東京電力の株価は今後どうなる?1,500円まで上昇を予想する根拠




原発再稼働の期待が高まり、東京電力の株価が上昇しています。

柏崎刈羽原発6,7号機の運転禁止が2023年末に解除されて以降、運転再開に向けた動きが活発です。

原発再稼働に向けた主な動き
  • 2023年12月27日・・・柏崎刈羽原発の運転禁止命令が解除
  • 2024年2月25日・・・原子力規制委員へ使用前確認の申請を発表
  • 2024年3月15日・・・再稼働に向け、経済産業相が新潟県知事へ説明を行うことを発表

早ければ2024年春にも7号機が再稼働に向かうようです。

地元の同意といった不確定要素はあるものの、1基でも再稼動すれば1,200億円もの損益改善となり、株価は大きく上昇するでしょう。

再稼働の実現により、株価1,000円回復の可能性は高く、勢い1,500円回復も望めます。

本記事では、柏崎刈羽原発6,7号機の再稼働を前提に、今後の株価を予想していきます。

東京電力ホールディングスのアイキャッチ画像

原発再稼働で業績改善

2027年に純利益2,000億円へ

原発が首尾よく再稼働できた場合、純利益は2,000億円に到達すると予想されます。

日本経済新聞やS&P Globalにおいて、原発再稼働なら経常利益3,000億円に達すると予想されています。

経常利益3,000億円なら、純利益では2,000億円を確保できるでしょう。

以下、参考記事のリンクを貼っておきます。

目標達成なら利益4,500億円

東京電力や国の目標としては、2027年度以降に純利益4,500億円が掲げられています。

東京電力は、廃炉や賠償の費用として毎年5000億円を確保したうえで、2027年度以降、グループ全体で毎年4500億円規模の利益を出すという目標を掲げています。

引用:巨額の除染費用を賄えるのか 東電株価 目標水準近づかず

原発1基の再稼働で1,000億円超の損益改善になることから、6号機と7号機の両方を再稼働できれば、純利益4,500億円は到達可能でしょう。

直近の純利益は2,500億円ほどのため、実現すれば利益は2倍程度に改善します。

ハードルはあるが、いずれ再稼働が必然

原発再稼働に向けたハードルは地元住民の同意です。

反対論が根強いとされ、同意を得られるかは不透明と見られています。

しかし、関東における電気料金の高止まりや、エネルギー自給率が低いといった問題が顕在化してきました。

また、東京電力の業績が改善しないことには、福島第一原発向けの賠償金支払いが進みません。

したがって、いずれは再稼働するのが必然であると考えられます。

再稼働の期待で株価急騰

一時900円を回復

2023年末から原発再稼働の動きが活発化し、株価が大きく動きました。

それまでは600円台が定着していましたが、2024年3月時点で一時900円に到達しています。

ただし、年金基金などの大口投資家は参入しておらず、個人投資家の売買が主のようです。

原発再稼働に向けた動きを受け、株価は急騰した。

東京電力HDは無配なので年金基金などの大口投資家はほとんど保有していません。

再稼働実現ならまだ割安

原発再稼働が実現する前提で見ると、株価900円でもまだ割安です。

株価900円は、純利益2,000億円(アナリスト予想)ならPER7.2倍、純利益4,500億円(東電目標)ならPER3倍という水準でしかありません。

純利益2,000億円ならやや割安、純利益4,500億円なら相当な割安水準です。

したがって、上値余地はまだ残されています。

金利上昇の懸念

6兆円の負債が重荷

業績を押し下げる懸念材料として、金利の上昇があります。

東京電力は賠償金支払いなどが原因で有利子負債を多く抱えます。

その額は6兆円に達し、金利が上昇すれば利払いが大きな負担になるでしょう。

有利子負債は9月末で6.2兆円と再び増加傾向だ。4月には銀行団から4000億円の緊急融資を受けた。短期借入金の比率は約4割に高まっている。

引用:東電、見誤った2つの「再」 原発稼働なら3000億円

直近の利払いは年483億円

2023年3月期は利払いが483億円でした。

今期の純利益は2,000億円あまりなので、既に利払いが相当な負担になっています。

2023年3月期の利払いは483億円にものぼった。出典:2023年3月期 決算短信

企業向け貸出金利がすぐに上昇する可能性は低いですが、数年単位では上昇に向かうと思われます。

その時、利払いが増加して業績を押し下げることが懸念されます。

配当は期待できない

賠償優先で無配

東京電力からの配当は長期にわたって期待できません。

賠償金支払いで苦しく、株主に配当は出せない状況です。

もしわずかでも配当を出せば批判にさらされるでしょう。

したがって、東京電力株を買った場合の利益は、基本的に値上がり益のみです。

大口投資家はそっぽ

無配なので東京電力は機関投資家からの買い対象になりません。

国が株を握っていることや、賠償問題を抱えていることから、アクティビストの参入も見込めないでしょう。

大口投資家の不在が株価が上がりにくい一因となっています。

10年先なら復配の可能性も

賠償金を払い終えて、復配に成功すれば機関投資家が参入してくるでしょう。

そうなれば、株価2倍や3倍も狙えます。

速くても10年先かと思いますが、それくらい握っておく覚悟があれば、復配狙いで買うことも選択肢になります。

今後の株価予想

中長期では1,500円がターゲット

原発2基が首尾よく再稼働し、他の原発も再稼働に向かえば、純利益4,500億円は達成できるでしょう。

その場合、1株利益は280円となります。

過去の平均的なPERである6倍を適用すれば、株価は1,680円です。

したがって、中長期では1,500円超えがターゲットになってくるでしょう。

予想株価の計算

予想株価=280円(1株利益)×6倍(過去平均PER)=1,680円

柏崎刈羽6,7号機の再稼働で株価1,000円超え

直近で期待されている柏崎刈羽6,7号機の再稼働が実現すれば、株価1,000円超えの可能性が高いと考えています。

純利益2,000億円は安定して出るようになるため、株価1,000円でも割高感はありません。

純利益2,000億円、株価1,000円での株価指標
  • 予想PER・・・8倍
  • 実績PBR・・・0.76倍

さらに、他の原発の再稼働にも弾みがつくため、将来の再稼働を織り込みにいく可能性があります。

そうなると、早々に1,500円に到達することも期待できるでしょう。

再稼働延期なら株価600円へ下落

日本政府としては2024年中に再稼働を決めたいようですが、地元の同意を得られるか不透明です。

もし、2024年中に見通しが立たなければ、投資家の失望により株価は下落するでしょう。

下落目途としては、期待が高まる以前の株価水準である600円が目安となります。

国による株式売却はどうなる?

30億株超を国が保有

大きな懸念材料として、国による株式の大量売却があります。

賠償金を補填するため、株価300円の時に国から1兆円を調達しました。

そのため、国が30億株以上という途方もない株数を保有しています。

将来的にこの株を売却し、東京電力に貸した賠償金を回収する狙いです。

売却なら株価急落

現在の普通株式数はおよそ16億株なので、30億株が売却されれば株式数が3倍に膨れます。

そうなれば、需給が崩れて株価は急落するでしょう。

理屈としては、株価が3分の1になるのが妥当です。

賠償金を完全に補填するには株価1,500円で売却する必要があり、逆算して株価4,500円まで上昇してから売らなければなりません。

売却実施は遠い未来

株価4,500円に到達する必要があることから、国が売却に動くのは遠い未来です。

そこまで株価が上がるのは、賠償金問題がクリアされ、業績の大幅改善と復配が実現してからでしょう。

したがって、現時点で国からの大量売却を心配する必要はありません。

まとめ

原発再稼働が実現するシナリオをメインに、今後の株価について考察しました。

再稼働によって数千億円規模の収支改善が見込めることから、再稼働の可否によって今後の株価が大きく変わります。

もし再稼働できれば1,000円を余裕で超える反面、できなければ株価600円に逆戻りでしょう。

ただ、上値は大きい一方で下値は限られている点が魅力です。

原発活用は国策でもあることから、再稼働に賭けて東京電力を買っておくのはアリだと考えています。




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