以前、「7兆円企業「美団点評」の日本版を目指すタイムバンクの未来」で予想した通り、タイムバンクが外部からの資金調達に成功しました。
2019年11月時点でユーザー数150万人を突破したタイムバンクですが、目指してるユーザー数はもう一桁上であり、最終的に「サービスのAmazon」と言えるほどの規模を目指しています。
主な投資ファンドにLINE Ventureが含まれることから、LINEショッピングにタイムバンクが登場するのではと予想しています。
今回は、39.5億円の資金調達から見える今後のタイムバンクについて考察してみましょう。
目次
調達した39.5億円の使い道
発表によると、調達資金は次の用途に投入されます。
- ・ユーザー拡大のための広告費
- ・商品、サービス販売の事業者の開拓
広告費が含まれていることから、従来のインスタグラムでの広告だけでなく、テレビCMが再開される可能性が高いでしょう。
タイムバンクのCMは2019年5月から6月にかけて放送され、一時はアプリのライフスタイルカテゴリで1位となり、ユーザーを急拡大した経緯があります。
次にCM放送が始まれば300万ユーザーも射程に捉えるのではないでしょうか。
一方、事業者の開拓については、営業人員に対する給与や経費に充てられると思われ、ユーザーからは見えないところで使われると思われます。
これからさらなる商品・サービスのラインナップ拡充に期待です。
タイムバンクへ出資した投資ファンド
LINE Venturesとジャフコが主
ジャフコは言わずと知れた日本随一のベンチャーキャピタルで、東証一部にも上場しています。
LINE Ventureは名前の通りLINE株式会社が手がける投資会社で、革新的なビジネス、あるいはLINEグループとのシナジーがある事業へ柔軟に投資を行います。
それぞれを簡単にご紹介します。
将来は株式上場も視野
ベンチャーキャピタルが出資したということは、目指すところはIPO(新規公開株売出し)ということになるでしょう。それがベンチャーキャピタルが投資する最大の目的です。
上場基準の比較的緩い東証マザーズであれば、以下の条件で主な上場要件を満たすことができます。
- ・株主数 :200人以上
- ・時価総額:10億円以上
- ・事業継続年数:1年以上
株主数はともかく、時価総額と事業継続年数はクリアしているとみて間違い無いでしょう。
もちろん、上場の要件はこれだけでなく、上場企業にふさわしいかを総合的に判断する審査を通過する必要があり、すぐにIPOというのは無理があります。
しかし、事業開始から2年半で上場した例もあることから、来年、あるいは再来年に上場することは視野に入れているはずです。
LINEグループとの協業も
LINE Ventureからの出資により、LINEグループと協業する可能性が出てきました。
LINEグループと一口に言っても、私たちが普段使っているメッセンジャーアプリ以外にもゲームや音楽、個人投資サービスなど多岐に渡ります。
その中で最も親和性が高いのは「LINEショッピング」です。
LINEショッピングにはすでにAmazonや楽天をはじめとするECサイトが出品しており、ここにタイムバンクが加わることは十分に考えられます。
LINEショッピングに出店となれば、さらなる販売力拡大が実現できそうです。
メルカリやココナラのような個人間売買も可能になる?
タイムバンクからのプレスリリースには次の記載があります。
これまで一部の事業者に限定して掲載を行っていましたが、今後は広くオンライン上から商品やサービスを掲載できるオープンなプラットフォームとして解放していく予定です。
個人でも販売可能にするという意味ならば、今後、メルカリのように中古品を売買したり、ココナラのようにスキルを販売するマーケットプレイスに拡大する可能性が高いです。
自身の持ち物や特技をお金に変えることができ、なおかつ通販やサービスが利用できるアプリに成長すれば、タイムバンクだけで生活することができる未来が訪れるかもしれませんね。
その時は「タイムバンクだけで1ヶ月間生活してみた」という記事を書きたいと思うので、お楽しみに笑。
ちなみに、いまは一旦閉じてしまっていますが、少し前までスキルシェア機能を実装していました。
「1億円ポイントバック祭」復活か
2019年10月以降、大規模キャンペーンが影を潜めています。
資金調達によりタイムバンク事業が大きく動き出すことから、「1億円ポイントバック祭」に代表されるような大規模キャンペーンが復活する可能性が高いでしょう。
このキャンペーンはユーザーにとって魅力的であるだけでなく、販売事業者にとっても商品・サービスを販売するチャンスとなり、相互にとって魅力的なのです。
新しく開拓した事業者やユーザーをタイムバンクにつなぎとめることにもなりますので、これからのキャンペーンに期待したいと思います。
39.5億円資金調達の徹底考察まとめ
タイムバンクが初めて実施した外部からの資金調達について考察しました。
ベンチャー企業が出資を受ける場合、事業の進捗状況によって、シード・シリーズA/B/Cと分けられますが、タイムバンクの場合は自己資金が豊富だったこともあり、いきなりシリーズCに匹敵する出資を受けることに成功しました。
ジャフコは一度だけの出資に止まらず、必要に応じて出資を行う投資ファンドですので、今後さらにタイムバンクが飛躍する手助けとなるでしょう。
これからの進展に期待が持てる大ニュースで、今後のタイムバンクが楽しみですね。