連続の赤字決算を受け、青山商事は人件費やテナント費などの固定費削減に取り組みました。

その結果、経営がスリム化され、利益が出やすい体質となったのです。

今後の配当予想

2024年までの配当予想

青山商事の配当方針は、純利益の30%を配当に回す、というものです。

そこで、今後の業績予想から配当予想を作成しました。

参考までに2019年3月期以降の実績も載せています。

決算期1株配当
2019/3105円
2020/350円
2021/30円
2022/38円
2023/314円
2024/333円

配当はコロナ前に届かず

業績は2024年3月期までに回復する見通しですが、配当の回復は遅れそうです。

なぜなら、コロナ前の配当性向は80〜90%だったのに対し、現在は30%まで引き下げられたためです。

そのため、今後数年間は低い配当額となってしまうでしょう。

2025年以降は増配見込み

ただし、配当性向30%は2024年3月期までと期限が切られています。

いきなり80〜90%に引き上げられることはないと思いますが、徐々に配当性向が引き上げられ、配当額も上がっていくでしょう。

したがって、2025年3月期以降の配当は増配が続くことが期待できそうです。

今後の株価予想

株価上昇を予想

では、今後の株価はどのように推移するでしょうか。

青山商事の業績はどん底からの回復途上にあります。

なので、株価も上昇トレンドになると予想しています。

また、世界景気の悪化に伴い、内需株が相対的に強くなることも支援材料です。

2024年に株価1,600円回復

次に、具体的な予想株価を考えてみます。

2024年3月期にコロナ前の業績まで回復することから、株価もコロナ前まで戻ると予想できます。

では、コロナ前の株価はいくらだったでしょうか。

以下が青山商事の株価チャートですが、2019年当時の株価は2,000円前後でした。

したがって、株価2,000円が戻り後の基準となります。

しかし、コロナ前よりも財務が傷んでいることから、多少割り引いて考えたほうが良さそうです。

財務悪化を踏まえ、株価1,600円が2024年頃の予想株価と考えています。

まとめ

青山商事の今後の株価予想について考えてみました。

2024年3月期に業績がほぼ完全に回復するという予想から、今後は株価上昇が期待できそうです。

具体的には、コロナ前の株価から若干割り引いた、1,600円くらいまでの回復を見込みます。

青山商事はコロナ禍を経て経営がスマートになっています。

そのため、業績がしっかり回復すれば、以前より魅力的な銘柄になることでしょう。